MMA
レポート

【ONE】ポンシリ、スーパーレック、スーパーガールのムエタイ勢が強さを見せつける

2020/09/11 17:09
「ONE Championship A NEW BREED II」2020年9月11日(金・現地時間)タイ・バンコク ▼メインイベント ムエタイ バンタム級(65.8kg) 3分3R〇ポンシリ・PK センチャイムエタイジム(タイ)判定3-0×ショーン・クランシー(アイルランド)  ポンシリはWPMF世界ウェルター級王座、元ルンピニースタジアム認定ウェルター級王座など4度ムエタイ世界王者に輝いた実績がある。2019年2月にシュートボクシングに初来日し、海人とフルラウンドの戦いを演じて判定で敗れた。2020年2月、ジャマール・ユスポフの欠場で試合2日前のオファーを受けてONEに初参戦。ペットモラコットとONEムエタイ フェザー級王座を争ったが判定で敗れている。戦績は153勝33敗11分。  ONE初参戦のクランシーはCMT世界スーパー・ライト級王座、ISKAイギリス同級王座、Cage Kings同級王座とタイトル歴があり、2018年11月にK-1に初来日。第3代スーパー・ライト級王座決定トーナメントに出場したが、中澤純にKO負けを喫している。戦績は43勝20敗1分。  1R、ガードを高く上げて前に出るポンシリ。クランシーの方が体格的に大きく見える。左右フックを放つクランシーにポンシリは前へ出て右ヒジ、右ローを放つ。クランシーはショートの右アッパーをヒットさせるが、ポンシリは下がらず右ヒジ、左フック。かなり近い距離でパンチとミドルを打ち合う両者だが、ポンシリの右フックと右ヒジが強烈に決まる。  2R、クランシーが左フックからの右ローを連発するが、ポンシリは構わず前へ出て右ローを返し、強烈な左フックからの右ヒジでダウンを奪う。パンチを出し、左アッパーでポンシリのアゴを上げさせるクランシーも左ヒジを打つが、ポンシリは前へ出て左右フック、右ヒジ、右ローを放っていく。クランシーは左目上からの出血がひどくなる。  3Rはクランシーがワンツー、右ヒジ、左右アッパーで前へ出る。パンチをまとめるクランシーはアッパーでポンシリのアゴを上げ、ポンシリは右ヒジを打ち返す。左ボディ、左ヒジ、そしてパンチをまとめてアッパーを突き上げるクランシー。ポンシリは守りに入り、不用意な一発をもらわないように気を付けて試合を流す。  ダウンを奪ったポンシリが判定勝利。ONEでの初勝利を飾った。 ▼コ・メインイベント キックボクシング フライ級(-61.2kg) 3分3R〇スーパーレック・ギャットムー9(タイ)判定3-0×ファディ・カレッド(チュニジア/ヴェナムトレーニングキャンプ・タイランド)  スーパーレックはベテランの域に達した名選手で、ルンピニーのフライ&バンタム級王座のほか数多くのタイトルを獲得。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。7月大会ではONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤック・ジットムアンノンを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。  対するカレッドはWMCインターナショナル・ムエタイ王者の肩書を引っ提げて2019年1月にONE初のチュニジア人選手として参戦。ONEフライ級ムエタイ世界王者ロッタン・ジットムアンノン(タイ)と対戦するもダウンを奪われ判定で敗れた。第2戦は8月の『ONE: NO SURRENDER II』でファン・ディン(中国)から判定で勝利を収めている。戦績は40勝8敗。  1R、スーパーレックが右ボディからの左フックをヒットさせ、意外にもスーパーレックは前傾姿勢でパンチでの勝負を仕掛ける。右ローも蹴るがパンチ主体。ジャブを突いてカレッドを追いかけると、カレッドは左フック。自信満々にボクシングで攻め込むスーパーレックだが、カレッドは打ち終わりに左フック。しかし、2分を過ぎるとスーパーレックは後ろ重心の構えに変えて得意の右ミドルを多用し始める。パンチで前に出るカレッドに距離を取り、右ミドルを蹴っていく。それでも左フックを浴びてしまうスーパーレック。  2Rも序盤からアグレッシブに蹴り合う両者。右ミドルを多用するスーパーレックにカレッドは左右フックで応戦。ミドルを腕で受けながらも左フックを当てていくカレッド。スーパーレックは左ヒザを鋭く突き上げる。  3Rも右ミドルを連射するスーパーレックにカレッドは突進を繰り返すが、パンチの距離に入るとスーパーレックがバックステップ。それでも近寄るとスーパーレックは首相撲に捕まえる。入ってこうとするカレッドに前蹴り、右ミドル、それ以上入ってくればヒザ蹴り、そして組むとスーパーレックが完全に支配。カレッドのパンチは空を切り、スーパーレックの判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 ムエタイ 53.7kg契約 3分3R〇スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)KO 1R×ミラグロス・ロペス(アルゼンチン/センティアンノーイジム)  スーパーガールはすでにONEで活躍しているワンダーガール・フェアテックスの妹。ワンダーガールは7月の『ONE: NO SURRENDER III』で初回KO勝ちすると、続く8月の『ONE: A NEW BREED』でも2RでKO勝ちして2連勝を飾っている。スーパーガールは今年2月の『RISE GIRLS POWER 2』に初来日しており、キム・スヨン(韓国)に強烈なワンツーで判定勝ちを収めた。戦績は16歳にして37勝5敗1分。  対するロペスは10勝5敗の戦績で、ムエタイのレジェンドであるセンティアンノーイのジムでムエタイ修行を積んでいるようだ。  1R、スーパーガールは長いリーチを活かしたワンツーを伸ばしていく。ロペスもフックを振り回し気味にして対抗するが、右ローを蹴ったところへ蹴り足をキャッチしての右ストレートを合わせされて早くもダウン。  立ち上がったロペスが前へ出てくるとスーパーガールはテンカオ、縦ヒジ、そして右ストレートで押し戻す。そして左を打ってきたロペスにワンツーを打ち抜くとロペスがバッタリと倒れ、レフェリーが即座にストップ。  姉のワンダーガールに続き、スーパーガールがKOでONEデビューを飾った。 ▼第3試合 MMA 67.5kg契約 5分3R×プラッチ・ブアパ(タイ)1R リアネイキドチョーク〇ブローガン・スチュワート・ウン(オーストラリア) ▼第2試合 MMA ライト級 5分3R〇アブ・ムスリム・アリカノフ(ロシア)2R アキレス腱固め×パスカル・ジャスキウィス(タイ) ▼第1試合 MMA ライト級 5分3R〇ウィッチャヤコン・ニャムダノム(タイ)1R リアネイキドチョーク×カリッド・フリギーニ(モロッコ)
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