史上初、女子の試合がムエタイの殿堂ルンピニースタジアムで行われる(C)gosport.world
2021年2月4日(木・現地時間)にタイ陸軍のスポークスマンが会見を行い、ムエタイの2大殿堂のひとつであるルンピニースタジアム(もうひとつはラジャダムナンスタジアム)で、ムエタイの試合が行われなくなる可能性があることを発表した。
ルンピニースタジアムはタイの国技ムエタイ専用の競技施設で、1956年12月8日に開設。タイ国陸軍によって運営され、認定する王者はラジャダムナンと並んでムエタイの最高権威とされてきた。
(写真)新たなルンピニースタジアムの内観(JPMC山根千抄代表のInstagramより)
陸軍のスポークスマンによれば「陸軍はギャンブルに関係することを良しとしない」(タイではムエタイはギャンブルの対象)というのが現在の陸軍最高司令官の考えで、地方の陸軍基地の中にある競馬場での競馬と、ナコンラチャシーマー県とサラブリー県の2カ所の陸軍基地内のムエタイスタジアムでの興行は停止すると発表。
ルンピニースタジアムに関しては「これからどうするかを考える、ルンピニーで試合をしない場合の軍の損失なども調査する」とのことで、陸軍司令部は軍内部に(ルンピニースタジアムに関する)調査および研究プロジェクトチームを結成するとしていた。
伝統あるスタジアムが閉鎖かとムエタイファンを騒がせたこのニュースだが、経営陣が変わり存続が決定。新たなスタジアムには最新のビジョンスクリーンが設置されるなどかなりイメージを一新、近代的な会場へリニューアルされた。
同時に、ムエタイの歴史を大きく変える決定もなされた。これまで日本の大相撲と同様に女人禁制とされてきたルンピニーだが、7月17日(3日から延期)の興行にて史上初の女性のダブルタイトルマッチが行われることが決定。
この歴史的な一戦の舞台に上がるのは、タイのトップ女子選手であるSanaejan Sor.JorTongprajinとBuakaw Morkorchor Chaiyaphum。WBCムエタイ女子ミニフライ級王座とルンピニースタジアム認定ミニフライ級タイトルマッチとして行われる。ルンピニーで女子のタイトルが新設されるというのも大きな変革だ。
同大会は7月17日の午後6時(現地時間=日本時間は午後8時頃)からhttp://www.gosport.worldでライブ配信され、WBCムエタイのFacebookとGoSportYouTubeチャンネルでもライブ配信される。