引退試合を終え、前田日明の元を訪ねて対談した高阪(右)(C)前田日明チャンネル
2022年4月17日(日)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて開催された『RIZIN.35』で、現役最後の戦いに臨んで勝利した高阪剛(ALLIANCE)が、リングス時代の師匠である前田日明の元を訪れた。
前田のYouTubeチャンネル『前田日明チャンネル』にて2人の対談が公開され、最終回となる3回目が5月26日に公開された。
(写真)リングス時代の高阪の雄姿
高阪はリングスでの経験について「まずは外国人選手が豊富だった。そういう選手と当たれたし、なおかつトレーニングとしても当たることができた、肌を合わせることが出来たっていう、その経験というのは凄く大きかったと思います。要は敵わないことはあるので、フィジカル面とかで」と、外国人選手の圧倒的なフィジカルを常に肌で感じ取ることが出来たとする。
「その後、UFCに上がることになったりとか、そのための練習を積むためにヘビー級の連中とスパーリングを重ねたりとかする時にも、多分こういう直線的な動きだからこうしないといかれるだろうなとか、そういった感覚的なところだと思うんですけれど、それを養えたのは凄く大きかったんじゃないのかなとは思います」と、後のMMAで海外ヘビー級選手と戦う時の感覚を養えたことが良かったと振り返る。
(写真)極真空手出身のタリエル
前田道場では「(ビターゼ・)タリエルっていう選手が次の大会まで道場に残っている時に、スパーリングお願いしますって言うと正拳突くんですけれど腹にもらっているのに腰が痛くなるんですね。もうわけがわかんないです」「(アンドレイ・)コピィロフなんかにも遊ばれながらバンバン身体極められて“くっそー”と思うんですけれど、何をどうしても無理なので。指とか持って曲げちゃダメなのかなとかそういうことを考えていました(笑)。これも関節なんだからこれもOKなんじゃないのとか。そこまで行かないと勝てないなって思いました」と、規格外のパワーを身をもって感じたとのエピソードも。
高阪はコピィロフと練習するためにロシアのエカテリンブルグにも渡ったが、「そこでコピィロフは超テッペン。その下にいる連中とかめちゃめちゃ強いのがいっぱいいるので辿り着かないんですよ。コピィロフとのスパーリングまで」といったエピソードも披露。
(写真)KOKトーナメントでの活躍で一躍ヒーローとなったコピィロフ
リングス時代の様々な体験を前田と共に振り返り、最後には前田からの教えてについて高阪は次のように語った。
「とにかく『つっぱれ』っていう。『プロの選手っていうのはとにかくつっぱらなきゃダメだ』っていうことを自分は前田さんの背中を見て学んだんです。それともうひとつは『勝って当たり前だよ。プロの世界っていうのは普通に勝っても誰も何も評価してくれないから、勝ってなおかつ“あいつ何か凄いな”でも“怖いな”でも何でもいいから見てる人がそういうものを感じる試合をやらなきゃダメだ』っていうことを直接おっしゃっていただいたんですけれども。そのふたつは自分のその後のプロのリングに上がるっていう意味でも響いていて」と、格闘技のプロとは何かを教わったと語った。
最後には前田から「ヘビー級を育てないと未来はないですよ」と、日本人ヘビー級の育成を託され、対談は幕を閉じた。