2022年10月15日(土)東京・大田区総合体育館で開催される『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2022』の記者会見が、8月29日(月)都内にて行われた。
Super Fight!のスーパーライト級(-65kg)3分3R延長1Rで、白鳥大珠(TEAM TEPPEN)vs.YA-MAN(TARGET SHIBUYA)が決定。8月21日の大阪大会のリング上にて、YA-MANが白鳥に対戦を要求し、白鳥もそれに応えて今回対戦が正式決定した。
白鳥はキックボクシングからボクシングに転向し、8勝(5KO)3敗の戦績を残してキックボクシングにカムバック。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」で優勝。世界王者のベルトを巻いた。2021年6月のRIZIN KICKワンナイトトーナメントでは皇治らを破って優勝。2022年は4月に秀樹から延長戦の末に判定勝利を収めたが、6月の『THE MATCH 2022』ではゴンナパーに初回KO負けを喫した。戦績は23勝(10KO)9敗1分。
RISEの“キングオブストリート”ことYA-MANは14歳から高校生までの6年間、ストリートファイトに明け暮れ、19歳でキックボクシングを始めた。2018年2月にRISEでプロデビューし、当初は目立たない存在だったが2021年5月にRISEでオープンフィンガーグローブ着用試合がスタートすると自ら名乗りをあげ、山口侑馬、北井智大にKO勝ち。11月のRISE大阪大会では中村寛とフルラウンド、バチバチの殴り合いとなる大激闘を演じて話題に。さらに大晦日RIZINに出場すると、皇治に判定勝ちして一気に名をあげた。6月の『THE MATCH 2022』では芦澤竜誠との因縁の試合をKOで制し、戦績を12勝(5KO)3敗とした。
会見で伊藤隆RISE代表は「今大会のテーマはズバリ一騎打ち。分かりやすく言うとタイマンですね」と発表し、「この試合はまさにタイマンだと思っています」と大会を象徴する一戦だと紹介。また、白鳥が心機一転してライト級からスーパーライト級に階級を上げること、YA-MANはMMAの練習で身体が大きくなっていることから、今回の試合はスーパーライト級で行われると説明した。
YA-MANは「この試合はただただ俺が本当に強いのかを世間に知らしめるだけの試合だと思っている。というのも俺の評価って、THE MATCHでの相手は階級が下だったし、その前の試合も相手はオープンフィンガーグローブの試合は初めてだったし、中村戦も中村選手が打ち合いに付き合わなかったら負けていたとか言われることが多いので、今回は普通にキックボクサーとして強い白鳥を1RでKOして、やっぱりYA-MANは強かったんだなと証明したい。そのためだけに試合を受けた。あとは大阪で言った通り、白鳥の女性ファンを全員俺のファンにつけたいと思って。いつも以上に気合いが入っているから楽しみにしておいて」と、自分の評価を上げるためとよこしまな理由の2つがあるとした。
対する白鳥は「YA-MANは凄いRISEで一番ノリにノっている。その勢いはあると思うが、自分はTHE MATCHでKO負けしたり上手く結果はついてきてない。この試合が組まれて盛り上がると思いますが、よく考えた時に原口選手がYA-MANとやるかと言ったら組まれないんですよね。でも僕は組まれました。僕はトップで戦っている選手ではないってことですね。ここは正直実力差を見せないないと意味がないと思っていて。8オンスグローブでやるってことなので、僕がライト級1位で、YA-MANは何位か覚えてませんが(ライト級10位)、その分の差を見せたい。で、この間話したような勢いはあるけれどモテないと言っていますが、なぜモテないかをしっかり教えてあげたいと思います」と、格の差を見せたいとする。
65kgでの対戦になったことについてYA-MANは「何kgでもやります。下は減量がキツいけれど上なら何kgでも、ストリートでは何kgでもやるので。俺はグローブでもOFGでも素手でも何でもやる」と体重もルールも関係ないとし、「あと、俺がトップじゃないと言っていたが勘違いするなよって感じですね。今まで強いヤツとやっていないだけなので。落ち目の白鳥君と勢いに乗っているYA-MAN、どっちが勝つか楽しみにしていてください」と白鳥に反論した。
これに白鳥は「お前が言うなよ」と声を荒げ、「自分はこれまで63kgでやっていましたが、減量もキツくなって。僕自身、階級を上げてやりたいと思っていたので。vs.世界が盛り上がってくるのかなと思うので今回から上げます」とちょうどいい機会になったとし、「YA-MANが勘違いしているので、お前が言うなって思いましたね。OFGで盛り上げているのは分かる。でも普通のキックボクサーとしてはまだまだだと思っているので。僕は今トップにいませんが、今回の試合はトップに行くための土台だと思っているので、今回きっちり差を見せて勝ちます」と、YA-MANは自分の実力を過剰評価していると言い放った。
年内のデビューを目指してすでにMMAの練習を始めているYA-MANは「めちゃくちゃ変わっています。俺はバックボーンがないんですよね。キックボクシングを始める前は何もやっていなくて、基礎を習わずにここまでやってきた。最近ボクシングやMMAを習ってみて、格闘技の基礎をようやく自分の身体に取り入れているところで。やっと土台が上がった。距離感とか。身体の使い方とか。だからMMAを練習したことによってキックボクシングのレベルも上がった。それをまた見せるいい機会だと思っています。今回はパパっと終わらせて次のステップへ行く」と、MMAの練習を始めたことによって格闘技の基礎が出来たという。
白鳥という存在については「俺がデビューする前から第一戦に出ていたので、追いついてやった、追い抜いてやるぞって感じですかね」と、もはや射程距離内にいるとした。
一方、白鳥は「客観的に見て自分は結果が残せていない。YA-MANは1年前からOFGをきっかけに一気に上がってきた。盛り上がるという部分ではいいと思う。そういうカードも大事だと思います。でも、1アスリートとして考えた時に、そこと当てられるのか、と正直思いました。大阪でもRISEの王者たちが65kg前後で世界と戦っているのを見て、置いて行かれた気持ちがあります。でももう一度 自分なら出来ると思っているのでこんなところで躓いてはいられない。それだけの差を見せて勝たないとダメだと思っています。めちゃめちゃ気合いが入っています。ぶっ倒します」と、かつてライバルだった原口らに置いて行かれているとの危機感を感じており、再び世界を目指すためにYA-MAN戦をクリアーしなければいけないと話す。
THE MATCHでの初回KO負け後、「前回は負け方としては練習で一番ダメなパターンで倒された。自分の弱点、そこを埋めていく。穴をなくすことが大事だと思っています。そこさえなくせば倒せると思っています」と自分の穴を埋める作業をしているとする。
ファンがYA-MANに期待している試合というものに、白鳥も付き合うのかと聞かれると「いわゆる喧嘩ですよね。でも前回、喧嘩で行くと言っていて倒されたので僕は喧嘩には向いていないっぽいですね(苦笑)。でも殴り合う場面は絶対にあるので、そこは楽しみにして欲しいですね」と、期待される場面はあるとした。
逆にYA-MANは「今回のテーマは俺が強いんだということを世間に知らしめたいので、一番強い戦い方で来て欲しいですね。それで白鳥選手の一番強いところで勝って、YA-MANはキックボクシングをやっても強いやんって世間に知らしめたいですね」と、正統派のキックボクシングで勝負して来いと言い放った。
また、RISEが打ち出しているvs.世界というテーマをこの先に見据えているかと聞かれたYA-MANは「それは視野に入れていない。強い外国人のストリートファイターとやるのは面白いけれど、世界の強豪と戦って勝ちたいとの願望はないですね。俺は盛り上がれば何でもいい」との答え。
逆に白鳥は「前回の大阪大会を解説で間近に見ていて悔しさがあった。ここで戦っていかないといけないとの想いがあります。前回負けて流れが悪いのでここで一回立て直したい。ここで勝ったからと言っても世界を相手にしていくとは言えないので、階級も上げたのでRISE側から行けると言われるタイミングで世界と戦っていきたいと思います。そこは変わらずに目指しています」と、世界との戦いに打って出たいとした。
YA-MANが「フェイスオフで向かい合った時にイケメンがムカつくのでボコボコにしてやります」と言えば、白鳥は女の子に振られてイケメンを敵視するYA-MANに「そこは何も思わないですが僕らのせいではないんですよ。顏がタイプじゃなかったら他の部分で補える部分がたくさんある。それが分かっていないのかなと思いますね」とイケメンの余裕を見せていた。
最後にYA-MANは「今回の試合でYA-MANが本当に強いのか弱いのか分かると思うので、みんな俺が強いのを見とけよって感じですね」と宣言。白鳥も「今回の試合でもう一度強い白鳥大珠を見せたいと思っているので、そこを皆さん期待して見てください」と、両者とも“強さ”を見せる試合にしたいと口を揃えた。