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コラム

【RIZIN】シェイドゥラエフとコレスニックから始まるフェザー級新章。中央アジアの脅威と日本勢──いま日本で見られるワールドクラスのフェザー級ファイターたち

2025/09/24 22:09
 2025年9月28日(日)愛知県・IGアリーナにて、『RIZIN.51』が開催される。ライト級王座戦、ヘビー級GP決勝、フライ級GP準決勝など大一番が並ぶ同大会で、年末に向けて新たな動きを見せているフェザー級戦線について注目したい。  コメインは、「RIZINフェザー級タイトルマッチ」として、王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)にビクター・コレスニック(ロシア)が挑戦する。  5月の『RIZIN男祭り』でクレベル・コイケにKO勝ちし、MMA15勝無敗で新王者となったシェイドゥラエフにとって初防衛戦。RIZINで4連勝中、MMA9連勝中のコレスニックを迎え撃つ。 キルギスを出発したシェイドゥラエフと陣営。(C)rajabali__shaidullaev  試合に向け公式SNSで、王者は「これはMMAなので、自分はストライキングでも寝技でも、絞め技でも、あらゆる技を使って戦うつもり」と全局面での優位を語り、挑戦者は「今回、非常に優れた対戦相手とのマッチアップで彼は現在無敗の戦績だが、それも今のうちだけ」と初黒星をつけるとした。  榊原信行CEOは、この勝者に2連勝中の朝倉未来(ジャパントップチーム)が挑戦する可能性を語っており、朝倉自身も『CONFESSIONS』で王者について「俺しか戦えるやついないんじゃないですか?」「(勝つ)可能性があるのは鈴木千裕だとか平本(蓮)だとか(ファンが)言ってますけど、俺だと思いますけどね。まあ見ててくださいよ、チャンピオン目指してるんで」と、対シェイドゥラエフに自信を見せていた。 Kuznya Fight Clubでのコレスニック(C)kolesnik_viktor_  本誌『ゴング格闘技』(NO.340)の取材では、シェイドゥラエフは「コレスニックに勝って次の戦いたい相手」として、朝倉未来の名前を挙げている。「日本で一番強い、一番人気のある選手と戦って盛り上げたい」と大晦日の相手に指名したが、朝倉の試合については「クレベルとの試合を見たけど特に驚くことはなく、退屈な試合だった」と、辛辣に印象を語っている。  今回の対戦相手のコレスニックは、グラウンドでの蹴りも許されたロシアの軍隊徒手格闘技出身のストライカー。これまでの対戦相手にない殺傷能力を持つコレスニックを相手に、果たしてシェイドゥラエフは年末に駒を進めることができるか。 [nextpage] 王座挑戦を望む朝倉未来、怪我から復帰目指す鈴木千裕と平本蓮  現在、MMAでは新たな実力者たちにスポットライトが向けられている。旧ソビエト連邦を構成していた15の国々、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ、エストニア、ラトビア、リトアニア、ジョージア(旧グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン──そこに中国、モンゴルまで含めた東アジア、中央アジアの選手たちが、MMAの広がりとともにアマチュアから頭角を現している。  RIZINフェザー級では、シェイドゥラエフがキルギス、バンタム級転向も視野に入れるカルシャガ・ダウトベックがカザフスタン。ヴガール・ケラモフがアゼルバイジャン、コレスニックがロシア、イルホム・ノジモフがウズベキスタンの出身だ。  またPANCRASEでは、キルギスでシェイドゥラエフの練習仲間でISAOを1R KOに下したカリベク・アルジクル ウルルが猛威を振るい、タジキスタンのオタベク・ラジャボフが戦慄のKO劇を見せたばかり。恐るべきは、シェイドゥラエフやダウトベック、カリベクやオタベクはバンタム級でも戦えるということ。もしUFCに挑戦するとなれば、階級を落とすことも考えられる選手たちだ。  UFCでもチャンピオンのライトヘビー級王者マゴメド・アンカラエフ(10.4 アレックス・ペレイラと再戦)、ミドル級王者ハムザト・チマエフ(チェチェン)がロシア、ライト級王者のイリア・トプリアとメラブ・ドバリシビリがジョージア、女子フライ級王者のワレンチナ・ シェフチェンコがキルギス出身だ。  旧ソ蓮、中央アジアの実力者たちを相手に、日本勢はいかに戦うか。  RIZINフェザー級を見渡せば、タイトル戦を望む朝倉未来、復活を期すクレベル・コイケに、負傷欠場中の鈴木千裕。9月28日の『RIZIN.51』では、王座戦のほかに高木凌とPANCRASE王者・三宅輝砂が激突。11月3日の『RIZIN LANDMARK 12 in KOBE』では、摩嶋一整vs.木村柊也、萩原京平vs.秋元強真がフェザー級で組まれている。そこに、YA-MAN、平本蓮、中原由貴、武田光司らがどう絡んでくるか。中原に逆転KO勝ちしたソン・ヨンジェ、LFAと契約中ながらビザの問題で国内マットでの強豪との試合も望む松嶋こよみらの動向も注目されている。  榊原CEOは、元王者の鈴木千裕について、「千裕の怪我はこの数試合の中で怪我したというよりは、まあ五味(隆典)との試合前からもう拳を痛めたりしていたので、長い間痛めて騙し騙し戦っていて、どこかで思い切って手術をやらないと、結果、朝倉海のように長期離脱ってことにもなるんで(2021年大晦日から1年5カ月欠場)。本人的には色々考えるところもあると思うんですけど、(手術を)やった方がいいと思っています。どの程度で回復するのか、半年かかるのか、その結果、大晦日に間に合わなければ来年の春でもいいし、大晦日が終わってからやる(手術する)のか。その辺は1回、千裕ともしっかり話してみたいなと思ってます」としている。  また、今年2月に右肩の「外傷性肩関節不安定症」による手術を受け、朝倉未来戦以降、試合から遠ざかりリハビリ中の平本蓮についても「同じ状況ですね。日進月歩というか、日々の中での回復具合によってだと思うんですけど、大晦日間に合う形で準備が整うといいな、と思って準備を進めているというところです。手術後、どう回復するかは『時間が薬』みたいなところがあるので、今は無理せずに、しっかり本当に治し切って出てきてほしいと思います」と語った。  打撃で立ち合う技術を持つ平本と鈴木は、MMAとしての強さを進化させて、復帰戦を見据える。  フェザー級王者のシェイドゥラエフは、名古屋決戦を含め、年内に2試合を超えたのちに、再びRIZINと契約するか。それとも新天地を求めるか。その座にとって変わろうとする海外のライバル達、そして日本勢にも厳しい戦いが待っている。オープン化が進むRIZINフェザー級戦線の今後に目が離せない。
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