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2022年7月31日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN.36』の対戦カードが発表され、57kgのフライ級契約で、ベテラン所英男と、DEEPフライ級王者・神龍誠の試合が決定した。
▼フライ級(57kg)5分3R
所 英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
神龍 誠(神龍ワールドジム)
44歳の所は、2020年大晦日に61kg契約で太田忍に2R 腕十字で一本勝ちして以来の試合。
7連勝中、21歳の神龍は、2022年5月にDEEP同級暫定王者の藤田大和に3R ニンジャチョークで一本勝ち。統一王者になっている。
会見に登壇した神龍は、「お久しぶりです。フライ級日本最強の神龍です。所選手、引退試合で俺みたいな天才とやれて、本当に良かったと思います。今回のテーマは“親父狩り”なので、残酷にボコボコにします」と、今回の試合が所の最後の試合になると予告。
対する所は「またRIZINで、RIZINルールでさいたまスーパーアリーナに立てて、すごく嬉しいですし興奮しています。対戦相手の神龍誠選手は本当に日本のトップの選手で、すごくかっこよくて強くて、本当、みんなが憧れるような選手になっていると思います。そうっすね……『負けねーぞ』っていう気持ちと、『3Rやり切ってやる』という気持ちを、毎日言い聞かせて過ごしています。応援よろしくお願いします」と、神龍の思い通りにはさせないとした。
続けてフライ級に落として戦うことを決意した気持ちを問われ、それが「対世界」のなかでやり残したことだと、所は語る。
「フライ級に落とすの9年ぶりなんですけど、自分のなかで格闘技でやり残したことは何だろうと思って、やっぱりVTJで、カンプザーノに判定負けして、アメリカでBellatorで判定負け、やっぱりその2つの試合にちょっと、自分のなかではっきりしたいというか、やりきりたいなという気持ちと、RIZINの関係者の方からもフライでどうだと言っていただいて、どっかでまだやれるかなという期待も自分のなかであるので。フライ級で頑張っている選手に、いきなり自分が下げて対戦させていただくのは申し訳ない気持ちもあるんですど、やっぱり組んでいただいた以上、みんなが見て納得というか、喜んでもらえるような試合ができたらなというのは本当に思っています」
2013年10月の「VTJ 3rd」で126ポンド(57.2kg)で、ウィル・カンプザーノと対戦した所は、スプリット判定負け。試合後、所陣営は修斗コミッション及びVTJに判定結果について抗議するも、結果は覆らず、この試合後にカンプザーノはUFCと契約している。
また、2015年3月にはBellatorに参戦。L.C.デイビスとバンタム級で対戦し、目まぐるしく攻守が入れ替わる激闘の末、これも所がスプリット判定負け。「対世界」で行く手を阻まれた経験を持つ。フライ級でUFC出場を目指している神龍と戦うことは、所にとって、叶わなかった夢に決着をつけるような試合になる。
前戦では、リオ五輪グレコローマンレスリング銀メダリストの太田忍のMMAデビュー戦の相手として大晦日大会に参戦し、腕十字で一本勝ち。その所の寝技について、神龍は「うーん。めっちゃ動くなっていう、それくらいです。(どこが勝っている?)全部有利じゃないですか、腕十字と足関だけ気をつければ問題ないです」と言い切る。
23歳若い神龍と対戦する所は、44歳という年齢での王者への挑戦を問われ、「『年齢はただの数字』と言いたいところはありますけど、練習を詰めてスケジュール通りうまくやれないと次の日に残ったり、1週間なかなか疲れが取れなかったりだとか、いろいろあるのですけど、若い選手に比べたら何なんですが、自分たちおじさんの未来も、まあ、輝いているはずなんで……、まあ、頑張っていきます」と語り、神龍の「引退試合」発言に、「RIZINであと3戦やりたいです」と笑顔を見せた。
神龍にとっては、圧倒的な強さを見せて「世界」への扉を開きたいところだろう。所は44という年齢で階級を落としての挑戦で、9年前の自分に落とし前をつけることができるか。