記者会見に続いて空手衣で公開練習に臨んだ田渕。回り込みながらの攻撃は寺山にとっても脅威となるだろう （C）RISEクリエーション
2021年2月28日（日）神奈川・横浜アリーナ『Cygames presents RISE ELDORADO 2021』に出場する、田渕涼香（拳聖塾）が公開練習を行った。
田渕はRISE QUEENミニフライ級王者で「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」の優勝者・寺山日葵（TEAM TEPPEN）と対戦する。
2017年第22回全日本少年少女空手道選手権大会（極真会館関西総本部主催）高校生女子軽量級優勝の実績を持つ、空手歴17年をベースにした田渕は『ACCEL』や『S-BATTLE』などに参戦。プロ戦績は4勝（3KO）無敗の20歳。2020年12月のRISEに陣内まどかの代替え選手として出場し、RISE女子フライ級暫定王者・小林愛三（NEXT LEVEL渋谷）からダウンを奪って判定勝ちするという番狂わせを起こして一気に注目を浴びた。
公開練習ではスピードのあるシャドーではワンツー・フック、前蹴り、ハイキック、後ろ蹴り、後ろ廻し蹴りなどを左右に構えをスイッチしながら繰り出し、ミット打ちではジャブ＆ロー、パンチのコンビネーション、常に横へ回り込みながらのハイキックなどを披露。
「今は追い込み途中なので50％くらいです。当日までに100％に持っていきます」と田渕。キックボクシングのコスチュームではなく空手衣で動き、先日の記者会見にも空手衣で出席したのは「道衣の方が気が引き締まるので気合いが入ります」との理由から。
対戦する寺山については「イメージは膨らんできています。寺山選手は私よりも身長が高いので、手足が長い分、先に攻撃が当たるのでそこを気を付けたいと思います」と言うが、「相手はいつも私よりも大きいのでそこは大丈夫だと思います。飛び込んで戦う形になると思います」と、慣れているという。
空手では無差別級の試合を幾度も経験。身長170cm、体重70kgの相手ともやったことがあるという。「身体が大きいから勝つというのは違うと思う。小さくても技術やスピードがあれば十分勝てる、そこをしっかり磨いていきたいと思います」と、身長差やリーチ差をスピードと技術でカバーするとした。
ミット打ちで見せていた相手の横へ回り込む動きも「空手は無差別級なので、大きい相手に対して真正面から行ったら潰されるので横に動きます。でも、自分ではまだできていないと思っています」と、小柄な身体で大きい相手に勝つために身に付けたもの。
「私は小さい頃から空手をさせていただいているので、キックボクシング専門でやっている相手に空手家がキックボクサーとして戦うのは違うと思うので、空手の技をしっかり見せていきたいと思います。キックボクシングのステップは前後が多いですが、空手は左右の動きをたくさん使うのでそれを使っていこうと思います」と、あくまでも空手スタイルで戦うとする。
寺山が得意とする前蹴りには「対策はしているので自信はあります」とキッパリ。ジュニア空手では顔面前蹴りが決まるとポイントになるため多用されており、「何回かもらったことはありますが、そんなに当てられるイメージはないので」と、経験からも当てさせない自信があるとした。
兄の田渕神太も空手家兼キックボクサーでACCELバンタム級王座に就いており、3月7日（日）京都KBSホールで開催される『QP PRESENTS HOOST CUP KINGS KYOTO7』への出場が決まっている。
「兄にお手伝いしていただいて相手をしてもらってやっています。兄も試合が近いので一緒に調整してやっています」と、兄弟で協力して試合へ向けての準備をしている。
田渕はフルタイムファイターではなく、週6日、午前中から夕方まで介護士の仕事をしており、仕事を終えて夕方から道場で稽古。幼年から小学生までの空手指導もしており、終わるのは22時だという。
忙しい毎日を送っているが「心が折れそうな時もあるけれど、たくさんの人たちに応援していただいているので、それが力になると思っています」と、頑張れる秘訣を語った。
