2020年3月22日(日)さいたまスーパーアリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K'FESTA.3~』で、「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」を3試合連続KOで制した木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス)。
K-1スーパー・ウェルター級の-70kgというカテゴリーは、同大会のテレビ解説も務めた魔裟斗の現役時代と同じ階級。日本のジム所属選手(木村はブラジル国籍)でこの階級のK-1世界王座に就いたのは、魔裟斗以来、実に12年ぶりの快挙だった。
その木村が現在発売中の格闘技雑誌『ゴング格闘技』にて、K-1スーパー・ウェルター級制覇と9連続KOを生み出したテクニックや戦略について語っている。加えて、魔裟斗が木村の強さを分析。
興味深いのはお互いが「もし戦わば」について語っていることだ。魔裟斗はもし木村と戦うことになったら「インローを蹴っていきます。左足の、前足へのインローを蹴っていく。最初の1R、2R前半はとにかくパンチは打たない。インロー、ローキックで痛めて痛めて、あとは前蹴りですね。それをベルトラインすれすれの、ちょっと反則に近い前蹴りを蹴っていきます(笑)」など、木村を倒すための戦略を明かす。
それに対して木村も「インローで削って、ベルトラインの前蹴り? ああ、やっぱり凄いですね。(トーナメント)1回戦の海斗選手との試合で、そのベルトラインの反則ギリギリでヒザ蹴りを打って、それで彼はイラついた表情をしたんですよ。『喧嘩屋ファイター』ほど、試合でダーティーなことを仕掛けられるとメンタルがブレるんで。実際、魔裟斗選手にはロー蹴られるだろうなと思います(苦笑)。魔裟斗選手が強いパンチャーとやる時はその作戦で勝ってますよね。魔裟斗選手は2、3R強いんで、それを徹底されたら僕も厳しいと思います」と苦戦することを認める。
そのうえで木村はシミュレーションを開始。魔裟斗の戦法に対してどう戦うかを明確に答えてみせた。これは「頭の中の空中戦は何万回もやってます(笑)。それを遂行するために練習するんで、自分で考えて、アレンジしないと進化しないです」と、常に考えているから答えを導き出すまでが速いと明かした。
木村は「魔裟斗さん」ではなく「魔裟斗選手」と呼ぶことにこだわり、そこに意図も感じられたのでインタビュー中の木村の発言は全て「魔裟斗選手」となっている。過去の-70kg王者への対抗意識なのか。インタビュー中で木村は“魔裟斗が成し遂げられなかったこと”を挙げ、そこに挑戦したいとも発言しており、“魔裟斗を超える”ことを目標に定めているようだった。
また、魔裟斗は同インタビューで木村の成長について、そして今後期待したいことなどを話している。『ゴング格闘技』7月号は5月23日(土)発売!
魔裟斗と木村“フィリップ”ミノルのインタビューは、5月23日(土)発売の『ゴング格闘技』7月号(NO.308)にて掲載。