MMA
インタビュー

【RIZIN】紫帯を巻いた“怪物くん”鈴木博昭が斎藤裕を指名「斎藤選手、一度だけ、ここでラブコールさせていただきたい」

2025/10/02 10:10
 2025年9月28日(日)愛知・IGアリーナにて『RIZIN.51』(U-NEXT配信)が開催され、第4試合のフェザー級で、10勝1敗のファン・イェーロウ(中国)を下した鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)が、元フェザー級王者の斎藤裕(パラエストラ小岩)を指名した。  元SB世界王者の“怪物くん”こと鈴木博昭は、RIZINで5勝6敗。2025年6月の北海道大会では、地元の山本空良を判定3-0で下し、YA-MAN、秋元強真、安井飛馬戦の3連敗から脱出。40歳にして進化を遂げている。  対するファン・イェーロウは、MMA10勝(3KO・3SUB)1敗。UFCファイターを輩出する名門エンボー・ファイトクラブ所属の25歳で、UFC PI上海でも練習しており、25年5月の前戦WLFでは韓国の強豪キム・ミンウに1R ニンジャチョークで一本勝ちしている。  試合は、一回り大きなファンがいきなりの跳びヒザから危険な右テンカオを突くが、サウスポー構えの鈴木は、左インロー、左ミドルで前進を止め、回転速いファンの右も高い防御力でディフェンス。さらにカウンターの左、右ストレートを当て、ファンのテイクダウンにもすぐに立ち上がり。フェンを完封して有効打を当て、判定2-1で鈴木が勝利した。  試合後、ボンサイ柔術のマルキーニョス(マスコス・ヨシオ・ソウザ)、クレベル・コイケらとハグをかわした鈴木は、リングでマルキーニョスから紫帯を授与。バックステージで戦いたい相手を問われ、斎藤裕の名前を挙げた。 鈴木博昭「リスペクトしている斎藤選手。ラーメン店で会うのか、リングで会うのか、どっちになるか」 ──試合を終えた率直な感想をお聞かせください。 「いやー、倒したかったけど、あの強い民族でした、ファン選手は」 ──強い民族であると、どういうところから感じましたか。 「まあ向かい合って戦ってみて、やっぱりこの、大陸の強さってあるんですかね。チャイニーズの人とやるのは、どうだろう、本当にめちゃめちゃもう、20代ぶりではあるのですけど、やっぱり身体の強さというか、骨格の強さは感じました」 ──試合の前半の方はファン選手が押しているように見えました。 「へー、はい」 ──そこからご自身のペースになっていくきっかけのようなものはあったのでしょうか。 「あんまりちゃんと覚えてないですけど、1R後半ぐらいで1回ちょっとダウン気味の取れたんですね確か。確かですけど。今回はあれだな、って。ちゃんと見えたんで“あっ、俺の試合になるな”っていうのは思いました」 ──今巻いている紫帯は?(リング上でマルキーニョスから授与) 「毎日毎日練習して、ボンサイ柔術で、みんなと積み重ねて、そしたら試合終わって“勝ったあ!”と思って見たら、マルコス(・ヨシオ・ソウザ)先生が帯の昇格でくださったんで、今日から僕は柔術・紫帯です。あの場で、リングで僕は昇格しました。だから今日から僕はボンサイ柔術紫帯の怪物くんです」 ──何か言葉もかけられたんですか? 「『おめでとう、鈴木!』と。『Muito Obrigado』(どうもありがとう)と返すだけです、僕は」 ──今後の目標・展望を教えてください。 「本当に、いやどうだろう。今まで戦った中でも“これは相当強いぞ”っていう感覚があったんで、この強い選手に勝ったっていうのは自信になるんで。また次、見えちゃうんじゃないの? っていうのは思ってます。ただRIZINの舞台なのでやっぱりフィニッシュしてね、大歓声を浴びて『フハハハハ!』って笑いたかったんですけど。リング上ではできなかったので今ここでやらせてもらいました」 ──判定が2-1で割れたことにはご自身としては納得していましたか。 「まあ、勝っただろうとは思ったんですけど(笑)。デカいダメージを見せたつもりもないし、まあ2回ニアフィニッシュはあったと思うし。まあ“勝ちか?”っていうのは、ちょっとわかんないですけどね。人が決めることなんで(割れて)“おおっ”と思いましたけど。結局判定までいったらもう文句はないんで、人が決めることなんで。まあ、あの、一番最初、僕は昨日も言ってたんですけど。なんだろう、本当。ライフゲージ(がゼロ)になるまでやるって言ってて、結局タイムアウトしちゃったんで。もうそこまで行った以上は、文句も何もないですわ。“すみません、タイムアウトしちゃって”。(ストリートファイターの音声を真似て)『K.O!』って行きたかったんですけどね、はい」 ──KOできなかったのは、相手が……。 「強かったですね。はい。ダメージングブローもあったはあったんですけど、“あ、戻ってくるやん、この子”って」 ──RIZIN2連勝ということで、先ほども「次」ということを仰いましたが、具体的な相手や、ベルトを目指すに向けての現状のプランを教えてください。 「ここで言うのもちょっとアレではあるんですけど。なんか引退をしているのか、してないのかのセンターラインの選手がいるんですけど、もともとずっと、元チャンピオンなんで、あんまり『やりたい』っていうのは、立場上、言えなかったですけど。斎藤(裕)選手。またファイトするのであれば、僕はもともとリスペクトしている選手だからっていうのは。まあ、あえて“言うまい”と思ってたんですけど。ふと正直浮かぶのって、そうなんですよね。もともと同じスポンサーさんの繋がりもあったし、すごい好きな選手だから。なおかつ、一応PANCRASEとDEEPの元チャンピオンには勝ってるんで。修斗チャンピオンの斎藤選手、一度だけ、ここでラブコールさせていただきたいなと思っています。  だからラーメン屋行きたいんですけど、なんか。ちょっと行きづらい気持ちは、そういう意味ではありつつ。戻ってくるんであればね。戻ってこないんであれば普通に食べにいきます。なのでまあ、(斎藤の)店で会うのか、リングで会うのか、どっちなんでしょう? ってところではありますけど。はい。一応僕もラオタなんで」 ──決まらないと行きたくても行けない? 「そうですね。この行くに行けない。もどかしい気持ちを」 ──ほかにございますか。 「今日、どっちかいっときますか? 前回、炭酸いったんで、今日はお水を(一気飲み)」 [nextpage] ファン・イェーロウ「RIZINはアジアでのトップリーグだと感じた」 ──試合を終えた率直な感想を聞かせてください。 「まあ、悔しい結果になってしまいましたが、結果は結果で、改めてRIZINはアジアでのトップリーグっていうことを感じました」 ──鈴木選手と実際に戦った印象を教えてください。 「そうですね……やはり彼は本当に強かったです。タフな選手でした」 ──1R序盤はファン選手の打撃が素早くて魅力的でしたが、後半だんだん落ちてきた印象です。ご自身では失速した原因についてどう思っていますか? 「実は昨日、風邪をひいてしまい、これを言っても何の意味もない、試合の結果が全てではありますが、こうなってしまって残念です、自分でもそう思っています」 ──初参戦のRIZINの舞台はどんな印象でしたか。 「とても良い印象でRIZINはすごくプロフェッショナルで、世界的に見てもトップレベルだと思います」 ──試合を終えたばかりですが今後の目標・展望を教えてください。 「帰ってしっかり反省して、次の戦いに向けて準備したいと思います。これからも動き続けます」
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