2026年10月6日(日本時間7日)米国ネヴァダ州ラスベガスのMETA APEXにて、UFCとの契約を賭けた『Dana White's Contender Series 2026: Season10 Week 9』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催され、ウェルター級で「UFC職員」のサル・エヴェレットが出場。
【写真】同僚のセキュリティに囲まれて入場するエヴェレット。(C)Zuffa LLC/UFC
キャリア4戦での抜擢のなか、ダナ・ホワイト代表の期待に応える1R KO勝ちで見事、UFCとの契約を勝ち取った。
▼ウェルター級 5分3R〇サル・エヴェレット(米国)5勝0敗[1R 1分57秒 KO]×オジー・マーティン(米国)4勝1敗
サル・エヴェレットは、UFCで警備や運搬係(ランナー)などを務める選手。
UFCのセキュリティの面接を受けた際、5年後の計画を問われて「UFCファイターになりたい」と答えたため、危うく不採用になりかけたという裏話を試合前に明かしていた。
ダナ・ホワイト代表は試合前、自分の熱心な部下であるサルを「彼の試合のときは、どうしてもひいき目(バイアス)になってしまうだろうね」と公言していた。一方で、それが特別扱いにならないように気にもしていた。
アマチュア4戦全勝。プロでもTuff-N-Uffで4戦全勝、全試合をフィニッシュしている29歳のエヴェレットの相手オジー・マーティンも4戦無敗。ボクシング&キックボクシングのプロで試合経験もある24歳だった。
試合は1R、ともにオーソドックス構え。右ローの打ち合いからエヴェレットは右から左で前に。マーティンは巧みなスイッチで左ミドルを返し、左右から右アッパーを突き上げるなどテクニカルな打撃を見せる。
しかし、エヴェレットは長いジャブから、鼻血のマーティンのシングルレッグを切ると、左ヒジ、マーティンをケージに詰めて、左ジャブから右フック、左フック、最後に右の連打でマーティンを失神KOさせた。
UFCとの契約がまだ発表される前のインタビューで、元MMAファイターで司会のローラ・サンコから「『このチャンスを得る資格がない』なんて言う人たちもいましたが、今夜、多くの人たちを黙らせたと思います。でも、あなたの戦績はまだ4勝0敗。プロとしてのキャリアは、まだ9分間程度といったところでしょう」と問われたエヴェレットは、「その通りですね。ボス、俺はUFCに入る準備ができている。階級全体に言っておくが、俺の名はサル・エヴェレットだ。俺が行くぞ。誰のことも恐れないし、どんな挑戦からも逃げない。俺がここにいるのには理由がある。このシリーズは、俺の旅の第一歩に過ぎないんだ」とアピールしたエヴェレット。
全試合後、ダナ・ホワイト代表から注目のUFCとの契約選手の発表が行われた。
エヴェレットを向いたダナ代表は、「ここではタイトルマッチも行われるが、今夜ほど会場が沸いたことはなかったかもしれない。素晴らしい試合だった。UFCの誰もが君を気に入っているよ。素晴らしい若者だ。だが……。契約をめぐる争いごとは一旦忘れてくれ。君は素晴らしい人間だ。こういうことは、もっと出来た人間にだって起こりうることだ。君はどん底から這い上がってきたんだから。言っておくけど、今夜、ボストンの連中から俺の携帯にひっきりなしに連絡が来てたんだ。『お前のところの若手が大変なことになってるぞ。こいつは本物だ』ってね。
そして君は、これ以上ないほどアグレッシブに勝ってみせた。ちょっと不思議な感じもするよ。だって、君はもうUFCの一員なんだから。サル、UFCへようこそ」と、自身の部下が、UFCファイターとして契約を獲得したことを告げた。
司会のサンコから「ちょっと聞きたいんですが、彼は警備員をクビになるのでしょうか?」と問われたダナ代表は、「こんなケースは今までなかったからな。どうなるか分からない。まあ、正直なところ……彼もそのあたりは考えるだろうね。これは彼にとって人生を変えるような契約なんだ。だから、毎日UFCの本部に顔を出す必要があるとは思えないな。UFC PI(パフォーマンス・インスティチュート)でトレーニングする場合を除いてはね」と、今後はトレーニング場所で顔を見ることになるだろうとコメント。
契約を獲得したエヴェレットは、「本当に恵まれているよ。この立場にいられること、そしてダナがずっと僕を支えてくれたことに感謝しかない。本当に幸運だ。信じられないくらいだよ」と笑顔。
サンコから「あなたはこの成功に値することを証明した。それに、今の仕事を辞めなくて済む可能性も出てきたみたいだ」と、発表されると、「最初は確実じゃなかったけど。契約に関してはある意味で未知の領域だね。でも、もしチャンスがあって、そのまま残れるなら……最高だね。ダナの下で働くのは大好きだし、オフィスにいるのも好きだよ。大好きな場所で一日中トレーニングしたり、過ごしたりできるからね。すごくいいよ」と業務を続けることを歓迎。
同僚でもあるサンコは「いいね。本当によかったよ、みんな……いや、失礼。“みんな”じゃなくて、“君”だね。素晴らしかった、おめでとう」と、エヴェレットを祝福した。