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【RIZIN】緊急参戦で敗れた昇侍が1Rに右腕骨折の疑い「悔しいです」と号泣、過酷な減量も告白「極度の影響失調と脱水症状で吐き気を堪えながら…」

2022/07/02 21:07
【RIZIN】緊急参戦で敗れた昇侍が1Rに右腕骨折の疑い「悔しいです」と号泣、過酷な減量も告白「極度の影響失調と脱水症状で吐き気を堪えながら…」

右腕を吊り、傷だらけの顔でインタビュースペースに現れた昇侍

 2022年7月2日(土)沖縄アリーナ『RIZIN.36』の第9試合 フェザー級(66.0kg)5分3Rで、ヤン・ジヨン(韓国)に3R1分46秒、リアネイキドチョークで敗れた昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ)が試合後インタビューに答えた。

 当初、ジヨンは朝倉海(トライフォース赤坂)との対戦がメインイベントで決まっていたが、朝倉は右第2中手骨骨折後変形治癒偽関節による激痛があり、ドクターストップによる欠場。急遽、昇侍の代打出場が6月30日に発表された。

マンガのヒーローみたいに上手くいく世界じゃない


――試合を終えての感想は?

「ヤン選手非常に強くて、自分も急遽ながら死力を尽くして戦いましたがやられてしまいました。悔しいです」

――急遽の参戦を決めた想いは?

「このような急なオファーで受けるかどうかも凄く迷ったんですが、友だちの海くんが出れないという緊急時代にRIZINさんからオファーをいただいて、自分はこの日本の総合格闘技界、このイベントを支える一役を担う選手として指名をいただいたことに光栄に思い参戦しましたが、本当にそんなに簡単に出られるリングではないことは分かっていますし、こんな準備も出来ていない選手が勝つほど甘い世界ではないことは分かっています。マンガのヒーローみたいに上手くいく世界じゃないって現実を突き付けられたというか。ある意味、これが格闘技の世界での姿と言うか、これが本当に格闘技の答えだったんじゃないかなと身をもって感じています」

――右手の怪我はどこで?

「1Rが終わった時点で右腕の尺骨が折れていると分かっていて、セコンドにも右手が折れていると言ったんですが、そんな折れたくらいで諦めるようなやわな人間ではないので。海くんも拳を折った中で年末戦ったり、そういう姿を見ていたので、自分がここで諦めるわけにはいかないと思って最後まで気力を振り絞って戦いました」


――海外勢との試合も久しぶり。その印象は?

「打撃が強いのは事前に分かっていたし、見るからに身体も強くて。これから未来のある予想通りの素晴らしいファイターで。自分も真っ向勝負で戦いましたが、3Rくらいから急に自分もガス欠を起こしてそこにパンチをもらって決められたと。3Rに入っても、彼も前蹴りが効いていてスタミナはかなりキツい状況にあったと思うんですが、精神力も非常に強くて最後は決められてしまったという感じですか。日本の侍の名を背負っている人間として海外勢と戦うことは誇りに思っていますし、会場のファンの皆さんのアツい声援が聞こえて来てそれが自分の励みになって腕が折れても諦めることなく最後まで頑張れたと思います」

――今後は?

「腕が…病院へ行って精密な検査をしないと何とも言えないんですけれど、おそらく感覚的には腕の骨が折れているというので長期離脱という形になってしまいますが、僕だけじゃなくこういう怪我をして何度も復活して何度もこのリングに挑戦するのが格闘技の世界ですし、僕はこの日本の総合格闘技のリングを、PRIDE、DREAM、RIZINとずっと追いかけて戦ってきたのでまだまだ自分はこんなところで終わるつもりもないので親友の海くんと共にしっかり怪我を治して、また日本の総合格闘技界を盛り上げるべく精一杯自分の人生を懸けてまた戦って行こうと思っています」


――右の前蹴り、インロー、ハイキックも当たっていた。それは右手が使えなくなったから?

「作戦としてもインロー、ハイ、ミドル、前蹴りはサウスポーなので海くんと一緒に考えたプランとしてはあって。そこにストレートも上手く交えていきたかったんですが、1Rが終わってから腕の痛みが増してきてどうしても蹴り一辺倒になってしまった展開です」

――急なオファーを受けてリングに上がった想いは?

「本来しっかり準備をして上がるべくリングで、急なオファーで勝てるほど甘くない世界だと分かりつつも、こういう緊急事態というのは格闘技界ではあることですし、そこで自分に指名をいただいたということで。自分が出来る最大限の役割を果たそうと思って挑みましたし、本来自分が嫌なら断ればいいだけの話ですし、それを見越してRIZINさんが自分に指名をいただいたということは誇りに思っていますし、悔しいですが…(涙をこらえきれず言葉に詰まる)でもこれで諦めずに絶対に復活して…絶対に戻ってきます」


――2Rにヒジでカットして、それでももっと来いとゼスチャーをして拍手が沸き起こったのは聞こえたか?

「聞こえていましたが、もうそれどころではなかったですね。ただ、皆さんの応援が自分の力になって後押しされたと思っています」

――友人である朝倉海選手のセコンドは?

「作戦をしっかり立てて普段通りに冷静にアドバイスをいただきました」

――スピード減量でこの1週間で一番キツかったことは?

「自分も挑戦したことのない急激な減量だったので、最後の減量当日の残り300グラムがどうしても落ちなくて、サウナに行っても汗が出なくなって本当に吐き気がして。4日くらい何も食べずに運動をし続けて、極度の影響失調と脱水症状で吐き気を堪えながらサウナに入って。あと100グラムが本当に落ちなくてそこが自分の中で本当にキツかったです」

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