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【RIZIN】「美しき復讐か、残酷な返り討ちか」──王者として伊澤星花との再戦に臨む浜崎朱加「激しさの中にも冷静さを保ち続ける」=4月17日(日)『RIZIN.35』

2022/03/31 22:03
 2022年4月17日(日)『RIZIN.35』(武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ)で「RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)タイトルマッチ」(5分3R)で、伊澤星花(K-Clann)の挑戦を受ける王者・浜崎朱加(AACC)が3月31日、公開練習を行った。  1R2分のグラップリングスパーリングを行った浜崎は、寝技で上下どちらのポジションにもなり、腕十字やキムラ、横三角の動きなどを披露。  リモートの公開練習前&囲み取材前には、AACCのキッズたちからサプライズのバースデーケーキのプレゼントも受け取り、「まったく特別なことは何もしていなくて、公開練習が今日だったのもたまたまだったんですけど、誕生日のエピソード……何かある? いままでに思い出に残る誕生日のエピソード……いや、当日というのはほんとうにないかも。今日が一番かもしれない! 格闘技を始めてからは、あんまり誕生日を祝うっていうタイプじゃないので、だいたいジムにいますしね。年齢を忘れる感じで。いまの年齢(40歳)は覚えやすいですけど(笑)」と笑顔を見せた。  2021年の大晦日に、現DEEP JEWELSストロー級王者の伊澤星花とノンタイトル戦で対戦した浜崎は、1Rに得意のアームロックから上を取るも、下からの蹴り上げを受けてダメージを負い、2Rに三角絞めを極められたままマウントからパウンドとヒジを連打されてTKO負けを喫した。  対日本人初黒星となった浜崎に、試合後のキッズたちは、「これまであまり負けがなかったので気を遣っているような感じでした」といい、周囲の応援してくれている人たちも「一緒に悔しがって、私よりも悔しがってくれる人が多くて、それが滅茶苦茶こたえました。だから“もうああいう思いをさせたくないな”っていうのは一番にあります」と浜崎は再起を誓う。  その意味で、次戦で即再戦が組まれたことを歓迎している。伊澤戦まで浜崎はクラウディア・ガデーリャ、リヴィア・ヘナタ・ソウザ、ハム・ソヒの3選手にしか敗れてなかったが、いずれもリヴェンジの機会は訪れなかった。 「前回負けてるし、その相手に初めてリヴェンジマッチという形で組んでもらってモチベーションは上がっていますし、楽しみです」 [nextpage] これまであまり試合を意識した練習とかが出来ていなかった  試合後、「自分に腹が立った」と本誌に語った浜崎。  トップを取りながら、ガードでの攻防で身体が立つことで蹴り上げをもらい、抑え込むことが出来なかったことや三角にとらえられた場面を「予想しなかった蹴り上げとか、下からの攻撃を全部受けてしまって、相手のやりたいようにやらせてしまった。悪いところが全部出たという感じでした」と、ハム・ソヒ戦でも下からの攻撃を受けたように、課題であったことを語る。  再戦までの期間は3カ月半と長くはなかったが、「そこもしっかり修正・調整が出来ています。出来ることは限られていますので、その中で最大限出来ることはやってこれたかなと思います」という。  今回もセコンドには阿部裕幸AACC代表と藤井恵の両師匠がつく予定で、前回の試合後も「いろいろ言葉をかけてもらいましたが、技術的にというより、これからどうやっていったらいいか、“どういう風に練習に向き合うべきか”ということを言ってもらいました」と助言を受け、「それを練習でも意識してやっています。今回もセコンドについてもらうことで心強いです」と、相手を想定した練習が出来ていることを語る。  2018年から9勝1敗。ライバル不在の女王ゆえに「これまであまり試合を意識した練習とかが出来ていなかったのかなというのはあったので、今回はスパーリングの中で自分の苦手な動きなどをしてきています。技術練習的なことを阿部さん含めやらせてもらっています」と、対戦相手に合わせた想定練習などをあまりやってこなかったことを修正して、今回の王座戦に向かう。  伊澤を「前回は思ったより極めが強くて技が多彩でした」と評する浜崎は、今回の再戦は、「全然違う展開になるのかなと思います」ときっぱり。内容は「ちょっと言えないですけど」と、策があることも示唆する。  それは、組んでくる伊澤が相手のため、前戦では攻防が少なかった打撃戦のことか、と問われると、「もちろん打撃も試したいことがいっぱいあるし、寝技も試したいことがいっぱいある。そこはまあ場面・場面で作っていく」と、全局面に置いて、前戦のようには行かせないつもりであることを語った。 [nextpage] リヴェンジしたい。勝てばベルトはついてくる  同日の公開練習では、浅倉カンナが浜崎と伊澤の試合に「ショックでしたね。自分が一番に(浜崎を)倒したかったという気持ちを無しにしても、浜崎さんが負けたのがショックでした。(自分も)新しい選手に飲まれちゃいそうで、そこが怖かったです」と危機感を語っているが、その状況について、浜崎も「そういう選手は多いのかなというのは感じます。負けてしまった私がしっかり受け止めないといけないですが、いい選手がすごく増えているし、これからもっと増えてくるなとは感じています」と、超新星たちの台頭が目覚ましいことを感じている。  そんななかで、3月26日の『ONE X』では、ライバルのハム・ソヒが、新鋭のデニス・ザンボアンガとの再戦で判定勝ち。ベテランの壁を越えさせなかったことについて「やっぱりハムちゃんとは3回も戦って思い入れのある相手なので、そういう選手がほかの団体でも勝ったことは嬉しいです」と語る。  今回、再戦のタイトルマッチのポスターにつけられたコピーは、「美しき復讐か、残酷な返り討ちか」。そこには3試合ともにベルトが賭けられている。  浜崎は「ベルトを意識していないというと何ですが、負けた相手とのリヴェンジマッチなので勝ちたいという気持ちが一番で、勝てばベルトはついてくるのかなと、ただそれだけです。勝てばベルトは戻ってくる。そこまでベルトを意識していないです」と、やり返すことが最大の目的であるという。  そのために、今回の試合のテーマは、「激しさの中にも冷静さを保ち続ける」こと。冷静と情熱の間で戦う浜崎は、リヴェンジを成し遂げることが出来るか。
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