キックボクシング
インタビュー

【イノベーション】蘇った天才・馬木愛里「目に入る敵は海人選手のみ。RIZINで美男対決なんていかがですか?」

2021/05/08 21:05
 2021年5月9日(日)TKPガーデンシティ千葉にて開催されるJAPAN KICKBOXING INNOVATION主催『Resistance-2』のメインイベント、WBCムエタイランキング査定マッチ、スーパーウェルター級(69.85kg)3分3Rで対戦するINNOVATIONウェルター級1位・馬木愛里(=うまき・めり/岡山ジム)と津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。 馬木は2014年9月に14歳でプロデビューし、182cmの長身とセンスの良さで“天才”として注目を浴びた存在。ムエタイの本場タイでも試合を行い、16歳で無敗のままルンピニースタジアムのスーパーライト級7位にランキング入りしたこともある。2017年9月にバイク事故で重傷を負い、2019年7月に復帰。いきなりMuayThaiOpenウェルター級王者決定戦に臨み、KO勝ちで王座に就いた。同年10月には番長兇侍にKO勝ち、11月には地元・岡山で元MA日本ミドル級王者・井原浩之にも勝利した。その後は試合間隔が空き、今回が約1年半ぶりの復帰戦。戦績は10勝(5KO)3敗。 馬木愛里「倒すか斬るか完封の三択のみです。苦戦さえしません」 ――先日4月25日より発令された、昨年のコロナ禍発生より3回目となる緊急事態宣言が5月11日までとなり、JAPAN KICKBOXING INNOVATION(以下、INNOVATION)としては初使用会場の「大田区産業プラザPIO」で開催予定だった5月9日興行中止を余儀なくされたと聞いております。が、そこから急転直下、緊急事態宣言下にない千葉県千葉市中央区のTKPガーデンシティ千葉へ会場移動の大回転で試合は延期もなく実施されることとなりました。 「会長(実父の馬木一路)から『試合消滅が確定するまで気を抜かずに頑張れ!』と叱咤激励されていたところ、素直に信じて(練習で)追い込んで、そのお知らせを聞いて『やっててよかったー!』と心底嬉しかったです! 大変な中、興行を開催していただいた連盟に大感謝です」 ――当たり前ですが、やはり不安は大きかった? 「ジムの仲間たちと『なくなっちゃうのかなぁ?』『なくなるよなぁ』と絶望話はしていました。それだけにINNOVATION最高です! 今回のことでいつもより注目もされると思うので、そこのメインですから派手に盛り上げます」 ――所属の岡山ジムは、地方興行では国内最大級の興行を年一回打ち続けており、そのイベント名を今風に横文字でネーミングすることもせず「INNOVATION認定岡山ジム主催興行」と硬派を貫いてきました。それだけに愛里選手もINNOVATION愛は強いのでは? 「INNOVATIONは大好きです! けど、意外と次の試合が初INNOVATION首都圏興行なんです。岡山ジムは、ほとんど毎年出場させていただいていますけど、連盟本部直営は、初めてで」 ――それは意外でした。チャンピオンカーニバル(年末のタイトルマッチ勢揃いシリーズ)などに出ておられるような気がしていました。 「INNOVATIONタイトルは、同僚の太聖(たいせい/前INNOVATIONウェルター級王者/2019年11月17日の番長兇侍戦で勝利後、引退を表明したが、今年復活宣言)や弟分の平松侑(INNOVATIONバンタム級王者)が獲っているので、自分も是非巻きたいです。けど、中2でプロデビュー(2014年9月28日/アクション・チャムノンファーム/判定3-0勝ち)からこれまで13戦して、ヒジ打ちあり、首相撲制限なしの試合しかしたことないので、純キックボクシングルール(ヒジ打ちと首相撲無制限)のINNOVATIONルールは、僕の庭なんです」 ――以前のインタビュー記事を拝見すると、ルンピニージャパン認定王座を“忘れ物”と言われて、一度決まりながら大事故で流れてしまった2017年10月15日の岡山ジム主催興行で予定されていた初のタイトルマッチ、ルンピニー日本ウェルター級王座決定戦、vs喜入衆を望みつつ、世界の強豪と対戦し掴んだ“本物”の証としてルンピニージャパン認定タイトルを獲りたいと語られていますが、そこから更にブランクを作ってしまった今、そこは変わらず。 「変わらないですね。できることならすぐにでも喜入選手が現在持っているルンピニージャパン認定ウェルター級チャンピオンシップに挑戦したいです。その為にも今回の試合、圧勝して力を見せつけます。KOオアTKOオア完封のみです」 ――力強い勝利宣言をいただきましたが、その前にどうしても気になる約1年半にわたるブランクについてお聞かせください。今年1月17日の岡山興行では、実兄、馬木樹里選手のKO勝利からのマイクアピールを受けてリングサイドで目を真っ赤にして強く頷く愛里選手の姿が見受けられました。 「一昨年の11月17日の試合(井原浩之に判定3-0勝ち)の4カ月後、昨年3月、タイに渡ってWPMF世界ウェルター級タイトルマッチも内定していました。4月は、ここで明かすことはできませんが誰しもが認める超大物との試合が。ですが、コロナですべてが中止となってしまって……ショックで完全に心が折れました。ポッキリと。その他にもホント色々ありまして、4才からずっと居続けたジムとリングから『休憩しようかな』と生まれて初めてグローブを遠ざけました。病んできたと言ってもいいかもしれません。とにかく一度離れようと」 ――そして、兄のマイクに繋がるわけですね。 「ムエタイやキックボクシング、格闘技を嫌いになったわけではありません。一応、まだ20才、どこかで戻る機会を探していたところはあります。それは兄や岡山ジムの仲間たち皆も解っていたでしょう。そのきっかけをあのマイクでもらいました」 ――感極まった空気が伝わってきました。 「僕は誰よりも負けず嫌い。またジムとリングに戻るなら徹底してやります。やるならやる。そこのメリハリは絶対です。そして、僕は“やる”と決めました。また、田村(信明/岡山ジム)相談役からも『やるなら中途半端せずに全力でやってみろ』と背中を押していただきました。お母さんと妹の聖里(セリ)は、特に気持ちを込めて応援してくれるので、また試合が見せられて嬉しいです。そして、お父さんと兄は、最大の理解者です。散々心配をかけてきた家族や恩人に恩返ししたいです」 ――部外者ながら「お帰りなさい」と言わせていただきたいお話です。 「多くの人から『(リングに)戻って頑張りなよ』とはずっと言われてきました。正直、自分の才能には自信があるし、心底努力すれば、まだ自分が目指す本物になれる確信もあります。だから……見ていてください、これからの僕を」 ――力強い復活宣言を再度確認したところで、迫る次戦、津﨑善郎戦、まずは相手の印象からお聞かせください。 「津﨑選手……知らないです。ただ、師匠が現役のラジャダムナンスタジアム王者(ミドル級チャンピオン)ですからムエタイを熟知した戦略は立ててくるでしょう」 ――愛里選手は、確かに攻撃的なムエタイスタイルですが、対ムエタイに攻略法を絞るのは正解? 「はい、僕はタイ人ですから(笑)」 ――タイ人宣言!? 「両親とも日本人でファンキーなお父さんとマジ綺麗なお母さんから産まれた僕ですけど、中身はタイ人そのものだと思い込んでいます」 ――それはムエタイスタイルの徹底の意味で? 「いえ、生き方というかライフスタイルや心情、哲学、諸々セットで(笑)。ジムで誰よりも長く歴代のタイ人先生と接して、タイ渡航も数えきれないほどしましたけど、それでかぶれているでなしに、それが自分にあっているなって気づきました」 ――では、そんなタイ人的愛里選手と対戦するに当たり、ムエタイを知り尽くす石毛会長の愛弟子は、もしかしたら危険な相手かも? 「僕は対日本人無敗です。たまたまではないです。レベルが違います。石毛会長は凄いです。しかし、僕がブアカーオだったとして、津﨑選手を勝たせることができますか? 僕にとっても同じことです。ブアカーオが日本人選手と試合をするのに特別な警戒も研究もしません。舐めているとか油断しているではなく、己を磨くのみということです」 ――そして、どんな勝ち方を? 「前にも言った通り、倒すか斬るか完封の三択のみです。苦戦さえしません。どれにするかは、ゴングが鳴ってから決めます」 ――敵は自分のみ? 「いえ、まだまだ世界の一流からすれば自分は小さいです。だから、まずは戻すこと」 ――現在、ブランク前のコンディションに及ばない? 「ジム生は『全然落ちてない』と言ってくれますし、大きくなった身体もあるだけに『パワーが付いた』とも。けど、まだまだ自分で納得がいきません。親友の安本晴翔(名門・橋本道場のエース)が認めるくらいじゃないとダメでしょう。それでも津﨑選手には勝つことは間違いない。けど、三択以外の結果(苦戦するなど)であれば、僕にとっては負け同然。その代わり、戻れば、その時点で日本ナンバー1です」 ――大胆に断言する愛里選手の現在のベストウェイトは? 「ウェルター(66.67kg)からスーパーウェルター(69.85kg)です」 ――ブアカーオやジョルジオ・ペトロシアンなど世界最厚の選手層を誇るクラスですが、当然、日本にも強豪はひしめいています。 「いえ、目に入る敵は、海人選手のみです」 ――ズバリの名指しに驚きました。 「彼はヒジが得意。ムエタイでも正直自分の現在ベストで超えられるか確証はないくらい。海人選手を日本人の枠に入れてもいません。“世界の”海人選手とリスペクトしています」 ――対戦を望む。 「もちろんです。RIZINが最近はムエタイルールもされているので、そこで美男対決なんていかがですか? イケメンを血に染め上げる艶のある戦いを魅せますよ!」 ――海人選手は、シュートボクシング不動のエースですが、SBルールは? 「ヒジありなら構いません。海人選手だって僕に投げ勝とうとはしないでしょうけど、ルールは選びません」 ――「ルールお構いなし」も驚く宣言です。肘打ちにはただならぬこだわりがあるとお見受けしますが、ムエタイの対極、ヒジなし、首相撲なし(または制限あり)のK-1やRISEルールで戦う可能性も? 「僕はタイ人です。一流のナックムエ(タイ語:ムエタイ選手)は、ルールを選びません」 ――ということは、現在、空前の盛り上がりを誇る新生K-1とRISEで馬木愛里登場もあり得る? 「“ブラックパンサー”ベイノア選手と僕なんて面白くないですか? 極真空手とムエタイの異種格闘技戦ですよ(ニヤリ)。木村"フィリップ"ミノル戦なんて想像しただけで身震いします。ただ、僕はあらゆるリングに上がり続けたいので、契約拘束があるリングは難しいかもしれません。けど、やりたいですね。うん、やりたい」 ――“日本ムエタイ界の至宝”梅野源治選手がRIZINで皇治選手と対戦する昨今とはいえ、意外な展開に口あんぐりです。 「RIZINのさいたまアリーナ、東京ドームとかいいですよね」 ――そこまで来ると世界最高峰の選手が集まるシンガポールに本部を構えるアジアの巨大プロモーション「ONE」は? 「最高じゃないですか! ペトロシアンにスーパーボン・バンチャメーク、ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー。最近では、マラット・グレゴリアンやチンギス・アラゾフまで登場したじゃないですか。勝てばファイトマネーもどんどん上がっていくと聞いています。実力こそが至上のパフォーマンスって姿勢が自分向きです」 ――やはり大会場のメガイベントや巨額のファイトマネーには興味がある? 「けど、同時にINNOVATIONやMuayThaiOpenの新宿FACE興行や地元・岡山興行などにファイトマネーなんか聞かずに出続けるのも僕です(笑)」 ――その自由闊達はカッコいいです。「僕は、2016年10月19日の岡山興行でつけていいただいた『本物を求める備中の美拳士』ってキャッチコピーが今もお気に入りなんです。ホンモノは、相手が強ければ場所も試合間隔もルールも選びません。そこから一皮も二皮も向けて甦る“ピンクダイヤモンド”のムエタイはそういうことですから」 [nextpage] 津崎善郎 馬木選手には日本人初敗北をプレゼントできれば  津崎は現ラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者・石毛慎也を師に持ち、2020年9月の新日本キックで同団体のウェルター級王者リカルド・ブラボと引き分けている。現REBELS-REDスーパーウェルター級王者の吉田英司とは過去3度に渡って激闘を繰り広げた。12月のREBELSでは渡慶次幸平に判定勝ちも、今年2月のREBELSではブラボとの再戦で敗れている。 ――自ら“バックパックファイター”を名乗られる津崎選手は、以前に収録されたインタビューを拝見するだに一風変わった人生経験を積まれているようでお話をお聞きするのが楽しみです。 「バックパッカーの世界では、自分が回った25カ国なんてどうってことない規模なんです」 ――25か国、十分凄いです。 「いやいや、南米大陸やアフリカ大陸を攻める上級者は、100か国を超えるつわものも珍しくないですから。ただ、僕の場合は『どこに行っても現地のジムで練習する』ってコンセプトがあるので特徴的ではあります」 ――相当面白そうな具合ですが、その前にTKPガーデンシティ千葉へ会場移動で延期もなく実施されることとなりました。この急展開についてどんな心持ちでおられましたでしょうか? 「緊急事態宣言の話が出た時は『やんのかなー?』と不安にはなりました。ただ、コロナに関してはもう慣れちゃったというか、1年以上もこの生活が続くと惰性もあって、『五輪中止』『飲食店の酒類販売禁止』とかやり過ぎだろーとさえ思えてしまうことも確かです。昨年、志村けんさんが亡くなった時の緊張感は全くないですよね。だからこそ、自分は試合が『あるつもり』と信じ込んで気を抜くことはありませんでした。それにしてもKNOCK OUTなどの他イベントが延期を発表するにつれ心が揺れはしましたよ(笑)」 ――そこでまさかの千葉市移動となったわけです。 「凄いですよね。はじめ聞いた時は『他県かー!』と声に出しちゃいました。正直、そのビジョンは見えなかったです。販売していたチケットの移動は、何名かのキャンセルは出ましたが何とか穴埋めできましたし、とにかく良かったなと。INNOVATIONには感謝です」 ――今回、INNOVATION初登場となる津崎選手とは、どんなキックボクサーなのでしょうか? 「正直、華麗なテクニックのない僕は、前に出続けて最後まで倒しに行く姿勢を貫きます。面白い試合しますよ」 ――テクニックに関しては、現役のラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者である石毛慎也会長がご指導されるだけに環境は整っているのでは? 「自分は、海上自衛隊時代が9年で、そこから27歳のキックボクサーキャリアスタートで、かなり遅咲きです。それだけに器用にハイテクニックを収めるには無理がありますが、自分のようなファイターがテクニシャンを仕留める方法は石毛会長直伝の秘伝があるので、そこはお楽しみに(ニヤリ)」 ――対戦相手の馬木愛里選手は、確かに日本人としては卓越したテクニシャンと言っていいでしょう。 「彼のことは、最早、タイ人だと思ってかかっています」 ――それ程の高評価ということでよろしいのでしょうか? 「強いのは、強い。間違いないでしょう。VTRがあまり沢山見れていないのですが、J-NETWORK興行(2019年10月17日、愛里の2ラウンドTKO勝ち)で番長兇侍選手を一方的に下した試合を見ていて、一言『強いな』と。向こうの土俵で勝負するとあのハイテクに巻き込まれてやられるでしょう。それをさせんようにガンガン前に出る」 ――そこを事前に宣言してしまっていい? 「縦ヒジ打ちには特に気をつけなくちゃならないし……」 ――更にそこまで言ってしまって大丈夫でしょうか? 「大丈夫。それだけの作戦があります! 彼は、一昨年から1年8カ月も試合なし練習なしのブランクを作ったんですよね? Twitterをチェックしましたが、4月6日のツイートで『1年半ぶりの練習/痺れましたなぁ』って、試合約1カ月前ですよ? 普通なら一番追い込んでいる時期です。これって舐めてるって言うより『ああ、タイ人なんだな』ってことで自分を納得させています(笑)」 ――殺気溢れる感じから、不穏な具合を漂わせての破顔一笑、御見それいたしました。そんな津崎選手のプロキャリアは、日本ではなくオーストラリアで始まったとか? 「ですね。カナダに1年いたのですが、豪州は2年で最も長いし思い出深い場所です。向こうのジムは、キックボクシングではなくてムエタイを前面に出していて、デビュー戦からヒジ打ちあり、首相撲無制限でした。それ以前にいくらか練習していた経験者だったからとはいえ、4戦した全部の相手が後の一流選手ばかりでバカ強くて参りました。1勝3敗で生き延びましたが良い経験です。そこで対ムエタイも色々習ったので、今度の馬木戦には役立つことでしょう」 ――そこからバックパックファイターの本領が発揮される? 「ブラジルは特に強烈でしたたね。シュートボクセ系のアンドレ・ジダのジムではRIZINで活躍しているルイス・グスタボ選手やUFCのカルロス・ネトBJJ選手など世界一流のファイターがゾロゾロいて、そこでマススパーなんてあったもんじゃないガチスパーの連続ですからね。それでも彼らの動きを見ると荒々しく脇の空いたフックを連打してくるなど隙が多そうに見えたので、実際やる前、少しは自信があったんですよ。それが手を合わせてみると恐ろしいほどのフィジカルパワーが嵐みたいで。そのまま相手を変えながら10ラウンド、ボッコボコにされました(笑)」 ――日本人がまったくいない孤独の中、そんな危険に目に遭うのは相当な経験です。 「日本人……あ、それでいいこともありました。リオで歩いていたら前からショートボクセのランニングシャツを来た兄ちゃんがスケボーに乗って来たので話しかけたところ『ナカシマヒロキを知ってるか?』と訊かれて、『知り合いではないけど知ってはいる』といった感じで答えたら、えらく喜んでくれて、そのままジムに案内してくれて良い練習ができたことがありました。グラウコ・キャンプとか、そんな名前だったかな?」 ――バックパッカーとして世界格闘技放浪記の話は、まだまだ尽きないとは思いますが、最後に一番怖かった話だけ教えてください。 「ブラジルのスラム街でえらく筋骨隆々の黒人と白人の二人組の女に後ろからいきなり組み付かれて引きずり込まれてやられそうになったことですね(笑)。向こうは商売なんでしょうが、こっちには恐怖でしかないので命からがら逃げだしました。えらい剛力で自衛隊出身の僕が何もできなかったほどですが、今となってはあれ、ホントの女性だったのやら?(笑)」 ――すべらない話、ありがとうございます。それにしてもそれだけの膨大な経験は、人間力増大に寄与していることでしょうし、ファイターとしての強さにも関係がありそうです。 「そこははっきりと繋がっていると自分的に確信します。言葉が100パーセント通じない海外で時として極限状況で機転を利かせるということは、同じく極限状況のリング内で頭を使って冷静に闘うことと相通じると思います。それが僕の強味ですし、馬木選手よりも大きく優れている点です。お客さんには、自分のファイターぶりを見て、そんな僕の人生を感じていただきたいですし、馬木選手には、日本人初敗北(馬木は対日本人無敗)をプレゼントできればなと」 ――またよろしければ、その後の展望をお聞かせください。 「ずっとムエタイでやってきたので、どんなに華やかだろうと、今更、K-1やRISEにも興味はないし、この道で踏ん張って、結果、いただけるチャンスは全てモノにしてやろうと思います」 ――馬木選手ほどの強豪に勝利すれば、当然、そこは目前となることでしょう。 「好んで他人と違う人生を歩んできた僕の生き様を馬木選手から金星を奪う自分の闘いで表現できれば最高です」
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