【RIZIN】斎藤裕「自分としてはこのまま終わるわけにはいかないって気持ちはもちろんある」、代替選手との試合を組まなかった理由を榊原CEOが説明

　2025年12月31日『Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り』（さいたまスーパーアリーナ）のフェザー級（5分3R）で実施予定だった「斎藤裕（パラエストラ小岩）vs.YA-MAN（TARGET SHIBUYA）」が、YA-MANの負傷欠場により、「試合中止」となった。YA-MANは練習中に左眼窩底骨折を負い、全治4カ月から6カ月と診断され、大晦日大会を欠場。

　会見に出席した斎藤は「この試合に向けてたくさんの人に応援してもらって期待してくれる人たちがいっぱいいて、自分の中でもいろいろな想いを持って試合を決めて。凄くいい状態ではあったんですけれども、相手のYA-MAN選手の怪我ということで試合が実現しなくなってしまったことを凄く自分自身が一番残念に思うというか。今でも言葉に出来ないというか、なんて言ったらいいだろうって気持ちが凄く強くて。

　ファンの皆さんには申し訳ない気持ちなんですけれど、自分自身も凄く残念ですね。RIZINの10周年という大事な大会で試合が出来ないもどかしさもありますし、今でも何が正しいのかどうしたらいいかをずっと考えるんですけれども、自分の中で凄く重いものを抱えてやっていたので上手く言葉に出来ないんですけれども、ファンの皆さんには申し訳ないという気持ちです」と、複雑な心境を吐露した。

　同席した榊原信行RIZIN CEOは「代替選手との試合を大晦日でやっていくのはどうかと提案もしたし、そこもしっかり話し合いました。今回こういうことが起きた時に、プロモーターとしては代替選手で齋藤選手の立場の選手に無理にお願いして試合をしていただくことをまとめあげるのを最優先にするものなんですけれど、今回斎藤選手と話す中でRIZINとして10年目のこの舞台を取り繕うためだけに斎藤裕という一人の格闘家の生き様とか想いとか、ここまで積み上げてきたものに水を差したくないなと。斎藤に割を喰わせたくないと凄く思いました。

　YA-MANだからこそ自分のいろいろなものを整理して調整してもう1回心と体を作り上げて、大晦日に命懸けでやるかやられるか――これは斎藤と話した時に、会見では言わなかったけれど、自分は勝ち負けではなくて生きるか死ぬかと思ってこの大晦日に準備をしてきたと。そこまでの決意を聞かされた中で、単純にこの選手とやってよ、この条件でどうとかっていう、もちろんプロモーターとしてはそういう形で取り繕う方法もそれがファンとしては最善の策かもしれないけれど、今回は申し訳ない。

　斎藤の想い、RIZINってそれぞれの選手たちの人生を懸けて命懸けで戦う姿を、そういう人間ドラマを見せて感動してもらったり、そういう生き様に心を震わせてもらう舞台だと思うので、斎藤としても他の相手では燃え尽きるって言葉は悪いかもしれないけれど、全部を懸けてリングに上がれない。それは自分としては失礼なことになる、自分としても後悔を残すことになるってことで、キャリアも長いし、斎藤がその時に言ったのは自分が無理して自分を納得させてリングに上がったとしても、みんなを感動させるような試合にはならずに大味な、魂と魂のぶつかり合いのような試合が出来るってイメージが斎藤選手に沸かないんだなっていう感じを受けました。

　なので今回は中止とさせていただいて、また然るべきタイミングで2026年、斎藤裕が、多分まだ放心状態だと思います。2026年また斎藤裕の試合を、生き様をRIZINの中で見ていただける機会を作らせていただきたいと思います」と、代替選手との試合を組まなかった理由を説明。

　これを受けて斎藤は「自分としてはこのまま終わるわけにはいかないって気持ちはもちろんありますので、いつとは明言は出来ないんですけれども、来年、いい形で試合へ向かえるようにまたもろもろ調整していろいろ作り直してやっていきたい気持ちはあります。なので、また試合するのを楽しみにしていただけたらって感じです」と、次の試合へ向けてコメントしていた。