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【DWCS】日本人初、木下憂朔がコンテンダーシリーズ&メインで最終回にTKO勝ち、UFC入りを決める!「人生を賭けてMMAをやってきてよかった」ダナ代表「UFCが唯一、長いこと失っていた日本のスターを今日、獲得した」

2022/08/31 09:08
 2022年8月30日(日本時間31日)に米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで「ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ2022 第6週(DWCS 2022:Week6)」が開催された(UFC FIGHT PASSにて配信)。 Contender Series 2022: Week 6 速報 2022年8月31日(水・日本時間)午前9時~UFC FIGHT PASS ▼ウェルター級 5分3R〇木下憂朔(日本/パンクラス大阪稲垣組)6勝1敗・171ポンド(77.56kg)[3R 0分43秒 TKO] ※左ストレート→パウンド×ジョゼ・エンヒッキ(ブラジル)5勝1敗・171ポンド(77.56kg)  同大会に日本人初出場となる木下憂朔(パンクラス大阪稲垣組)が参戦。メインイベントで5勝無敗のジョゼ・エンヒッキ(ブラジル)と対戦する。  前日計量後のフェイスオフでは、互いに握手を交わした後に対峙すると、ウェルター級として日本では決して小さくない身長183cmの木下に対し、ミドル級から落としてきたエンヒッキは身長195cm、そして199cmという長いリーチを見せつけてファイティングポーズ。木下を見下ろす形で見つめた。  木下はSNSで「フェイスオフ。俺の歴史にまた1ページ」と意気込みを記すと、木下の米国合宿にも帯同した萩原京平は「やったれ」と激励。木下も「かまします」と答えている。  6歳から16歳まで正道会館で習った空手をベースに、15歳からMMAを開始した木下は、JMMAFで経験を積み、アマ無敗のまま2020年11月のDEEP&PANCRASE大阪大会でプロデビュー。1Rでリアネイキドチョークで一本勝ちすると、2021年4月の嶋田伊吹戦でも1R TKO勝ち。  7月にはPANCRASEでベテランの中村勇太をサウスポー構えからの左ストレートで1R KO。9月に高木健太を左でダウンさせてのギロチンで一本勝ち。4戦連続で1Rフィニッシュをマークした。  2021年11月の「RIZIN Trigger 1st」で、DEEP王者の住村竜市朗と対戦すると、打撃で上回りながらもケージ掴みのフットスタンプにより2R、反則負けを喫したが、2022年4月29日の「PANCRASE 327」で、元王者の村山暁洋を1R、左跳びヒザでTKO。現王者の菊入正行への挑戦をアピールしていた。  その間、「ROAD TO UFC」が開催されるも当初予定されていたウェルター級でのトーナメントは組まれなかったため、米国にマネージメントを持つ木下はコンテンダーシリーズへの出場を決め、キャリア7戦目で事実上のUFCトライアウトに挑むこととなった。  対するノヴァウニオンのエンヒッキは、修斗ブラジル、LFA等で5戦無敗。長身を活かしたムエタイ&柔術をベースとしており、LFAでは、オーソドックス構えからモーションが少ない右ストレートでATTのベドロ・オリヴェイラからダウンを奪う判定勝ちも収めている。近い距離でのヒジ打ち、飛び込んでのヒザ蹴りにも注意が必要だ。計量パスにエンヒッキは、「明日がショーの本番」と笑顔を見せている。 「コンテンダーシリーズ」は、UFCのダナ・ホワイト代表が新たな選手をスカウトすることを目的とした大会で、シーズン1では、現バンタム級ランカーで人気選手のショーン・オマリーが契約。ダナ代表の目前で試合をすることで、UFCとの契約をつかむ王道になっている。  8月21日に22歳になったばかりの“令和のワンダーボーイ”も、5勝無敗のエンヒッキも、コンテンダーシリーズでただ勝つだけでなく、契約を勝ち取るために強気で攻めてくるだろう。果たして木下は難敵を下し、日本人初のコンテンダーシリーズ出身UFCファイターとなるか。  米国ラスヴェガスのUFC APEXでのメインイベント。無観客。入場曲も無く、両選手が入場する。先にケージに入るエンヒッキ。赤コーナーから木下が扉を開けて登場。咆哮し気合を入れる。  1R、サウスポー構えの木下。エンヒッキはオーソドックス構え。長い左ジャブを見せるエンヒッキ。木下は右ロー、さらに左インローも。  左を振って、左前蹴りで前に出る木下。そこに右を狙うエンヒッキ。木下の左インローがローブローになり中断。再開。  右ローを当てる木下。左を伸ばして、ダブルを当てる木下! さらに左前蹴りで詰める。そこにカウンターの右ストレートを当てるエンヒッキは高い右ハイ。かわした木下はバックフィスト、後ろ蹴りも。  ここはかわすエンヒッキ。木下は左側頭部から出血。左前蹴りで詰めるが、エンヒッキは長いジャブを返す。サウスポー構えから右ローを当てる木下。左ストレートの飛び込みは単発。右にまわってかわすエンヒッキ。  左ボディストレートを見せるが、エンヒッキもワンツーで押し戻し。木下は左インロー、右ミドルで押し戻す。木下の左フックに、エンヒッキも右フックを振ってブザー。  2R、先に圧力をかけるエンヒッキ。右ハイを振るが、かわす木下は両手を挙げて笑顔。左のダブルで飛び込む木下。バックステップだかわすエンヒッキ。右フックはかわす木下は左の奥足ロー。さらに左右で詰めるが、そこにエンヒッキは右ヒザを狙う。  左ストレートをアゴ下に当てる木下! さらに右! 金網に詰まるエンヒッキだが左右を狙う。左の蹴りは木下。右回りで外を取ろうとするが、エンヒッキは長い右。しかし木下も左を返し、エンヒッキの右バックエルボーをかわす。  木下の左ローに右を合わせにいくエンヒッキ。スイッチして歩いて前に出る木下。エンヒッキの右はかわして左で前に詰めるが、カウンターの右はエンヒッキ。左ボディからの右も見せる。木下は頭を振って慎重に詰める。  3R、エンヒッキの左を潜って右ボディは木下。広げて伸ばした前手が木下の目に入り、アイポークで中断。再開。  ワンツーを伸ばしたエンヒッキに木下はその右を左にかわして、カウンターの左ストレート! ダウンしたエンヒッキにパウンド連打! 足を効かせようとするエンヒッキだが、木下の連打にレフェリーが間に入った。  勝利直後、「日本人、見たか!」と叫んだ木下は、立ち上がったエンヒッキに「また会おう」と日本語で語ると、左足をひきずりながら、試合後のインタビューで、「今日はKOして、ほかの選手よりもインパクトのある試合をしたかったので良かったです。(左の足首の怪我は?)2R目のインローで自分が痛めて、足を止めて打った。もともとローで削ってパンチで倒そうと。右が来るのは分かっていたのでカウンターを狙っていました。(興奮したダナの映像に)最高ですね。日本人初、歩んできたことのない道を開いて、人生を賭けてMMAをやってきてよかったと思いますね」と語った。  試合後、ダナ・ホワイト代表は、UFC入り決定選手として、ブレーク・ビルダー、ヴィクトリア・ドゥダコヴァ、マテウシュ・レベッキ(※ダナ代表がMVPに挙げた)、セドリクス・デュマス、そして最後に木下憂朔の名前を挙げて、「長いこと日本のスターが生まれてこなくて待ち侘びていた。メインのふたりは、どちらもきっと何かやってくれる、そんな期待をしていた。この子は無敗で、記録上1敗だがそれはDQ。みごとに試合を支配した。UFCが唯一、長いこと失っていたことは何か、それは日本のスター。この子はとても才能に溢れていて、まさしくその存在。マーケットでいえば、この競技を愛する者にとって、PRIDEがあった日本の存在というのは大きいし、日本にとっても今回大きなことだろう。日本から才能のあるビッグスターを輩出するというのがなかなかできてこなかったけど、今晩見つけることができた。(日本というのはマーケット的にどれほどのものなのか?)全ての国にとって、大きなことだ、出身者がいるってことは。コナーを輩出したことはアイルランドやUKにつながった。オーストラリアだってチャンピオンがゴロゴロいるだろ? もしこの子がUFCでどんどん上がっていけば日本でも膨れ上がっていくだろう」と、コンテンダーシリーズからUFC入りを決めた木下を称賛した。  UFCとの契約を決めた木下は松葉杖をつきながら、あらためてインタビューで「良かったです。(日本人初の契約)やっぱり日本の格闘技に一個名前を残せたと思うので、もっともっと大きな歴史を残せたらなと思います。(左足首の怪我を治して、どのあたりでUFCデビュー戦を行いたい?)すぐにでも。いつでも出来るようにすぐに治すんで」と語った。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇セドリクス・デュマス(米国)7勝0敗・184.5ポンド・83.68kg[1R 3分05秒 ギロチンチョーク] ※ハイエルボー パワーギロチン×マテイ・ペナス(チェコ)6勝1敗・185ポンド・83.91kg  1R、サウスポー構えのペナスに右ローから入るデュマスは、左フック一気に詰めてボディロックテイクダウン! すぐに立ち上がるペナスにハイエルボーのノーアームギロチンチョーク! スタンドのまま絞め上げタップを奪った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇マテウシュ・レベッキ(ポーランド)16勝1敗・155.5ポンド・70.53kg[1R 3分05秒 リアネイキドチョーク]×ホドリゴ・リジオ(ブラジル)12勝3敗・155ポンド・70.30kg  1R、サウスポーのレベッキ。リジオは右ハイ。そこを詰めてテイクダウンを奪うレベッキ。金網まで這い上体を立てるリジオに左足をかけてバック狙い。その立ち上がりをがぶるが首を抜くリジオ。  リジオの右をかわして組んで尻下でクラッチし、持ち上げてテイクダウンはレベッキ! ハーフガードのリジオがスイッチ気味に腕を差し込み背中を見せて立とうとしたところを半身のままレベッキはリアネイキドチョークへ。タップを奪った。 [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇ヴィクトリア・ドゥダコヴァ(ロシア)6勝0敗・116ポンド・52.61kg[判定3-0] ※29-28×3×マリナ・シウバ(ブラジル)8勝1敗・115ポンド・52.16kg  1R、ドゥダコヴァが右で差してテイクダウン。バタフライガードのシウバは左でオーバーフック。ドゥダコヴァはいったん体を放して中腰からパウンド。パスガードを試みるが、足を効かせるシウバは背中をつけながらも下からパウンド。ブレーク。スタンド再開。右を振って組んで行くのはドゥダコヴァ。小手に巻くシウバを払い腰テイクダウンもブザー。  2R、四つから小外でテイクダウンはシウバ! そのままマウントを奪うが、腰を切り足を戻すドゥダコヴァ。いったん体を放したシウバは上からドゥダコヴァの足を蹴る。  ブレーク、スタンド再開。左で差して押し込むシウバに右で差し返して払い腰テイクダウンはドゥダコヴァ! バタフライガードを取るシウバに体を離して中腰から飛び込むドゥダコヴァだが、そのスペースで立ち上がるシウバが前に出ると、ジャブをかすめたドゥダコヴァは一瞬腰を落とすが立て直す。小手に巻くドゥダコヴァはカニ挟みテイクダウン狙い。それを潰したシウバが上からパウンド。  3R、ドゥダコヴァにドクターチェック後、最終回がスタート。回転の速い左右で詰めるシウバにシングルレッグはドゥダコヴァ。引き込み気味のシウバに右で脇差しパスガード狙い。ついに左へパスしたドゥダコヴァ。  サイドを奪うと押さえ込んで細かいパウンド。上から肩パンチも繰り出す。左手で頭を抱えながら立とうとするシウバのバックを奪い、両足もかけてリアネイキドチョーク狙い。  シウバは正対を試みるがさせないドゥダコヴァ。背後にパンチを打つシウバに、ドゥダコヴァもバックからパウンド。約10分をグラウンドコントロールして最終回を終えた。判定は1、3Rを制したアンダードッグのドゥダコヴァが3-0(29-28×3)で勝利。試合後のインタビューで腰を落としたシーンについて聞かれ、ヴィアチェスラフ・ボルシェチェフの通訳のもと、試合前にヒザを傷めていたことを語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ブレーク・ビルダー(米国)7勝0敗1分・145.5ポンド・65.99kg[1R 3分15秒 リアネイキドチョーク]×アレックス・モーガン(カナダ)11勝5敗・144.5ポンド・65.54kg 右を効かせたビルダーがバック奪取。両足をフックしてリアネイキドチョークへ。背負って立ち上がろうとしたモーガンだが、ビルダーは後方に引き込みリアネイキドチョークを極めた。
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