キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】UNLIMITED初挑戦の新田宗一朗「キックボクサーなので、打撃しか練習していません」、松本飛雅「僕らしく戦ってパウンドアウト」

2025/10/31 17:10
 2025年11月1日(土)福島・KNOCK OUT常葉アリーナ『THE KNOCK OUT FIGHTER.6』の「THE KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED-60.0kgトーナメント」準々決勝3分3Rで、松本飛雅(パラエストラ広島)と対戦する新田宗一朗(KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺)。今回のトーナメントに、山口元気代表も知らないうちに応募していたという新田は、この試合で殻を破れる気がしているという。その理由とは? 「心配してることはあんまりない」 ──トーナメントの記者会見では、山口元気代表も知らないうちに新田選手が出場者募集に応募していたと聞いてびっくりしたんですが。 「ですよね(笑)。試合がなさすぎたので、もう何でもいいから試合出ようという感じでUNLIMITEDに応募した感じでしたね」 ──応募するより前に山口代表に相談すればよくないかなと思ったんですけど、そういうわけにはいかなかったんですか? 「その前から『試合ないっすか?』みたいな感じで言ってたんですけど、3月に他団体でタイトルマッチを組んでもらったのに、変な試合をして負けてしまったのが一番大きくて、試合をさせてもらえなかったので、もうヤケクソになってたんです」 ──もうUNLIMITEDでもいいやと? 「『でもいいや』というわけではないですけど(笑)、60kgだったら全然いけるかなと思ったので。それだけですね」 ──とはいえ、ルールは全然違うじゃないですか。不安とか抵抗とかはなかったですか? 「やったことがないので、分からないですからね、逆に。だから抵抗もないですね。とりあえずやってみて、ダメだったら多分もうやらないし、面白かったらまた継続するかもしれないです」 ──実際、重森陽太選手だったり川野龍輝選手だったり、ジムメイトも何人かUNLIMITEDに出ていますよね。その選手たちの試合はどう見ていましたか? 「何ですかね、自分だったらいけるんじゃないかなというのは一応ありました」 ──打撃でいけるだろうなと? 「時期とか試合によってブレイクが早かったり遅かったり、いろいろ変わってきたところもあるんですけど、うまく膠着したりさばいたりすればしのげるんじゃないかなと思ってます」 ──実際に出ることが決まって、それ用の練習はいつ頃からやり始めたんですか? 「やってないですね。キックの練習しかやってないです」 ──タックルを切る練習とかもやってないですか? 「ちょっとじゃれ合うぐらいですね。それぐらいで、何とかなるかなと。まあ、勝てばいいんですよ」 ──いや、それはそうなんですが…準々決勝の相手が、松本飛雅選手に決まりました。MMAファイターで、プロではUNLIMITEDで3戦3勝という選手ですが。まずどんな印象ですか? 「何試合か映像を見たんですけど、そこまで組んでくる印象はないんですよね。けっこうグチャグチャな展開が多かったイメージがあるし、打撃が好きなのかなと思って。だからちょうどいいんじゃないかなと」 ──警戒すべきと思う点は? 「うーん、自分とちゃんと打撃で戦ってくれるとは思ってなくて、絶対寝かせにくるだろうなと。そこだけですね、自分が気にするのは」 ──では、「寝かされたら対処する」ではなく、「寝かされないようにしよう」という感じ? 「そうですね。寝かされないようにするっていうのが第一ですね、自分の中では。その中で打撃の攻防になれば勝つチャンスがあるというところで。たぶん、最初が重要だと思うんですよね。最初に倒しに行っちゃえば、寝る隙もないと思ってるので」 ──でも新田選手って、普段は早くから仕掛けるタイプじゃなくないですか? 「そうっすね、今までは」 ──今回は違う? 「今回は本当に、ルールがルールなので。休めないというか、首相撲と一緒で疲れると思うし、その展開が長く続くと、正直面白くない試合になると思うんですよ。勝っても負けても」 ──そうですね。 「だったら、今回別に自分は挑戦者なので、自分からどんどん出て、倒しにいくだけですね」 ──それはかなりの意識改革ですね。 「ただ、今回は練習内容はキックなんですけど、本当に死ぬほど追い込んだので。違う意味で殻を破れるような努力はしてきたんですよね。その結果がハマれば、やってきたことは間違いないんだなとなると思っています」 ──では、その目論見通りに今回勝てれば、12月の決勝トーナメント2試合もそれでいけるだろうと? 「ただ、そこまで行くと相手選手のレベルが上がってくると思うんですよね。そしたらちょっとぐらいは練習しようかなというのは、さすがに思いますね。まあでも、今はとりあえず目の前しか見てないので」 ──では、最初からガンガン攻めにいって、最終的にはどう勝とうと思っていますか? 「普通にスタンディングで倒して、そのままラッシュをかければ、意外とすぐ止めてくれるんじゃないかなと思ってます。それぐらいです」 ──ただ、そこにはけっこう自信があるわけですよね。 「はい。打撃が当たるなという部分はいくつかあるので。特にそんな、心配してることはあんまりないですね」 ──やはり出るからには優勝を狙ってますよね? そうなったらタイトルマッチじゃないですか。 「今はそこまでは考えてないですけど、もしかしたらタイトルマッチの相手も変わるかもしれないみたいじゃないですか」 ──今のチャンピオンは倉本一真選手ですが、12・30代々木ではその倉本選手のタイトルマッチもあるかもということですからね。 「だから、とりあえずまずは優勝目指してという感じです」 ──新しいことにチャレンジするのが楽しみ、みたいなところもありますか? 「もし今回やってみて自分に合うんだったら、それこそMMAも視野に入れていけるじゃないですか。そうなったらいろんな人と戦えるようになると思うので、そういう楽しみもありますよね。でもまだ、KNOCK OUTでタイトルを獲ってないので、そこもしっかり意識してやりたいと思っています。あまりブレないように、とりあえずこれが終わったらキックを頑張ろうと思ってます」 ──KNOCK OUTのREDスーパーフェザー級も新田選手がしっかり出てくれば、タイトル戦線はもっと盛り上がりますよね。 「最近、自分のモチベーションが上がったり下がったりしていたのが一番よくなかったんですけどね。今はもう本当に、今まで以上に練習量もやってきているので。たぶん、今後も自然と変わっていくと思います」 ──そういう意味でも大事な一戦ですね。 「そうですね。とりあえず今回は自分の殻を破れるかなという感じもあるので」 ──あと、常葉での試合は初めてですよね? 「いや、常葉に行くの自体が初めてですね。今回のセコンドは(小笠原)瑛作さんなんですけど、瑛作さんも常葉に行くのは初めてなんですよ。海外にばっかり飛ばされる組なんで(笑)」 ──飛ばされてるわけでもないでしょうけど(笑)。 「常葉ぐらいなら近いですし(笑)、ここで勝てばまた代々木ですしね。楽しみです」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょうか? 「自分はキックボクサーなので、打撃だけで勝ちにいきます。下馬評は不利だとは思うんですけど、自分の方が絶対打撃が強いと思ってるので、そこに自信を持って絶対倒しにいくので、そこに注目してもらえればと思います。ちょっと面白い試合ができると思うので、期待しててください」 [nextpage]  2025年11月1日(土)福島・KNOCK OUT常葉アリーナ『THE KNOCK OUT FIGHTER.6』の「THE KNOCK OUT FIGHTER UNLIMITED-60.0kgトーナメント」準々決勝3分3Rで、新田宗一朗(KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺)と対戦する松本飛雅(パラエストラ広島)。ここまでUNLIMITEDのプロマッチで3戦3勝(1KO)と順調に勝ってきている松本は、キックでタイトル歴もある新田との対戦を望んでいたという。そんな相手と、松本はどう戦おうとしているのか? ナメてるとまでは思わないけど―― ──今回のトーナメントのオファーが来た時はどう思いましたか? 「率直にうれしかったのと、どんな相手が来るんだろうっていう気持ちでした」 ──実際、会見で出場メンバーとは顔を合わせたわけですが、その顔ぶれについてはどう思いましたか? 「みんな有名な方ばっかりだったので、チャンスだなと思いました。ここで勝てばオイシイなと」 ──準々決勝の相手が、記者会見でもちょっと話題になっていた新田宗一朗選手になりました。あの会見の時点ではまだ対戦するとは思ってなかったと思いますが、どう感じていましたか? 「正直、新田選手と1回戦でやりたいなと思っていたんです」 ──あ、そうなんですね。 「はい、あの会見も含めて、一番オイシイかなと思ってたので、ちょうどよかったです。キックのチャンピオンだから強いのは間違いないと思うんですけど、組み技とかUNLIMITED、MMAはやったことがないと思うので、その時点でこっちに分があるかなと思って、やりたいなと思いました」 ──プロではずっとUNLIMITEDでやっている松本選手としては、「UNLIMITEDをナメるなよ!」という感じ? 「ナメてるとまでは思わないですけど(笑)、でもそんな簡単じゃないとは思いますね。キックボクサーがあんまり練習せずに出てきても、そんな簡単にいかないんじゃないかなと思います」 ──ではやはり、MMAファイターらしいところを生かして勝ちにいきたい? 「そうですね。普段練習しているMMAの距離の打撃で勝ちたいなと思ってます」 ──新田選手は身長が高くてリーチがありますよね。一番警戒したいところというと? 「一番警戒したいのは打撃全般と、あとは首相撲が上手だと思うので、そこからのヒジだったりは警戒してますね。組む場面になったら、そこは警戒して組んでいこうと思っています」 ──逆に身長のあるキックボクサーは、テイクダウンはやりやすそうなのかなと思いますが。 「そうですね。僕のイメージでは、背が高くて細い方がテイクダウンしやすいなと思ってて。それに、相手はそんな簡単にテイクダウンを防げないと思うので、そこがチャンスかなと思ってます。ここ3試合、プロでもやってきた経験も生かしていきたいなと思ってます」 ──UNLIMITEDの試合と練習を重ねてきて、こういうところが伸びたという部分はどういうところですか? 「UNLIMITEDはあくまで打撃がメインのルールだと思っていて、今年はずっとキックボクシングやボクシングをやってきたので、打撃は伸びたなと思います。普段の練習でキックボクサーとスパーリングする機会が最近多くなったんですけど、そういう練習をしていくうちに、打撃が強い相手だからこそ、テイクダウン能力も伸びていると自分で思ってて。打撃も寝技、どっちも伸びてるなあと思います」 ──今回、最終的にはどう勝ちたいですか? 「最終的にはパウンドアウトしたいですね」 ──前回の初KOもパウンドアウトでしたよね? 「そうですね。UNLIMITEDルールにも適応できて、その中でのKOだったので、感覚がよかったです。その感覚を生かして、またパウンドアウトしたいですね」 ──今回、準々決勝で勝てば12月30日に決勝トーナメントに進みます。全部で3つ勝てば賞金200万と王座挑戦権が手に入ります。3つ勝って優勝するのに一番必要なものって、今は何だと思っていますか? 「一番は気持ちですね。UNLIMITEDルールはMMAと違って、打撃でぶつかり合う競技なので、結局は気持ちが一番大事かなと思っています」 ──優勝への自信は? 「優勝したら王座挑戦権が手に入って、もし倉本選手に挑戦ということになったら、自分も腰の強さとかは自信があるので、そこを生かして戦いたいなと思っています」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「今までプロデビュー戦からこの前の3戦目まで、正直自分としては、あんまり動きがよくないなとずっと思ってて。でも今回は練習からいいイメージでずっとやれてきたので、僕らしく自由に戦うので、その僕らしさの部分を見てほしいですね」
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