緊張感もある楽しい試合にしたい

――今回のトーナメントへの出場のオファーがあった時の心境はいかがでしたか?
「まずGUMP戦で負けたことでチャンピオンへは遠くなってしまったなっていう気がしていて、今年中にチャンピオンが決まるというのは聞いていたので、GUMP戦で負けた後に『チャンスを逃したな』っていう気持ちと『チャンピオンになった相手に挑めるようにここから積み上げていこう』って思っていたんですけど、近藤選手との試合でもチャンスをいただいて、5位の自分が4人制のトーナメントに参戦が決まった時に、チャンヒョン選手が怪我をしていたのは“自分持ってるな”って思いました。チャンピオンになるチャンスは中々ないので、運も味方に付けてこのチャンスはしっかり掴みたいなと思っています」
――このトーナメントのメンバーの中では、自分はどんな位置付けだと思っていますか?
「自分のことを優勝予想している人はいないと思うので、こういうダークホース的な選手が2試合ともKOだったり、めっちゃ面白い試合をして勝つほど面白い展開はないと思うので、しっかり荒らしたいなと思います」
――GUMP選手との試合は惜しくも敗戦となり、あの試合から近藤大晟選手との試合でKOという形で立て直しましたが、その時はGUMP戦の反省を経て近藤戦に行けたという感じですか?
「GUMP戦では戦い方もメンタル的にも自分を見失っていた感じがありました。“自分のやるべき事を試合で出す”っていう自分主体で考える戦い方をGUMP戦ではGUMP主体で考えていたんですけど、近藤戦では自分主体で試合を考える事ができました」
――GUMP戦ではGUMP選手に意識が行き過ぎてしまったんですか?
「そうですね。自分が前に所属していたTEPPEN GYMっていうのもあったし、初めていただいた-61.5kgトーナメントのリザーブというのもあったし、那須川会長の前で倒してやろうっていう気持ちもあったので、それが空回りしたのかなと思います」
――平常心ではなかったんですね。前回の近藤戦ではどうですか?
「自分に集中できてました」
――今回の対戦相手はパヌワット・TGT選手ですが、パヌワット選手の印象はいかがですか?
「自分が去年RISEに出させてもらったくらいの時に、パヌワット選手も出てきていて、その時は『パヌワット選手とやりなよ』って感じの会話をジムでしていて、まさか1年でここまで来れると思わなかったので感慨深いです。あと、攻撃力と爆発力のある選手だなって感じるので、少しでも油断はできないですね」
――勢いに乗った時のパヌワット選手の爆発力はすごいですよね。そこはどういう風に迎え撃ちますか?
「パヌワット選手は1ラウンド目が強いので、その台風に巻き込まれないように、でもポイントは取られないように1ラウンド目を戦って、2・3ラウンド目で倒しにいこうと思います」

――会見では「パヌワット選手と対戦するのが楽しみ」と発言していましたが、どんなイメージですか?
「パヌワット選手との試合は、技術の出し合いになると思うし緊張感のある試合になると思うので、ずっと戦ってみたいなって思っていました」
――「まだベルトは意識していない」という発言もあったと思うのですが、そこは今も変わっていないですか?
「そうですね。今はパヌワット選手のことしか考えていないです。ふと『あと2回勝ったらベルトか』ってたまに思うぐらいです」
――そういう気持ちはちょっとずつ感情的には出てきているんですね。
「でもまだ現実的じゃないよなって思います」
――次のパヌワット戦をクリアしたら、ちょっとずつ心境が変わってくるんですかね。
「多分そうだと思います」
――今までアマチュアでは結果を残してきていますが、プロでそういう一つの形になるものが目の前に来ている心境はいかがですか?
「自分1人ではここまで来れていないので、皆のためにも大事なベルトを獲って感謝の気持ちを伝えたいです」
――反対側のブロックからは誰が勝ち上がってくると想定していますか?
「GUMP選手が来そうな感じはするんですよね。それこそ最近の勢いでGUMP選手が来そうな感じがしています」
――そうなったらリベンジになりますね。
「はい。ベルトをかけてリベンジできるのは自分的にはすごくありがたいです」
――リベンジマッチでベルトをかけて、そこで勝ってベルトを巻くというのが理想なんですね。
「そうですね」
――今後、この階級でやってみたい事などはありますか?
「最近60kgで他の団体から来る選手とかも多く見えるので、そういう選手を倒していきたいです。RISEの強さを見せていきたいですね」

――なるほど。例えば前回リザーブマッチでGUMP選手に負けてしまいましたが、中村寛選手などと戦ってみたいという気持ちもありますか?
「もちろんあります。笠原選手とかも戦ってみたいです。それこそ自分の代わりにトーナメントに出るべき存在だと思うので、自分がチャンピオンになった後に名前が出てきそうな選手は全員戦いたいですね」
――今回このトーナメントに出場するにあたって、ご自身で設定しているテーマなどはありますか?
「最近思う事なんですけどアーティストとかアスリートの人を見た時って、お客さんは皆んなその日のためにその日があるから楽しみにそれまで生活できるし、それが終わった後も『あの試合があったから今日頑張れるな』って思わせてくれるのがすごいなと思っていて。自分もそういう選手になりたいので、まだ自分の身近な人でしかそういう気持ちにさせられてはいないんですけど、自分の試合を見て頑張れたり、自分の試合があるから頑張れるような、緊張感もある楽しい試合にしたいです」
――試合を見てくれる人を勇気づけられるような試合をしていきたいんですね。
「はい」
――最後にいつも応援してくれているファンの皆さまにメッセージをお願いします。
「このトーナメントに出れたことは、皆さんの応援があってのことだと思うので、まずはパヌワット選手をしっかり倒してベルトに挑戦できるように仕上げていきます。これからも応援をお願いします」


