MMA
インタビュー

【RIZIN】木村柊也と対戦する摩嶋一整の「継続は力なり。辞めずに続けてきたから──」=11月3日(月・祝)神戸

2025/10/30 18:10
 2025年11月3日(月・祝)兵庫・GLION ARENA KOBEにて『RIZIN LANDMARK 12 in KOBE』が開催される。  全席種が完売という同大会では、メインイベントで秋元強真(JAPAN TOP TEAM)と萩原京平(SMOKER GYM)が対戦するほか、ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)vs.松嶋こよみ(IDEA ASAKUSA)、摩嶋一整(毛利道場)vs.木村柊也(BRAVE)の注目のフェザー級戦が組まれている。  このフェザー級の松嶋と摩嶋は、実は2014年10月の第21回全日本アマチュア修斗ウェルター級(-70kg)の同期。両者は準決勝で戦い、判定3-0で松嶋が勝利。表彰台の頂点に立っている。  そこからそれぞれが国内外でキャリアを重ね、RIZIN LANDMARKでともに試合を行う。 ▼RIZINフェザー級 66kg 5分3R摩嶋一整(毛利道場)17勝6敗木村柊也(BRAVE)5勝1敗  摩嶋は、山口県周南市出身。毛利道場所属の柔道ベースのグラップラーで、地元工場のプラントで働きながらプロファイターを続けている。  2020年8月にRebel FCフェザー級王者としてRIZIN初参戦。斎藤裕、クレベル・コイケ、金原正徳といった強豪に敗れるも、以降は3勝1敗。芦田崇宏にヴォンフルーチョークで一本勝ちすると横山武司に判定勝ち。24年2月に今成正和に下からの腕十字で敗れるも、24年7月に新居すぐるを2R リアネイキドチョークで極めた。24年11月の前戦では、元フェザー級王者のヴガール・ケラモフと対戦し、攻め急いだところを1Rに右フックでダウンするとそのままグラウンド状態でヒジ打ちの連打を受けてTKO負けを喫している。34歳。  対する木村は、徳島県出身。3歳より父の通う道場について行き日本拳法を始める。明治大学在学中は体育会拳法部に所属し、19年には全日本拳法個人選手権大会決勝で芳賀ビラル海に勝利し優勝。最年少の18歳、大学1年生での優勝は史上二人目の快挙。コロナ禍で2大会中止後、22年大会でも優勝し学生時代2連覇。また全日本学生拳法個人選手権大会でも1年時より3連覇(20年は大会中止)。さらに上を目指し22歳よりMMAを開始。23年12月、プロデビュー戦のGLADIATORで田口翔太に1R66秒、右ストレートでKO勝利。その後も独特の間合いやステップ、踏み込みの速さ、そして投げ技ありの日本拳法を活かしKOを量産。  24年10月、Angel's FC暫定ライト級/ICKFフェザー級王者キム・ウィジョンとの初の国際戦では左右パウンドで1RTKO勝利。25年3月、地元四国でRIZIN初参戦。裏メインと囁かれた日本拳法の最高傑作vs黒帯柔術家対決で、1R54秒、横山武司から右フックでダウンを奪いパウンドアウト。MMA戦績を5戦全勝、全初回KOに更新した。  しかし、25年6月のRIZIN2戦目でいきなり元王者ヴガール・ケラモフの再起戦の相手に抜擢され、ケラモフのテイクダウンからバックのリアネイキドチョークを防いでトップからパウンドを落とすもフィニッシュできず。グラウンドでコントロールされて初黒星。判定負けを喫した。25歳。 「国際戦の壁」と一言でくくるには難敵だった前戦から、両者は何を課題として、積み上げてきたか。  10月18日の公開練習では、バックボーンである日本拳法をMMAで活かせる部分はどこかと聞かれた木村は、「距離感だと思います」と答え、その日本拳法についての印象を問われた摩嶋は「そういう選手と戦ったことないんですけれど、そういう場面は苦手というか。今までにない選手なので、その点も踏まえて見ていただいて楽しんでいただければ」と含みを持って答えた。  徳島県出身の木村は「地元が近いので大応援団の前でKOを見せられたらと思っています。今回も会場を盛り上げます」と宣言。  同じく山口から家族や同僚が駆けつけるという摩嶋は、「約1年ぶりの試合になりますが、みんなの前で戦えるのが楽しみなので、しっかり戦いたいと思います」と語った。  摩嶋にとっては、初のストライカーとの対戦だが、組みの武器を活かすために相手が誰でもやることは変わらない。木村に当てられずにいかにアプローチして組んで抑え込んで削り、極めるか。  一方、和製ケラモフと対戦する木村は、「相手に触らせずに打つ」「組まれてもポジションを譲らずに立てるか」が勝負のキーとなる。  公開練習後の本誌のインタビューで摩嶋は、木村の組み力について「ケラモフ選手がバックを取ってチョークも力強く入ったんですけど、“勝ち急いだ”のかなって。木村選手が上手いというよりはケラモフ選手が力を使いすぎた。ちょっと舐めていたのかな」と語り、組む算段はできているとした。  地域で一般会員のなかで、強さを磨いてきた摩嶋は「好きな言葉」として「継続は力なり」を挙げた。 「地方でずっと3歳から柔道とか格闘技を続けてる。強いジムとか道場とかで柔道や格闘技はやってこなかったですけど、辞めずに続けてきたから、今この場所に立てているのだと思う」と、胸を張った。  日本拳法のエリートが初めて味わった挫折。中央で踏まれても踏まれても頭を上げてきた摩嶋。両者の諦めない力がぶつかるフェザー級戦だ。
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