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【LFA】“UFC登竜門“LFAで堀内佑馬、日本人初の戴冠ならず。ジョンソンがスプリット判定勝ちで王者に

2021/07/03 11:07
 2021年7月2日(日本時間3日)米国オクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートで「LFA 110: Silveira vs. Murray」が開催された。  メインは、日本の堀内佑馬が米国のチャールズ・ジョンソンと「LFA暫定フライ級王座戦」に臨んだ。試合は、ABEMA「格闘チャンネル」にて緊急生中継された。  LFAで日本人初となるタイトル挑戦に臨む堀内は、19歳で単身渡米し、米国カリフォルニア州アーヴァインの「チーム・オオヤマ」に所属し、UFCを目指す“新世代”の格闘家だ。  1997年9月生まれ、23歳の堀内はMMA8勝3敗。2013年7月の「DEEP Tokyo Impact」でプロデビュー後、2016年12月の「Gladiator Challenge」で米国デビュー戦勝利。  2019年5月にLXF1フライ級で、Bellatorにも参戦したベンジ・ゴメスに判定勝ちを収めると、LXF4でバンタム級に転向。2020年1月から現在のLFAに参戦し、レアンドロ・ゴメスにスプリット判定負けも、今年2月にバンタム級からフライ級に階級を戻すと、2021年4月にドノヴァン・フリローに2R 腕十字で逆転の一本勝ちを収めていた。  対するチャールズ・ジョンソンは、タイガームエタイ所属でMMA8勝2敗。167cmの堀内に対し、ジョンソンは175cmとフライ級では長身で、足をシャッフルさせながらスイッチしての左右の蹴り、懐深く低いガードで相手の打撃を見切りながら、鋭いジャブを突くなど、打撃巧者だ。  8勝のうち3つの一本勝ちもマークしており、キムラロックのほかにブラボーチョーク、アナコンダチョークと、がぶりから長いリーチを活かした絞め技も得意としている。  難敵を相手に、堀内は日本人初のLFA王者となるか。タイトルマッチに向け、堀内はツイートで「必ず勝ちます。そしてベルトを必ず巻いてその先のUFCに行きます!! 皆さん応援よろしくお願い致します」「世界で勝ってベルト巻くよ。日本の強さ見せる」と意気込みを記している。  バンタム級で田中路教がLFA参戦に向け、米国サクラメント入りを果たすなか、ひと足はやくフライ級で堀内佑馬がベルトを巻くか。 ▼LFA暫定フライ級王座戦 5分5R〇チャールズ・ジョンソン(米国)[判定2-1] ※49-45、46-48、48-46×堀内佑馬(日本)※ジョンソンが新王者に  フライ級の暫定王座戦。日の丸を背に入場の堀内。セコンドにはオオヤマ氏。対するジョンソンはアゴに髭をたくわえてケージイン。  1R、ともにオーソドックス構えから。右ローから入る堀内。先に圧力をかけていく。左インローも前足に突くと。サウスポー構えにスイッチするジョンソン。  左カーフキックをこつこつと当てる堀内。さらにミドルハイキックも。ジョンソンは左前蹴り。左の蹴りをジャブがわりに打つ堀内。ジョンソンも右ロー、前蹴りを返すとオーソに。そこに堀内は右ローを打つ。前足を上げてリズムを作る堀内。さらに右ストレートをアゴに突く。  サウスポー構えになりながらジョンソンは左! ジャブを当て始め、ローをカットし、ノーガードを見せる。しかし堀内は左ミドル。ローに打ち返しの右ローはジョンソン! 堀内の打ち終わりに長い右を当てると堀内の腰が一瞬、落ちる! 立て直す堀内は左の蹴りをダブルで突く。  2R、堀内の圧力に右前蹴りはジョンソン。左ローをジャブ替わりに突く堀内は右ハイ! 組みに行くが、ここは突き放すジョンソン。ジョンソンは右ロー。しかし詰める堀内は右ハイ! 試合中に日本語で「オソスギル!」と話しかけるジョンソン。しかし、これは効いたゆえか。左前蹴りを掴もうとする堀内。ジョンソンは右前蹴りは関節蹴り。しかし堀内も右の蹴りを上下に突く。しかし流れのなかでのローブロー1発で「減点1」に。  再開。左ハイでリズムよく前に出る堀内。さらに右ミドル、左の打ち下ろしも。右目近くをカットしたジョンソン。攻撃は堀内のラウンドだが「減点」は……。  3R、互いに打撃の攻防のなかでダブルレッグに先に入る堀内。押し込み、離れると右ボディフックをヒット! さらに金網に詰めて右ボディ! さらに右ハイと上下に散らす。前蹴りは三日月蹴り気味に打ち込む。  前に圧力をかけ続ける堀内。右ローをトリプルで蹴り返すジョンソン。右ストレートは長い! しかし再び左の蹴りを当てる堀内が中央を取り右ボディ、左ストレート、右を攻め込む。堀内の右ミドルに左ミドルを返すジョンソン。サウスポー構えのけんか四つで右手を前に出すジョンソン。堀内は金網に詰めて右ストレート、右ヒジ! さらに右ストレート。ジョンソンも右ストレートを返すが、追う堀内。下がりながらも左ストレートを当てるジョンソン!   追う堀内に右ストレートを当てるジョンソン。打撃の凌ぎ合いのなかで堀内も細かく左右を打ち込む。前半は堀内もラウンド後半はジョンソンか。  4R、チャンピオンシップラウンド。中央を取るのは堀内。右を当て、右ボディ、左ストレート。ガードを固めるジョンソンはサークリング。そこを左手で押さえて右を打ち込む堀内。ジョンソンはガード一辺倒。しかし左ボディを返し、目の痛みを訴える。堀内が伸ばした手がアイポークとなり、ドクターチェック。  再開。左手で右手を押さえて、右ストレートは堀内。ジョンソンの右ローはカットする堀内。しかしジャブを返すジョンソン。堀内は右ミドル! ここは効かされたジョンソンが組み付く。突き放し右ボディストレートは堀内! 左を返し組み付くジョンソン。突き放す堀内はなおも追い、左三日月蹴り! インロー。右で差して金網に押し込む堀内。  5R、最終ラウンド。左ジャブを連打するジョンソン。しっかり前手でさばいて圧力をかける堀内は右ボディ! 左ジャブを当てるジョンソン。さらにサウスポー構えのジョンソンは左ストレート! 右目を腫らす堀内だが前に。一瞬脇を差して組むが離れる。  左ストレートが長いジョンソン。堀内の打撃が空を斬る。堀内の右ボディにバランスを崩すも立て直すジョンソン。オーソに戻したジョンソンの左ジャブにアゴが上がる堀内だが、左右を止めない堀内は前に。右前蹴りで左回りのジョンソン。追う堀内は顔面を腫らしながら詰めていく。有効打が多いジョンソン。堀内は左の蹴りを折り混ぜて前に。ブザーにジョンソンはハグをするが、堀内は納得せず、離れる。判定へ。  1、5Rはジョンソン。2~4Rは堀内のラウンドとも取れるが……。判定はスプリットに割れ、1人目はジョンソンが49-45、2人目は堀内48-46、そして最後のコールは48-46でジョンソンについた。  2-1で勝利したジョンソンはエド・ソアレス代表から腰にベルトを巻かれ、咆哮。堀内との試合について「打撃は何一つ効いていない。教科書通りの平坦なコンビネーションに辟易していた。よく出来ました、という感じだね。スプリット判定になったのは、有効打ではなかったけど、彼の手数・足数が評価されたのかもしれないね。(最後のハグがちぐはぐだったのは)自分が日本語でからかったことに腹が立ったのかもしれないね。それ以上に勝ちたいという思いのなかで明らかに僕が勝っていた苛立ちなんじゃないかな。自分も完璧な姿を見せられなかったことにはがっかりしてる」とマイクで語った。
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