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【K-1】スネの骨が真っ二つに折れる重傷から2年8カ月ぶりに復帰の西京春馬「スピードとテクニックはフェザー級の中で誰にも負けてない」

2022/09/02 18:09
 2022年9月11日(日)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』にて、第10試合のtvk開局50周年記念試合 -58kg契約3分3R延長1Rで森坂陸(エスジム)と対戦する西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が、神奈川の所属ジムにて公開練習を行った。  2019年11月K-1横浜アリーナ大会でのアーサー・メイヤー戦で左スネの骨が真っ二つに折れる重傷を負い、2年8カ月ぶりの復帰となる西京。本格的な練習を再開してまだ2カ月足らずということで、公開練習はパンチ主体の軽いミット打ちで終わらせるかと思いきや、いきなり鋭い左ミドルキックを連打。あまりの迫力に取材陣もどよめいた。 「公開練習も3年ぶりで、皆さんに結構『蹴れるの?』と心配されるので(蹴りました)。試合でも思いっきり蹴りますけど、公開練習でも思い切り蹴って『大丈夫なんだ』と見せたいので左ミドルは強めに蹴りました(笑)」  足のリハビリのために走ったりはしていたが、本格的に練習を再開したのは2カ月前。ただ、左ミドルのスピードとキレを見る限り、まったくブランクは感じさせなかった。 「練習をまったくやってなかったわけではなくて、弟(佑馬)の練習に付き合ってボチボチ動いてはいました。ただ本格的に始めたのは2カ月前で、自分でも『衰えてるかな?』と思ったんですけど、本格的な追い込みを始めたらスタミナは落ちてましたけど、スピードとパワーは思ったより落ちてなかったです」  今回の復帰戦のオファーを受けた時は、すでに試合まで2か月を切っていた。 「最初、家族に相談したら『絶対に間に合わない』と言われたんですけど、自分はプロなので『試合が決まればいける』と思っていましたし、KREST代表の(渡辺)雅和さんに相談したら『春馬ならいけるよ』と言われて。自分は絶対に出たかったので、家族は心配してましたけど復帰戦の話を進めて貰いました」  怪我をする前、西京は実力ある若手選手相手に勝ち上がり、Krushフェザー級王座獲得やK-1フェザー級王座決定トーナメント準優勝という輝かしい実績を残した。だが、怪我で長期欠場している間、ライバルたちは次々とK-1王座を獲得していった。西京はどんな思いで見ていたのか。 「戦ってきたメンバーがみんなチャンピオンになって、僕は家のテレビで見るしか出来なくて、悔しさは正直ありました。僕が勝ってきたメンバーもいたので、上に行かれたなという悔しさはやっぱりありましたね。でも比べられるのがあまり好きじゃないので、自分は自分のペースでゆっくりとトップを狙っていこうと自分に言い聞かせて何とかやってきました」  骨折した左足を手術した後、リハビリ期間中は足の太さに生じた左右差に苦労したという。 「左足がすごく細くなっちゃって。骨に皮をかぶった状態というとオーバーですけど、そのくらい筋肉が落ちてしまって、右と左の足の筋量が同じになるまで時間が掛かりました。つまずいて転ぶこともありましたけど、トレーニングでランニングをして足の太さは戻しました」  2年10カ月のブランクを経て、復帰を決めたのは「いつかはK-1のチャンピオンになる」という強い思いだった。 「リハビリしている時も、ずっと『K-1のチャンピオンになる』という思いは持ってましたね。始めたきっかけがK-1で、あと一歩のところで届かなかった悔しい思いもしましたし。『K-1のベルトを獲る』という思いは、僕は結構強い方だと思います。引退するまでには絶対に獲っておきたい、という思いはありますね」  復帰戦の相手は森坂陸。今、勢いに乗っているが「僕と比べるような相手ではない」という。 「油断は絶対してはいけないと思ってます。僕も油断して何回も痛い目に遭っているので(苦笑)。でも油断しなければ、僕と比べるような相手ではないなというのは正直ありますね。僕はどんなパンチでもカウンターを合わせる自信があるので、バックブローだけは気をつけて。ただ、油断は一切せずに、チャンピオンと試合するつもりでいきます」  復帰に向けて練習をし、減量を始めて、懐かしさもあるという。 「スタミナ面もだいぶ戻って『格闘家ってこんなだったな』と思い出すところもあります。今、3年ぶりに減量してて『ああ、こんな感じだった』と思い出しますし。筋肉量が減っちゃったんで体重自体はそんなに増えてなくて、試合が決まった時点から食事量を節制してるので体重はまったく問題ないです。筋肉はさすがにこの2カ月間では戻り切らなくてまだ落ちた状態ですけど、これも何戦か挟めば戻ると思います」  今回のテーマは「新しい西京春馬」を見せることだ。 「元に戻ったという姿は見せたくなくて、練習をしていても若干ファイトスタイルは変わってるんですよ。そういう部分を試合で出せれば、今のK-1に合わせた戦い方が出来ると思います。なにせ3年ぶりなので試合で出せるかどうか、不安な部分はありますけど、新しい自分を見せていきたい気持ちはありますね。僕が怪我してる間、K-1の採点基準も再定義されて『復帰しても勝てない』と思ったんですけど、そこは変えていくしかないので。そういう部分でファイトスタイルは若干変わったと思います」  先日のフェザー級世界トーナメントでは軍司泰斗が優勝。弟の佑馬のセコンドとして会場にいた西京は、目の前で見た軍司の戦いぶりに大いに刺激を受けた。「凄かったですね。始まる前は『みんな同じレベルで、誰が優勝してもおかしくないな』と思ってたんですけど。決勝戦だけリングサイドで見せて貰って『K-1チャンピオンは凄いな』という試合を見せてくれて。  僕はトーナメントを2回経験して、1回目は決勝戦で負けて、2回目は1回戦で足が折れて。トーナメントの難しさを知ってるので、軍司選手が決勝戦をKOで締めたのはめちゃめちゃ凄いと思いました。正直、江川優生選手がいなくなってフェザー級のベルトに興味が無くなっていたんですけど『フェザー級のベルトが欲しいな』という思いが強くなりましたね」  西京には「フェザー級の中で誰にも負けない」と自負する武器がある。 「僕の武器はスピードです。無理に倒しに行こうというスタイルは出来ないですけど、いつも気づいたら相手が倒れてたりダウンしてることが多いので。今は瞬発的なスパン、という攻撃を磨くようにしていますね。ファンはKOが見たいし、今までの僕はそういうことは一切考えず『自分が勝てればいい』だったんですけど、そういうことも意識していきたいです。パワーは正直ないですけど、スピードとテクニックはフェザー級の中で誰にも負けてない、という自負はあります」  最後に、ファンにこんなメッセージを残した。 「今回、復帰を決めた理由はあまり言わないですけど、一番は子供のために頑張りたい。で、二番目が応援してくれた人たち。みんな期待してくれてるので、期待に応えたいなっていう。自分のためというよりサポートしてくれた人のために、今回の試合ではいいところを見せたいと思います。僕も森坂選手も神奈川県出身で、二人で頑張って盛り上げて、面白い試合をしたいです。3年ぶりの試合ですけど、過去の自分よりも強くなった姿を見せたいので、応援をよろしくお願いします」
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