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【UFC】マネル・ケイプ「ロイヴァル戦で『誰が次の挑戦者か?』という話は終わりで、『俺がその男』だと証明するだけ」「ロイヴァルに勝って、UFCを日本に連れて行きたい。そこで堀口恭司と戦う」=12.13『UFC Fight Night: Royval vs. Kape』

2025/12/11 15:12
 2025年12月13日(日本時間14日)、米国ラスベガスのUFC APEXで開催される『UFC Fight Night: Royval vs. Kape』(U-NEXT配信/UFC Fight Pass)にて、フライ級2位のブランダン・ロイヴァル(米国)と、6位のマネル・ケイプ(アンゴラ/ポルトガル)が、三度目の正直となるメインイベントに挑む。 ▼フライ級 5分5Rブランドン・ロイバル(米国)2位 17勝8敗(UFC7勝4敗)マネル・ケイプ(ポルトガル)6位 21勝7敗(UFC6勝3敗)※UFC2連勝2KO  両者は当初、2025年3月に対戦予定だったが、ロイバルの負傷欠場で試合はキャンセル。続けて、6月の『UFC 317』で仕切り直しの一戦が組まれたが、今度はケイプが右足骨折により欠場。今回が3度目のマッチアップとなる。  ESPN-UFCの最後の試合に出場するロイバルは、23年12月に当時王者のアレシャンドレ・パントージャに挑戦も判定負けで王座獲得ならず。その後、元同級王者のブランドン・モレノ、平良達郎に連勝したが、6月に負傷欠場したケイプの代役のジョシュア・ヴァンに判定負けを喫していた。33歳。  ケイプは、2019年12月に朝倉海を2R TKOに下して2021年2月からUFCに参戦も、のちの王者パントージャ、マテウス・ニコラウを相手に2連敗。しかし、そこから怒涛の4連勝をマークし、2024年7月にムハンマド・モカエフに敗れたものの、12月にブルーノ・シウバ、25年3月にアスー・アルマバイエフをいずれも3R TKOに下している。31歳。  アレシャンドレ・ パントージャの王座陥落、ジョシュ・ヴァンの戴冠、平良達郎のブランドン・モレノ撃破、そして堀口恭司のUFC復帰戦勝利──。激しく揺れ動くUFCフライ級のトップ戦線で、新王者ヴァンに次に挑戦するのは誰か?  会見でマネル・ケイプは「平良に勝ったロイヴァルを俺が簡単に見せてしまえばいい。そうなれば、もう疑いようがない。この試合で『誰が次の挑戦者か?』という話は終わりで、『俺がその男』だってことを証明するだけだ」と自信を見せ、「日本では俺の存在は大きい。堀口とのタイトルマッチを日本でやりたい」と語った。 「コンテンダーを倒した男」が次に来るべきだ (C)manelkape ──12月13日(日本時間14日)の試合に向けて、調子はいかがですか。 「いい感じだよ、ブラザー」 ──2025年はマネル・ケイプ選手にとって、どれくらいフラストレーションの溜まる年でしたか? 「3月に相手をKO(アスー・アルマバエフ)して、大きな試合(ブランドン・ロイヴァル戦)が決まって、でも怪我をしてしまって。その間にフライ級はどんどん動いていくけど、自分はサイドラインにいて……。みんな『あなたがコンテンダーなのは分かってる』というけど、ちょっと“頭の片隅”に追いやられてる感じ、というか」 ──そういう1年は、どれくらいイライラしましたか? 「『フラストレーション』って言葉が正しいかどうかは分からないね。俺にとって“フラストレーション”って、ちょっと嫉妬に近い感情だと思うけど、俺は誰に対しても嫉妬は持っていない。俺の人生は素晴らしいし、キャリアも順調だし、これまでたくさんのことを達成してきた。ただ、物事は“理由があって起きる”って信じてる。もし7月に怪我をしていなかったら、先週土曜のメインに出ていたのは俺だったかもしれない。でも、物事は“そうあるべきように”進んでいくんだ。自分の時代が来ることは分かってる。今年ずっと『自分がチャンピオンになる』と言い続けてきた。いろいろ計画も立ててきたけど、物事っていうのはいつも自分の思い通りにはいかない。  だから俺は全部“神の手”に委ねているし、自分がその地点にかなり近づいているとも感じている。もちろん、他のヤツらのことも嬉しく思ってる。みんなこの階級を盛り上げてくれてるからね。今のフライ級は本当に“火がついてる”状態で、それは大きな意味で見れば、みんなにとって良いことだ」 ──今回はブランドン・ロイヴァルとのマッチアップですが、もう“この話は終わりにしたい”という気持ちですか? 3回目のマッチアップだし、これまでに2回キャンプもしてるし、「もうさすがに終わらせたい」という感覚は? 「もちろん、この試合に向けての準備はできてる。ブランダン・ロイヴァルのことはかなり研究してきたし、俺にとっては“よく知ってる相手”って感じだ。というのも、スパーリングでもみんな『ロイヴァルみたいにやってみよう』とか、真似したがるからね。だから俺にとっては“いつものこと”なんだ。土曜の夜、ブランドン・ロイヴァルと戦うことに、ものすごく居心地の良さを感じているよ。それに、この試合の“物語”としてもすごくいいよね。1回目は向こうが欠場して、2回目は自分が怪我をした。だから、今回はすごく美しいんだ。もしこれが4回目とかになったら、さすがに多すぎだけど、お互い一度ずつ試合が流れて、今度が3回目──これはストーリーとして完璧だよ」 ──この試合はペーパー上でも、みんなの頭の中でも「めちゃくちゃ面白いカード」って感じです。これは“ストライカー同士の撃ち合い”になると思いますか? それとも、やはり総合格闘技として全部を使う展開になる? 「ここはMMAだからね。試合がどこに行っても、俺はすごく快適でいられるよ。どんな展開でも居心地よく戦える。もちろん、ショーを見せたい。いや、“ショーを見せるつもり”じゃなくて、“ショーを見せる”。ファンに素晴らしい試合を届けるし、大きなインパクトを残して、また“傑作”を披露するつもりだ」 ──もしブランダン・ロイヴァルをフィニッシュすれば、あなたがナンバー1コンテンダーで、全員をごぼう抜きする、という感覚はありますか? 「もちろん。こう考えてほしい。ブランドンはつい最近、王者と戦ったばかりだよね?(23年12月にパントージャに判定負け)。そんな相手を、俺が土曜の夜に簡単に見せて、スタイリッシュに完封して、止めてしまったら、何を否定できる? 何も否定できないだろう。コンテンダーがチャンピオンと戦った直後なら、その“コンテンダーを倒した男”が次に来るべきだ。だからもう、疑問も質問もなくなる。『誰が次か?』という話は終わりで、『俺がその男』だってことを証明するだけだ。俺が、チャンピオンになるのに最適なスタイルを持つファイターであり、このディビジョンが必要としているファイターなんだ」 [nextpge] ヴァンがチャンピオンなのは事実だが「ベスト」かは分からない。もしUFCが日本市場に投資したいなら、俺は平良がその顔ではないと思う ──先週末のタイトルマッチについてはどう見ましたか? 特に、ジョシュ・ヴァンが怪我の後にかなり派手にセレブレートしたことについて批判も多いですが。 「俺は、あの夜“より強い男”が誰だったのかは分からなかったと思ってる。本当の意味での“ベター・マン”は決まらなかった。でも、ジョシュ・ヴァンは若い。若いんだよ。みんなそれをちゃんと見ないといけない。まだ本当に若い。あの年齢で、あれだけ難しいものを達成した。特にフライ級でね。普通なら30歳くらいでようやく本当の成熟に入るような階級で、彼はたぶん24か25で(24歳)世界王者になった。だから、いろんな感情が頭に一気に押し寄せてきて当然なんだ。あまり彼に厳しくしすぎるのは良くないと思う。まだ若いしね。もちろん、彼は今は気づいてないようなことも、後から後悔するようなこともやってしまうかもしれない。でも、若くして世界チャンピオンになったんだ。それは彼にとって良いことだ。それに、これから彼は“本当の意味でのMMA”を学んでいくだろう。  俺は1993年生まれ(32歳)で、長い間このスポーツにいる。3歳の頃からボクシングをやって、13歳で柔術を始めた。その中で“相手へのリスペクト”を身につけてきたんだ。もちろん、俺たちは相手と戦う。これはビジネスであり、家族を養うための手段だ。だけど、リスペクトは常にそこにある。相手との間には“お互いに敬意を持って戦う”という暗黙の合意があるし、俺たちは謙虚でいなきゃいけない。  今のアメリカの若い世代は、俺たちの時代とはちょっと違う。俺は柔術と共に育って、相手を大事にし、誰にも“悪いこと”を願わない文化の中で育った。残念ながら、今回はこういう形になってしまったけど、俺たちは“戦うためにここにいる”。 簡単なことじゃない。だから、彼には『グッドラック』と言いたいね」 ──つまり、“本当に強い方の男”が勝ったとは言えない、と。では、彼は「正当なチャンピオン」だと思う? それとも“ただベルトを持っているだけ”? 「彼はチャンピオンだよ。勝ち方がどうであれ、負け方がどうであれ、最終的に“結果”を手にしたのは彼だからね。いずれ本や記録、Wikipediaに書かれるときには『ジョシュア・ヴァンはUFCフライ級チャンピオンだった』と残る。試合を見ていない人にとっても、それが事実になる。だからそれを否定することはできない。あのベルトを巻いていたのは彼だ。だから、彼がチャンピオンだというのは事実だよ。さっきも言った通り、“あの夜、誰がベストだったか”は分からない。あれは“試合”と呼べるものじゃなかった。でも、ジョシュア・ヴァンがチャンピオンなのは事実だ」 ──パントージャは即時リマッチを受けるべきだと思う? 「もちろん。彼は素晴らしい結果を残してきた。すごい連勝と、複数回の防衛をやってきた。たしか8連勝だったかな。もし自分が彼の立場だったとしても、当然リマッチを求めるだろうね。彼はそれに値する男だし、とても良いチャンピオンだった。ただ、今はこの階級も動いていかなきゃならない」 ──では、土曜にあなたがどうやって勝つのか、具体的に教えてください。 「勝つのはもちろんだ。さっきも言ったけど、“傑作”を置いてくるつもりだ。オクタゴンの中で、いかに自分が冷静(コールド)でいられるかを見せるし、どれだけ獰猛になれるかも見せる。そして、あそこで“マスターピース”を完成させるよ」 ──堀口恭司選手のUFC復帰についてはどう思う? 「俺からしたら、めちゃくちゃクールだよ。堀口がフライ級にいることで、このディビジョンはさらにエキサイティングになる。素晴らしいファイターだしね。それに、これは将来的にすごく“美しい構図”を作れると思っている。俺がタイトルを取ったら、日本で彼とタイトルマッチをやることだってできる。計量から試合まで、日本で全部やれる。その時には、俺はもっと成熟しているし、2017年(※2017年大晦日「RIZINバンタム級トーナメント準決勝」で3R 堀口の肩固めで一本負け)には持っていなかった“あらゆるリソース”を持って戦えるようになっているだろう。  当時は、アフリカから一人のパーソナルトレーナーと一緒に来ただけの存在で、相手はすでに大きなサポート体制を持っていた。だから、今回土曜の試合に勝って、そのあとUFCを日本に連れて行きたい。俺は日本では“最大のスター”だからね。これはみんなに先に伝えておきたい。実際に日本に行けば、どれだけの“騒ぎ”になるか分かるはずだ。日本のファイターたちでさえ、俺ほど“名前が知られている”わけじゃない。だから、さっき言ったように、本当に美しいことになると思うよ。UFCでのここまでの道のりは、クレイジーだったけど、本当に美しいものでもあった。道のりは、いつも“順調”というわけじゃない。でも、最終的にはベルトに辿り着くと信じてる」 ──ジョシュアは若くて、あの夜は彼の実力の全貌は見られなかった。チャンピオンとしての彼を見たときに、「ベルトを守れるだけの力がある」と思いますか? それとも、“初防衛で落とす可能性もある”と思う? 彼の弱点はどう見ている? 「もちろん、ジョシュア・ヴァンにはたくさんの弱点があると思ってる。それに、ロイバル戦では、俺の意見では彼は負けていた。ただ、最後のダウンが“試合をさらってしまった”んだ。あのラストのダウンがすべてを持っていった。彼にはまだ改善すべきところが山ほどある。俺から見える“攻略ポイント”」もたくさんある。だから“難しいパズル”ではないね」 ──多くの人が、「もし平良達郎が次の挑戦者になるなら、その場でフェイスオフさせるだろう」と思っていたようです。もしパントージャの欠場が長引いて、UFCが平良を挑戦者選んだ場合、それはあなたにとって不満ですか? 「もう一度言うけど、ブランドン・ロイヴァルは平良達郎に勝っている。“勝っただけ”じゃなくて、しっかり“倒した”んだ(ダウンを奪うスプリット判定勝ち)。そして俺は、そのロイヴァルを簡単に見せてしまうつもりだ。じゃあ、誰が3番手(次の挑戦者)に相応しいかって話になるよね? 俺はわざわざ平良を通過しなくても“自分の方が上だ”と証明できる。平良に勝った男──その男を俺が簡単に見せてしまえばいい。そうなれば、もう疑いようがない」 ──今回が2戦連続のメインイベントですよね。UFCもあなたをプッシュしているように見えます。UFCがそれをやるのには、明確な理由があると思いませんか? 「見れば分かることだよね。難しくない。それに、俺は自分に嘘をついていない。自分が持っている能力をちゃんと分かっているし、UFCも“俺がファンに何を見せられるか”を分かっている。今は俺の時間だ。この時間を最大限に生かして、ショーを見せるつもりだ。誰もがっかりさせないし、もちろん自分自身も失望させない」 ──さっきも言っていましたが、日本で戦う話について。UFCも2026年に日本大会をやることには前向きみたいです。あなたはRIZINでも試合をしていましたが、なぜ日本のファンはあなたをそんなに好きなんだと思いますか? ファイトスタイル? パーソナリティ? 何が一番刺さっていると思う? 「単にパーソナリティってわけじゃない。もちろんそれもあるけど、一番大きいのは“本物(オーセンティック)であること”だと思う。俺はみんなに対して正直だし、“自分自身”でいるだけだ。このスポーツが大好きで、本当に楽しんでる。これはただのリップサービスじゃなくて、自分の能力を分かった上で言っている。自分に嘘をついていない。『俺はスターになる』『これは俺の舞台だ』と思うのは、ビッグマウスとかじゃなくて、自分の力量をちゃんと理解しているからだ。大きな舞台でも上手くやれるタイプだし、MMAのあらゆる面を常に磨こうとしている。フライ級には日本人ファイターもたくさんいるけど、日本に戻れば“俺がどれだけ大きい存在か”が分かるはずだ。あらゆる面で、彼らよりも“大きい”。最近、さいたまスーパーアリーナで、日本で一番有名なファイターの一人、朝倉海が試合をしたときも、そこにいた観客たちが俺の名前を叫んでいた。それが俺がどれだけ大きな存在かの証拠だよ。もしUFCが日本市場に投資したいなら、俺は“平良がその顔ではない”と思う。日本ではほとんど知られていないからね」 (C)RIZIN FF ──では、もし日本大会で平良戦をオファーされたら? 「平良と日本でやるなら、それはそれで素晴らしいよ。誰が相手でも戦う。俺は“チャンピオンのメンタリティ”でここにいるからね。誰を相手に出されても戦う。オーストラリアで戦った時もそうだった。ランキングにも入っていない相手(フェリペ・ドス・サントス)と戦う必要なんてなかったかもしれない。でも俺は受けた。なぜか? 自分の能力を分かっているからだ。自分が何ができるかを知っているからだよ。そして今、世界中のフライ級で、俺を止められるやつはいない」 ──最後にひとつ。今日のその服装は、メディアルームに来た誰よりもオシャレですよ(笑)。ルイ・ヴィトンも決まってます。そして、さっきアレックスとも少し話していましたが、この試合は何度も組まれてきて、ようやく数日後に実現します。ちょうど直前にフライ級タイトルマッチがあって、新しい王者が生まれて、フライ級全体に視線が集まっている今というタイミングは、あなたにとっても最高じゃないですか? このメインイベントを通じて、さらに自分に注目を集められる──そんな感覚はありますか? 「 ああ、特に今回は“今年最後のイベント”だからね。ESPNでの最後のイベントでもある。だから、すべての注目と視線がこの大会に集まる。ファンはみんなこのイベントを見るだろうし、12月6日のフライ級のタイトルマッチも素晴らしかった。彼らは素晴らしい仕事をした。でも、俺は“あれよりも良いもの”を土曜の夜に見せられると信じてる。土曜の夜、俺はみんなを驚かせる。先週見たものを忘れさせて、視線を全部“土曜の夜の俺たち”に向けさせるよ」 ──このマッチアップは、何度もブッキングされて、ようやく数日後に実現しますが、このキャンプでは何か普段と違うことをしましたか? それとも、いつも通りの調整ですか? 「いつもと違うことをかなりやったよ。普段ほど“量は”練習しなかった。その代わりに、身体のケアにもっと時間を使った。しっかり休むことにも時間を使った。それが必要だと感じたからね。身体の声を聞いて、怪我のケアをして、賢くトレーニングをした。もちろん、練習はハードにやっていたけど、より“スマート”にやった。俺はずっと“もう準備はできている”と分かっていたから、一番大事なのは“怪我をせずに当日オクタゴンに立つこと”だった。それが今回のキャンプのメインのゴールだったね」 ──まさに“ハードではなくスマートに”ですね。最後の最後に、ホリデーシーズンも近いので少しライトな質問を。この時期にやる何か特別な習慣や、家族との思い出、毎年の楽しみみたいなものはありますか? 「そうだな……俺にとっては、基本的には“いつも通り”だよ。食べるのが大好きだし、よく料理もする。12月はいい時期だよ。この試合の後は、間違いなくたくさん食べるつもりだ」 ──土曜の試合(日本時間日曜日)、注目しています。 「ありがとう」
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