キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】重森陽太「私がライト級のトップに一番近いことを再認識させようと思う」×小林司「今回は攻め100%ぐらいの気持ちで」

2025/10/06 19:10
【KNOCK OUT】重森陽太「私がライト級のトップに一番近いことを再認識させようと思う」×小林司「今回は攻め100%ぐらいの気持ちで」

国内ライト級最強を改めて証明するという重森(C)KNOCK OUT

 2025年10月12日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT.58』にて、KNOCK OUT-REDライト級3分3R延長1Rで対戦する、重森陽太(KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺)と小林司(Sports 24)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 6月の代々木でゴンナパー・ウィラサクレックに敗れてREDライト級王座を失った重森は、再挑戦に向けて今大会に臨む。小林だけでなく、同日に試合をする古村匡平と久井大夢も見据えた中で、前王者が思うこととは?

重森「相手のコーチは私の元コーチ」


──まず6月のゴンナパー・ウィラサクレック戦は残念な結果でしたが、今振り返るといかがですか?

「いろいろ反省点はあるんですけど…ちょっと大胆になりすぎたところがあるなという感じはしますね。試合前から『自分から仕掛けたい』と言っていたり、倒しにくい姿勢というのを意識しすぎて、自分のスタイルからちょっと逸脱しちゃったなというところがあるので。それを考えると、自分のやるべきスタイルが再確認できたなという感じはしています」

──それは、単純に元のスタイルに戻すということとはまた違うんですよね?

「もちろんです。塩梅が分かったなという感じですね。攻めるところ、前に出るところと、しっかり見るところとか、テクニックで刺し合うところ。その塩梅をうまくやらなきゃいけないなというのは分かったので。今後の自分にとっては、実はすごくいい経験になったんじゃないかなと、ちょっと思ってますね」

──実際に対戦してみたゴンナパー選手は、想定外だった部分というのはどんなところですか?

「うまかったですね。テクニックがありました。細かいテクニックがたくさんあって。やっぱり強打が目立つので、ただの脳筋みたいなイメージがありますけど。普通に当ててるパンチとか当ててる蹴りに対して、けっこういろいろなテクニックがあるなという感じですね。やりにくかったですし、普通にテクニシャンですね。やっぱムエタイファイターなんだなって感じはしました」

──ただ、最後はパワーでもっていかれた感じもありましたが。

「あの3Rはもう取らなきゃいけないラウンドだったから、倒される覚悟で突っ込んだので。ゴンナパー選手にとっては、そう来てくれたらやっぱりやりやすいと思うし、『待ってました』って感じですよね」

──前回の負けは、引きずりましたか?

「いや、そんなに引きずってないかなあ、あそこまでしっかりやられちゃうと。でも私はそもそも、負けてもそこまで引きずらないですね。ほとんど気にしないかな。よくないのかもしれないですけど(笑)」

──今回はあの試合から3カ月での再起戦になります。あの敗北からと考えると、思ったより早いなと思ったんですが。

「どうなんですかね? 私の中ではけっこう空けちゃったような気がするんですけど」

──それまでの試合スケジュールが過密でしたしね。

「そうなんです。でも山口元気会長だったり、周りのスポンサーの方々だったりからは『いや、もうちょっと待て』と言われて、待って待っての今なので」

──もっと早くやりたかったんですね(笑)。

「私はそんなに練習を休んだりとかはしないので。なのでこの期間も、わりとみっちり練
習できたなという感じはしますね。ただ、なんだかんだケガとかもあったので、ダメージも含めて完全に一回リセットされたという感じもあって、この3カ月はいい期間だったとは思っています。だから試合間隔もちょうどいいですね」

──今回は小林司選手との対戦となりました。再起戦ではありますが、侮れない相手と組まれるのがKNOCK OUTらしいというか。

「面白いですよね。もともと相手は誰でもよかったんですけど、想定外ではありました。でも、(古村)匡平君はもうちょっと温まってからかなと思ってましたし、久井大夢君でもないかなあと。そうすると、このあたりなのかなという感じではありますけど」

──小林選手が他団体の王座も保持していますが、KNOCK OUTに参戦してきたのは最近です。注目はしていましたか?

「正直、KNOCK OUTに出るようになってからですかね。最初の試合(5月、力也戦)がかなりインパクトがあって、またライト級にいい選手が集まってきたなと思っていたら試合が組まれたという感じです。だから面白いですよね、新しく入ってきた選手と、長くいる私が試合するというのは。KNOCK OUTの、それこそ国内のレベルを示せる一戦になるのかなと思います」

──小林選手の印象は?

「しっかり練習してるんだろうなという感じがしますね。スタミナもあるし、心も強いし。あと、試合決まってしばらくしてから知ったんですけど、彼のコーチは私が前に所属していたジムで小学5年生ぐらいの時に教えてもらっていたたコーチだったんですよ」

──そうなんですか!

「はい。9月のKNOCK OUTの会場で会った時にも、ちょっと話しました。今のジムでは違う呼ばれ方をされているそうなんですけど。ラジャダムナンのタイトルマッチの時もセコンドについてもらってたぐらい仲もよかったので、ビックリしましたね。だから怖いですよね、私のことをよく知っているので。そこはちょっと警戒しないといけないし、彼らの想像を超えていかないと、対策されちゃうなという感じはしますね」


──ご自分としては、どういう試合にしてどう勝ちたいと思っていますか?

「やっぱりインパクトは残したいなと思いますね。たぶんKNOCK OUTも、私と小林選手、久井君と匡平君の4人で回していこうというつもりはそんなにないと思うんですよね。今回、一番インパクトを残した選手が行くことになると思うんですよ。どうなるかは分からないですけど、私はそんな感じが勝手にしていて。だからそこを意識して、インパクトが大事かなというのはありますね。そのために印象に残る試合、いい動きをしないといけないなとは思います」

──では、勝つのはもちろんのこと、4人の中で選ばれた上で、その先にゴンナパーとのリマッチを見据えていると。

「そうですね。みんなゴンナパー選手を見越してやっていると思うんですけど。特に私は、他の人を挟む前にリベンジしたいなという気持ちがありますね。もうこの次の試合でもいいぐらいなので」

──当日行われるもう一試合、古村vs久井の一戦はどう見ていますか?

「ちょっと難しいですけど…正直、匡平君が持っていくんじゃないかなと、ちょっと思ってますね。久井君はまだ階級を上げたばっかりで、ライト級のパワーをどこまで身につけられているかがキーかなと。ライト級の中でも匡平君はけっこう力がある方なので、そこはやりにくいんじゃないかなと、ちょっと思いますね」

──なるほど。

「あと私は、そもそも久井君はわりとBLACKの選手なのかなと思っていて。彼は両方で勝てちゃうから両方やってますけど、実はBLACKの方が向いてるんじゃないかなと思ってるんですよ。そういうルール的なことも加味して、匡平君がいくんじゃないかなという感じがしますね」

──そうすると、挑戦者争いという意味では古村選手と競うことになってきそう?

「もうさすがに、ここまで来ると意識せざるを得ないですね。ただ彼と試合をするんだっ
たら、ゴンナパー選手への挑戦権を懸けてというのも、ちょっと残念じゃないですか」

──もったいない?

「そう、もったいないです。だったら一番を決める試合で匡平君とやりたいなという気持ちが私にはあるんですよ。だから10月12日は圧倒的なパフォーマンスを見せて、私がゴンナパー選手からベルトを取り返して、それこそその次の試合で全然いいと思うんですけども、そこで匡平君と決着をつけられたら…というのが私の理想です。今、ライト級はメチャメチャ選手が集まっていて『魔境』」って言われてますけど、そうなったら一回リセットできるなという感じがします」

──あとは、重森選手が今持っているそういう感触と、プロモーターである山口元気代表が持っている感触がどうかというところですね。

「そうですね。まあ結局、選手次第というところはあると思うので。『じゃあこいつにやらせよう』となるのか、『お前らで挑戦者決定戦をやれ』となったら、それはそれで、まだゴンナパー選手と試合をする実力を見せられてないというだけのことなので。それは別に気にするところじゃないなと思ってますね。そこに関しては私は何とも思わないです」

──でもやっぱり、理想は今回しっかり決めて、ゴンナパーへの挑戦がすんなり決まることですよね。そのために一番必要なものって何でしょう?

「やっぱり、実はクレバーさだったりというのは捨てちゃいけないところだなと思っていて。今、3Rのムエタイになって、オープンフィンガーグローブになって、ムエタイがガラッと変わってきてますよね。みんなファイターになってきて、フィームーの数がかなり減ってきてると思うんです」

──そうですね。

「でもムエタイの花形はやっぱりフィームーだと思うので、私はここを突破していきたいなとずっと思っているので。そこはちょっと、最後までこだわっていきたいですね」

──先ほどのゴンナパー戦の反省も含めて考えると、ある意味原点回帰の部分もある?

「そうですね、それだけではないにしても。プラス、チャレンジするところの塩梅だったりとかが分かったので。原点回帰と、あとは進化を見せるところだなという感じがしますね」

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

「今回は『ライト級』そのものに注目してほしいですね。今、ライト級はすごく盛り上がっているので、そんな中でこの私がライト級のトップに一番近いというところを再認識させようと思いますし、今後のライト級をさらに楽しみにしてもらえるような、そんな盛り上がる大会にしたいなと思っています」

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