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【ONE】チャトリ会長が「ブラック・ライヴズ・マター 」への支持を表明。ONE選手も反人種差別へ連帯

2020/06/06 04:06
【ONE】チャトリ会長が「ブラック・ライヴズ・マター 」への支持を表明。ONE選手も反人種差別へ連帯

 ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長が6月3日、「ブラック・ライヴズ・マター」への支持を自身のブログとSNSで表明した。

「ブラック・ライヴズ・マター」とは、アフリカ系米国人のコミュニティをはじめとした、黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える国際的な運動。2013年2月に米国フロリダ州で黒人少年のトレイボン・マーティンが白人警官のジョージ・ジマーマンに射殺された事件に端を発し、2020年5月に米国ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人男性を死に至らしめた事件をきっかけに運動が再燃している。

 今回のミネアポリスでの事件は、全米で抗議デモが広がりを見せ、ソーシャルメディアでも#BlackLivesMatterや#BlackoutTuesdayといったハッシュタグを使った投稿が相次いでいる。一方でデモ隊による暴動や略奪が各地で発生し、大きな社会問題にも発展している。

 日本人の母とタイ人の父を持つチャトリ会長は、米国ハーバード大学院でMBA(経営学修士)を取得し就労。幼少時に日本にも度々訪れているが、米国のみならず日本でも差別的な視線を感じることがあったという。

「私には、様々な人種、様々な国籍の友人がいます。億万長者の親友もいるし、スラム街から来た親友もいる。私の目には誰もが平等に映っています。私たちは皆、人類に属しています。背景も文化も宗教も人種も信条も違うかもしれませんが、みんな夢を見て、笑って、愛して、泣いているのです。須藤元気が昔説いたように、“WE ARE ALL ONE”(私たちはひとつ)なのです」

「私は約18年間アメリカに住んでいましたが、現在のアメリカを認識していないのは悲しいことです。憎しみ、人種差別、恐怖の壁が、私が見たことのない方法でアメリカを分断しています。私が覚えているアメリカは、多様性、受容、寛容の偉大な国です。私が覚えているアメリカは、移民や様々な背景を持つ人々によって築かれた偉大な国です。

 私が覚えているアメリカは、すべての人が平等に創造され、生命、自由、幸福追求の権利を持つ偉大な国です。アメリカ憲法は、人類の中でも最も驚異的な文書の一つです。実際、私はアメリカに多くの借りがあります。アメリカは私にアメリカン・ドリームを生きる貴重な機会を与えてくれました。私は、1日4ドルの貧困の中で苦労していたところから、夢の生活を手に入れることができました。いろんな意味で、私はアメリカが私に与えてくれた人生に恩義を感じています。個人的な経験から言えることは、アメリカは本当に素晴らしい国だということです。アメリカは、時の流れに耐えてきた価値観と原則の上に築かれた国です。今日の暗闇にもかかわらず、アメリカは再び団結し、国家として癒される方法を見つけることを私は知っています」

 またONE Championshipのファイターのなかにも、貧困や人種差別などの困難な状況を変えるために格闘家を目指した選手は少なくない。

 多様な国籍・人種のファイターが活躍するONE Championshipの代表であるチャトリ氏は、今回の事件について、「私はアメリカで黒人として生きることがどんなものか知っているふりをしているわけではありませんが、人間であるということがどういうことかは知っています。アフリカ系アメリカ人に起こったこと(今も日常的に起こっていること)は、不正に他なりません。こうした不当な行為に、苦しみに、人種差別に立ち向かうべき時なのです」「アフリカ系アメリカ人を支持します。黒人の人々を、どこでも支持します。人間性を支持します」と宣言している。

 ONE Championshipの選手たちも、反人種差別への連帯を示すものとされる黒いタイルとともに、 #BlackLivesMatter のハッシュタグをつけて投稿。また世界のアスリートやクリエーターが、#BlackoutTuesday #TheShowMustBePaused などのハッシュタグで賛同を表明している。

 ONEは、その使命として「世界に希望、夢、インスピレーション、強さをもたらす現実世界のスーパーヒーローを示す」とし、「多様性を受け入れ結束する動きを信じ、後押しする」ことを掲げている。

 米国からデメトリアス・ジョンソン、エディ・アルバレス、ジェフ・チャン、ソヴァナリィ・エム、ジャッキー・ブンタンらが投稿。さらにアライン・ンガラニ(香港)やアルジャン・ブラー(インド)、リアム・ハリソン(英国)、ジョナサン・ハガティー(英国)、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)らも自身のSNSで同様の投稿をしている。

 #WeAreONE をスローガンとするONE Championshipは、多様性と包括性を重んじ、世界中の人種差別に反対することを表明している。

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