2022年5月28日(土)東京・豊洲PITで開催された『NO KICK NO LIFE』の大会後、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98(フリー)に判定3-0で勝利した元WKBA世界スーパーウェルター級王者・緑川創(RIKIX)が引退を発表した。
(写真)5月の『NO KICK NO LIFE』でT-98を破り改めて“ヒジあり”の実力を証明した緑川
緑川は2023年2月11日に大田区総合体育館で開催される『NO KICK NO LIFE』の試合を最後に引退することを決意。「あと何試合できるか分かりませんが、自分がやりたい相手と出来るように、強いヤツと最後まで最強を追い続けて、やり続けて最後終わろうと思います」と話していた。
(写真)RISEミドル級王者イ・ソンヒョン
その緑川に最後、誰とやりたいのかを聞くと「一人はRISEになぜ僕が上がったかという理由なんですが、イ・ソンヒョンです。松倉信太郎と戦った時の試合を見て、前から強い選手だとは思っていたんですけれど、あの試合を見て僕も殴り合いみたいなのが好きなので打ち合って勝ちたいなって思いました。自分自身、心からやりたいと思わされた選手だったんです。どういう状況になるか分かりませんが、辞める前にイ・ソンヒョンと思い切りぶつかり合いたいです。チャンスがあればやりたいと思っています」と、現RISEミドル級王者イ・ソンヒョンの名をあげた。
そしてもう一人、どうしても戦いたい相手がいるという。「もう一人は海人選手です。RISEに上がって何回か負けましたけれど、一番悔しかったのは海人選手に負けたこと(2020年10月、判定2-0)。あそこで勝っていたら何か変わっていたのかなって自分自身の気持ちもあります」と、6月19日の『THE MATCH』でK-1王者・野杁正明との中量級国内最強決定戦を行い、勝利した海人(TEAM F.O.D)と再戦したいとした。
海人は野杁戦後「これで日本に相手がいなくなりました。次は自分は世界へ行きます」と、vs.日本人は卒業して今後は海外の強豪たちと戦いたいとしている。しかし、緑川はそこに“待った”をかける。
「確かにもうヒジ無しでは日本に相手がいないのかもしれませんし、僕もヒジ無しで負けています。でも、再戦はヒジ無しルールでやるのではなく、海人選手も得意なヒジありルールでやりたいなって気持ちがあります。僕もヒジありの方が得意ですし、ヒジありなら日本のこの階級で一番強いとの自負もあります。実際にT-98選手にも勝ちました。だから、海人選手が世界に出ていく前に、ヒジありでも国内最強を証明してからでもいいのではないでしょうか」
もちろん、海人の実力は認めているうえで最後に再戦を受けて欲しい、と緑川は熱望。「RISEで対戦して海人選手の強さも知っていますし、彼は結果も出しているので、辞める前にもう1回やらせてもらえたらなっていうのがあります。勝って引退できたら最高だなって思います」
2023年2月11日に引退を決めている緑川にとってタイムリミットは少ない。「2月に引退は決めています。なので8月に試合は決まっているんですが、そこから2月の間でどうなるって感じです。毎月でもいいくらいの覚悟でいますし、身体がぶっ壊れてもいいくらいで、最後引退した後1カ月くらい入院してもいいかなって思っています。強敵と出来れば2試合で終わってしまうかもしれませんが、悔いなく終わるには欲を言えば4試合やりたい。最後まで全うして終わりたいなって気持ちがあるので。例えば僕とやりたいって言ってくれる選手が出てこないかなって思っています。やったことない選手とか、もう1回やってみたいなって選手でも。そういう選手がいれば、イ・ソンヒョン選手、海人選手とは別にやってみたいです」と、完全燃焼してキックボクサーとしてのキャリアを終えたいとした。
ヒジありルールでの国内最強決定戦。最後にもう一度戦いたいという緑川の願いは、海人に届くのだろうか。