約2年8カ月ぶりの試合となるジョムトーンだが引き締まった肉体を保持している(C)K-1
2022年9月11日(日)横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』の第14試合スーパー・ウェルター級3分3R延長1Rで、アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場)と対戦するジョムトーン・ストライカージム(タイ/ストライカージム)が公開練習を行った。
ジョムトーンはラジャダムナンスタジアム4階級制覇をはじめ、WBCムエタイ世界タイトル3階級制覇など、数々のタイトルを獲得したムエタイの歴史に名を残すレジェンド。エタイでの活躍を経て、プロボクシングにも挑戦すると、わずか4戦目でOPBF東洋太平洋王座を獲得。
無敗のまま当時内山高志が保持していたWBA世界スーパー・フェザー級王座にも挑戦し、ボクシングでも世界レベルの強さを見せつけた。まさにムエタイの生ける伝説として、立ち技格闘技の世界においてその名を轟かせてきたジョムトーンが、ついにK-1に参戦することになった。
ブランクこそあるものの、そこは百戦錬磨のジョムトーンだ。「タイのファンは自分の復帰を望んでくれていたから凄く喜んでくれていると思う。逆に同じ階級のファイターたちは『ジョムトーンが戻ってきた…』と思って、少し怖がっているんじゃないかな」と自信たっぷり。
ムエタイ、ボクシング、キックボクシングと様々なルールを経験しているからか、初めてのK-1ルールにも「何度かK-1に近いルールで試合をしているし、違和感はない。ヒジは出さないから安心してほしい」と不安要素はないようだ。むしろ「もしかしたら『ジョムトーンがいるなら…』と思ってK-1に出る選手が減るかもしれないけど、そうじゃなくてどんどんK-1に選手が出てきてほしいね」と余裕も見せている。
過去にK-1ではブアカーオ・ポー.プラムックやゲーオ・ウィラサクレックなど、ムエタイの強豪が活躍してきた。だが「自分はブアカーオと同じレベルの選手だと思うし、日本ではブアカーオは有名かもしれないが、タイではジョムトーンも同じくらい有名だ。(これまでいろいろなムエタイ選手がK-1に出ているが)自分が一番強いと思っているよ」とレジェンドらしい言葉を語った。
対戦相手のアビラル・ヒマラヤン・チーターについては「背が大きな選手だと感じたが、大きいだけかなという印象もある。今までの試合経験の中で多くの大きな選手、小さな選手と戦ってきたし、恐れることは何もない」と切り捨てた。ジョムトーンのK-1における目標は3階級制覇を成し遂げることだ。
今回のスーパー・ウェルター級を手始めに、ウェルター級、スーパー・ライト級の3階級のベルトを全て自分の腰に巻くつもりだ。今大会ではK-1スーパー・ウェルター級王者の和島大海が試合を行うが「申し訳ない。和島のことは名前も知らないし、試合を見たこともないね」と、その存在すら頭にない。
1階級下のウェルター級王者である野杁正明に関しては「野杁の試合は見たことがある。彼はムエタイのような試合をする選手だね」という評価をしていたが、スーパー・ライト級王者の大和哲也は一度試合をして勝っているという実績があるため「いざ試合が決まれば、改めて大和のことは研究するけど、K-1ルールで戦っても勝つ自信はあるね」と、全く臆するところはない様子だった。
「ファンのみんなには『ジョムトーンがリングに戻って来たぞ』と。K-1で戦う姿を楽しみにしていて欲しい」とジョムトーン。横浜アリーナのアビラル戦から、3階級制覇の第一歩を踏み出すのか。