キックボクシング
レポート

【イノベーション】弘・センチャイジムが大差で紀州のマルちゃん破り王座奪取、諒矢が3度ダウン奪うも体重超過で無効試合に、蹴りの藤原将裕がパンチの吉角綾真を破りフライ級王者に、ダウン奪われた松田虎之介が大逆襲でマグナムカンタとドロー

2025/12/07 18:12
JAPAN KICKBOXING INNOVATION『UNRIVALED-2』2025年12月7日(日)東京・品川インターシティホール ▼メインイベント(第10試合)INNOVATIONライト級(61.23kg)タイトルマッチ 3分5R×紀州のマルちゃん(武勇会/王者)判定0-3 ※46-50×2、46-49〇弘・センチャイジム(センチャイムエタイジム/挑戦者・同級1位)※弘が新王座に就く。  メインイベントはINNOVATIONライト級(61.23kg)タイトルマッチ3分5R。王者・紀州のマルちゃんが同級1位の弘・センチャイジムを挑戦者として迎え撃つ。  INNOVATION愛を常に掲揚し、INNOVATION中量級を盛り上げ続ける四国のスターファイター、紀州のマルちゃんは、2023年12月10日にINNOVATIONライト級王座に着き(井上竜太戦/判定勝ち)、2025年4月5日に同王座を初防衛(井上竜太戦/判定勝ち)。その前は、2024年3月29日、『ONE Championship』に出場するもダウンの応酬となる激戦でKO負け。2025年5月25日には『Krush』に出場し、西元也史に判定負け。  その後、7月20日に『KNOCK OUT』出場予定も前日計量前に脱水症状で倒れて試合は中止。そこからの再起戦が、この2度目の防衛戦となる。  挑戦者・弘は、INNOVATIONライト級挑戦者決定トーナメントで優勝した強者。昨年11月9日、浅川大立(元INNOVATIONフェザー級王者)、今年3月22日、新田宗一朗(元INNOVATIONスーパーフェザー級王者)、7月6日、井上竜太と強豪相手に立て続けに判定勝利の3連勝と勢いに乗っている。  1R、サウスポーのマルちゃんが左ミドル、弘が右ミドル。マルちゃんがロープに詰めたところでショートの打ち合いとなり、右ストレートで弘がダウンを奪う。首相撲に持ち込んだ弘は綺麗なヒザ蹴りを連打、最後はコカして優勢を印象付ける。弘は右ロー、右ストレート。マルちゃんは前へ出て右ストレートを打つ。  2R、弘は左足をマルちゃんの前足外側にポジショニング、右ストレート、右ヒジを打っていく。右インローからの右ミドル、ワンツー、前蹴りとマルちゃんを下がらせる。重い音を響かせる弘の右ミドル。右ストレートに下がるマルちゃんは首相撲持ち込むが、弘がコカす。  さらに右ストレートでヒットを奪う弘。相手の右側にポジショニングする弘は強烈な右ミドル、さらに右ストレートと畳みかけ、右ストレートでマルちゃんはヒザを折る。  3R、ワンツーで前に出るマルちゃんだが、弘はかわして首相撲からのヒザ。マルちゃんは弘を持ち上げてコカそうとするが、弘はバランスよく着地。ワンツー、左右フックで前へ出るマルちゃんは左ヒジも。  弘は首相撲に捕まえてヒザ。弘の右ミドル、右ストレートにマルちゃんは逆転のヒジを狙う。弘の強烈な右ミドル。マルちゃんは連打で前へ出るが、首相撲に捕まってしまう。オープンスコアは30-27、30-26×2で弘が圧倒的な優勢。  4R、パンチで前に出るマルちゃんに弘は縦ヒジを合わせに行くが、マルちゃんが前に出てワンツー。弘の右ミドルがまたも快音を発して決まるが、マルちゃんはバックハンドブロー。ワンツーに右の返しをもらうマルちゃん。今度はマルちゃんが首相撲に持ち込んでヒザを蹴る。弘の右縦ヒジでマルちゃんは左目上から流血。ドクターチェックに。  再開後、バックハンドブローを放つマルちゃんに弘は右ストレート。マルちゃんは首相撲からヒザ蹴り、弘も応戦する。離れると弘の右フックでフラつくマルちゃん。それでも打ち合いに行くが、弘は右ミドルを蹴って離れる。  5R、マルちゃんは首相撲に持ち込んでのヒザ。弘もヒザで蹴り合う。マルちゃんが前へ出て左右フックの連打も、弘は前足を払ってバランスを崩し、首相撲からのヒザ。マルちゃんが左ヒジをヒットさせるが、弘は下がりながらも右ミドル。左右フックの連打からヒザを突き上げるマルちゃんだが、弘は首相撲で体勢を入れ替えて優勢を印象付ける。さらにコカす。最後の勝負に出るマルちゃんだったがパンチは空を切り、試合終了。  大差の判定で弘が王座を奪取した。弘は「チャンピオンになることが出来ました。心の底から感謝と感動があります。最高です。本当に皆さんありがとうございます」とリング上から感謝の言葉を述べた。 [nextpage] ▼セミファイナル(第9試合)INNOVATIONウェルター級(66.67kg)タイトルマッチ 3分5R―涼矢(エボリューションムエタイジム/王者)無効試合 3R 1分43秒―祐己(拳伸ジム/挑戦者・同級8位)※諒矢は王座はく奪。  セミファイナルはINNOVATIONウェルター級(66.67kg)タイトルマッチ3分5R。王者・涼矢(エボリューションムエタイジム)が同級8位・祐己(拳伸ジム)を挑戦者に迎える。  涼矢は、沖縄のヤンバル(北部の名護市)で生まれ育ち、少年期からフルコンタクト空手に勤しみ、高校時代に2度の全国大会トーナメント準優勝(決勝戦の相手はいずれもRISEライト級王者の中村寛)など好成績を収め、キックボクシング転向後は地元興行『レキオバトル』のエースとして活躍。  INNOVATIONでは、2024年7月7日、メインイベントで韓国のHERO70kg級王者、チェ・ミンスに勝利し、同年9月1日、レキオバトル興行内で認定されたINNOVATIONウェルター級王座決定戦で、櫻井博に勝利して王者となるも、そこから現在まで戦線を離脱し、この初防衛戦が復帰戦となる。  祐己は、これまで「yuuki」のリングネームで活躍してきた新鋭で、今回が王座初挑戦。所属する拳伸ジムの鮫島伸二会長が、今年、INNOVATIONの理事長に就任しただけに、是非とも同ジムに初のINNOVATIONチャンピオンベルトを持ち帰ろうと燃えていることだろう。  大振りの右フックを振り回し、常にアップダウンを繰り返す激闘派の涼矢が久しぶりのリングでいかに力を発揮できるか注目だ。 しかし、前日計量で涼矢は既定の体重をクリアすることが出来ず王座ははく奪。当日の再計量でパスしたため試合は実施されるが、祐己が勝った場合のみ王座に認定され、それ以外は無効試合という形で行われることに。  1R、右ミドルを蹴る諒矢にサウスポーの祐己は左ミドル、左ロー。左三日月を突き刺す祐己。2発目の三日月で諒矢が大きく下がる。祐己の左ミドルにバランスを崩す諒矢。  2R、早くも諒矢が勝負に出て左右フックの連打で前へ出る。祐己は左三日月、左ミドル。諒矢の左フックが決まる。ミドル、ローの蹴り合い。両者ともやや攻めあぐねた印象。  3R、諒矢が左右フックのラッシュを仕掛け、右フックでダウンを奪う。立ち上がった祐己は打ち合いに行くが、左フックをもらって2度目のダウン。最後も両者打ち合いとなって諒矢が左ストレートを顔面に叩き込み、祐己が3度目のダウン。  諒矢のTKOとなったが、体重超過のため無効試合となった。 [nextpage] ▼第8試合 INNOVATIONフライ級(50.8kg)王座決定戦 3分5R延長1R×吉角綾真(マイウェイジム/同級1位)判定0-3 ※47-49×3〇藤原将裕(MWS/同級4位)※藤原が新王座に就く。  1R、吉角は右ローを中心に蹴っていき、藤原は前蹴りと右カーフ。藤原の左ミドルをキャッチして右フックを連打する吉角。藤原は右ロー、左ミドル、左前蹴り。藤原はジャブを伸ばし、ヒットを重ねる。  2R、ジャブを打つ吉角に藤原は前蹴り、左ミドルと蹴り中心。吉角が右フックから連打を繰り出すと藤原は首相撲に持ち込む。長いジャブを当てて右フックにつなぐ吉角に藤原もジャブ。吉角がジャブを伸ばして当てていく。  3R、藤原は首相撲に持ち込んでのヒザ。藤原のジャブに吉角が右フックを被せるも、首相撲に捕まってヒザをもらう。ジャブを伸ばす吉角に藤原は前へ出てジャブから右ミドル。吉角は蹴り足をキャッチしてコカしに行く。オープンスコアは29-29×3。  4R、ジャブを伸ばす吉角に藤原もジャブを突く。吉角は右フック。ワンツーで前に出る藤原に吉角は右フックも後退する場面が目立つ。前に出て右ストレートを打つが、すぐに藤原が返してくる。藤原は首相撲に持ち込む。  5R、ワンツーの打ち合いになると、左ミドル、ヒザ、飛びヒザを混ぜてくる藤原。吉角は右フックをフルスイングも藤原の蹴りに押される。離れて左ミドル、近付いて組んでのヒザの藤原。吉角はパンチで応戦も首相撲からヒザの連打をもらってしまう。  判定は3-0で藤原が勝利、新王者に輝いた。「チャンピオン獲りました、ありがとうございます」と藤原は多くの人にお礼を述べた。 [nextpage] ▼第7試合 フライ級(50.8kg) 3分3R△松田虎之介(TARGET/元INNOVATIONフライ級王者)ドロー 判定0-0 ※28-28×3△マグナムカンタ(直心会)  1R、サウスポーの松田が左インロー、ジャブ、左ストレート、ヒザとアグレッシブに前へ出る。カンタはジャブから右ストレートも松田に左ストレートを合わされてヒザをもらう。しかし、右のカウンターが直撃、松田が大きく下がる。  組んでのヒザでこのピンチを凌ぐ松田。カンタは右の三日月から渾身の右ストレート、松田はダウン。さらに右ストレート、左フックで松田をグラつかせるカンタ。松田は組んでのヒザでこのラウンドを凌いだ。  2R、カンタが右の三日月から右ストレート、またもフラつく松田だが左右フックで反撃に出る。さらにボディへのヒザ蹴りが決まるとカンタが下がる。逆襲の松田は左右フックとボディへのヒザ蹴り、左フックの連打でカンタをコーナーへ詰める。  カンタの右フックを被弾する松田だが、前へ出て左ストレート、左フックを浴びせていく。カンタは右ハイを放ったが松田がガード。オープンスコアは19-18×3でカンタがリード。  3R、カンタは左ボディを狙い撃ちして左アッパー、左フックも放つ。前へ出る松田が左インローと左右フックの連打。カンタが転がるように倒れるがこれはスリップ。  松田はカンタをコーナーへ追いつめて左右の連打とヒザ蹴りも、カンタも右フックを打ち返す。さらに右ローを奥足に蹴るカンタ。逆転を狙って左右フックを打ち続ける松田に、カンタも右ストレートとヒザ応戦した。  判定は、松田が追い上げた形で痛み分けのドローとなった。 [nextpage] ▼第6試合 スーパーバンタム級(55.34kg) 3分3R翔力(拳伸ジム/バンタム級3位)武寛(真弘館) [nextpage] ▼第5試合 56kg契約 3分3R ※肘打ちなし翔龍(エボリューションムエタイジム/スーパーバンタム級10位)中路也真人(習志野ジム) [nextpage] ▼第4試合 フライ級(50.8kg) 3分3R石井識規(STRIFE/フライ級10位)櫻田直人(TEAM J.S.A 芦原会館夷隅支部) [nextpage] ▼第3試合 スーパーフェザー級(58.97kg) 3分3R篤志(TEAM J.S.A/同級10位)大雅(拳伸ジム) [nextpage] ▼第2試合 INNOVATIONフェザー級(57.15kg)新人王戦決勝戦 2分3R延長1R ※肘打ちなし尾島将悟(モリタキックボクシングジム)渡辺龍心(渡辺ジム) [nextpage] ▼第1試合 INNOVATIONフェザー級(57.15kg)新人王3位決定戦 2分3R延長1R ※肘打ちなし山本和紀(真弘館)上野玲雄(LEO GYM) [nextpage] ▼オープニングマッチ 2分3R延長1分1R洸冴大原桜臥
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