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【RIZIN】那須川天心と対戦するクマンドーイは「身体が頑丈でロッタンよりもう少し気が荒い」=ムエタイ識者に聞く

2020/12/23 14:12
【RIZIN】那須川天心と対戦するクマンドーイは「身体が頑丈でロッタンよりもう少し気が荒い」=ムエタイ識者に聞く

那須川天心と大晦日に対戦するクマンドーイは「ガツガツと前へ出てくるタイプで気持ちが強い」

 2020年12月31日(木)さいたまスーパーアリーナにて開催される『Yogibo presents RIZIN.26』で、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)との対戦が発表されたムエタイ戦士クマンドーイ・ペットジャルーンウィット(タイ)。

 9歳からムエタイを始め、これまでに約150戦を経験。ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級1位、ルンピニーでも5位にランキングされ、日本でもその強さを見せつけたラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者サオトー・シットシェフブンタム(2019年10月に新日本キックで江幡睦とドロー)のライバルである。2020年3月には11連勝中だったサオトーから勝利を奪い、サオトーとは2戦して2勝、サオトーの双子の兄サオエーク(2019年11月にKNOCK OUTで小笠原瑛作にKO勝ち)には2戦2敗。

 その他、プーンゴン、ディーゼルレック、ギンサーンレック、コムパタック、ロナチャイ、ヨーティンといったムエタイ界のスター選手たちと試合をしているトップファイターである。2014年にオムノーイスタジアムのフライ級王者、2018年にはWBCムエタイ世界スーパー・バンタム級王者となっている。


(写真)2018年6月に対戦し、那須川が最も苦戦させられたロッタン。クマンドーイはロッタン以上の気の荒さだという

 ロッタン・ジットムアンノンをRISEに招聘し、本場タイで最も活躍する日本人選手のカイト・ウォーワンチャイ(福田海斗)を育てるなど、ムエタイに造詣が深い『MuayThai Super Fight』の佐藤孝也代表に、このクマンドーイについて聞いてみた。

「クマンドーイは身体が頑丈で“硬い”パンチとキックを打つイメージです。重いパンチとキックのつなぎも速く、テクニックもありますが、ガツガツと前へ出てくるタイプで気持ちが強い。現在のムエタイ界でバンタム級トップ10に間違いなく入る選手です」

 そのスタイルを分かりやすく説明してもらうと「日本のファンに分かりやすく言えば、ロッタンよりもう少し気が荒い感じです」という。

「組んでヒジ、ヒザ蹴りを得意とするムエカオという感じではないです。ムエタイ選手の中ではヒジ、組みなしのキックボクシングルールに対応しやすいタイプだと思いますが、対応するには時間が足りないかもしれません。ただ、タイの関係者から聞くと非常に真面目に練習するタイプだそうです」


(写真)那須川にとってプロで初のタイ人との対戦となった2016年12月のワンチャローン戦は、バックスピンキックで衝撃KO勝ち。ワンチャローンは当時ルンピニーのスーパーフライ級王者

 さらには「私が知る限りでは、ヒジで切られて負けたことはありますが、倒れたところは見たことがないです。打たれ強さはかなりありますね」と、頑丈さにも定評がある。

 ただし、「スピードもありますが、天心選手のスピードにはさすがについていけないと思います。あと試合を見る限りはサウスポーが苦手っぽい。ガンガン前へ出るタイプなのにサウスポーだと見ることがあるし、攻撃をもらうことが多い」という面も。

 それ以上に勝敗を分ける大きな“カギ”となりそうなのは試合体重だという。


(写真)ルンピニーのスーパーフェザー級王者スアキムとは2戦して2勝

「クマンドーイは通常、118~120ポンド(53.5~54.4kg)で試合をしています。試合体重が54kgになればいい相手だと思いますよ」

 ムエタイでは1~2ポンド(1ポンドは約453.6グラム)の体重ハンディを付けて、試合を成立させることが多々ある。本来なら優劣が明らかな2選手にハンディを付けることで釣り合わせる(=ギャンブルが成立しやすくなる)のだ。実力伯仲のムエタイにおいて、特に軽量級においては“たかが500グラム”ではなく、勝敗を左右するハンディになるのである。

 現在のところ、那須川vsクマンドーイの契約体重は発表されていない。那須川の大晦日参戦決定が21日、クマンドーイとの対戦が発表されたのが22日であることを考えると、減量期間も短く両陣営がどこまで歩み寄れるかによるだろう。

 いずれにしてもムエタイの強敵が用意されたことは間違いない。これまでタイ人とは6戦して(スアキムとは2度)6勝4KO負けなしの那須川をクマンドーイはどこまで追い詰めることができるか。

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