MMA
インタビュー

【修斗】岡田遼「アップグレードした姿を」×弥益ドミネーター聡志「戦いの根本の部分で勝ちに」=今夜『Lemino 修斗』旗揚げ

2025/09/02 16:09
 2025年9月2日(火)18時から、東京・後楽園ホールにて、プロフェッショナル修斗公式戦『Lemino 修斗 Vol.1』(Lemino配信)の旗揚げ戦が行われる(※大会速報)。  メインでは、第11代修斗世界バンタム級王者の岡田遼(THE BLACKBELT JAPAN)が引退試合として、第9代DEEPフェザー級王者の弥益ドミネーター聡志(team SOS)と、フェザー級(5分3R)で対戦する(※会見コメント。当日券は16時30分から発売中)。計量後の両者に聞いた(※全選手前日計量結果)。 ▼第7試合 フェザー級(65.8kg)5分3R岡田 遼(THE BLACKBELT JAPAN)第11代修斗世界バンタム級王者 65.8kg弥益ドミネーター聡志(team SOS)第9代DEEPフェザー級王者 65.6kg  修斗とDEEPの元王者、そして千葉大と筑波大の修士対決でもある両者は階級を越えて初対戦となる。  岡田は、2013年6月にプロ修斗デビュー。祖根寿麻、安藤達也らと対戦後、2020年5月、倉本一真に2R KO勝ちで修斗世界バンタム級暫定王座獲得。正規王者の佐藤将光の王座返上により第11代世界王者に。2021年3月、大塚隆史に判定勝ちで初防衛に成功。22年3月に安藤達也に敗れ、王座陥落。RIZINでは2021年6月に元谷友貴に、2023年9月に中島太一に判定負けして以来、2年ぶりの復帰で引退試合に臨む。  前日計量では、(フェザー級での計量について)「1階級上げたので、減量から解放されて、平良達郎さんにサポートしていただいて、問題なく落とせました。ありがとうございます。(弥益は)もともとすごく自分が好きだった選手で、今まで自分がやりたいなと思った選手と試合したことがなかったので、最後の最後で、そういう“自分がこの人とやりたいな”と思った選手と試合させてもらえて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。その気持ちを乗せて、明日全力でぶつかろうと思います」と意気込み。  現役生活最後の試合として、「最後なんですけれども、まずは明日、弥益くんとの試合に、自分の全身全霊を、今まで自分が13年間、道場で学んできた修斗を全部彼にぶつけるっていうことに集中しています。その上で、明日の“Lemino 修斗がいい大会だったな”と皆さんに思っていただけるようになればいいなっていう願望もあります。ほかの選手たち皆さんの力もお借りして、いい大会にしたいなと思っております。皆さんよろしくお願いします」と語った。  弥益は、元DEEPフェザー級王者で、MMA13勝8敗。2020年大晦日に朝倉未来に1R KO負けも、2021年6月に“ブラックパンサー”ベイノアと73kg契約で対戦し、スプリット判定勝ち。2022年3月に66kg契約で萩原京平に1R 腕ひしぎ三角固めで一本勝ちして2連勝を収めたが、11月に平本蓮と70kg契約で対戦して判定負け。23年12月に1年1カ月ぶりの復帰戦で新居すぐるにKO負け。今回はかつて練習を共にした岡田を相手に再起戦となる。  前日計量で弥益は、「計量が久しぶりだったんで、なんかこう……自分の感覚を戻したりとか、練習を追い込んだりとか。なんだったら、もう最後の水抜きも含めて、めちゃくちゃしんどかったですけど、岡田(遼)さんが誘ってくれたんで。ずっと、この試合に向けて──会見以降1回も会ってないんですけど──なんとなくずっと並走してもらったとは思ってますし、ここまで作ってこれたと思ってます。明日はもうそういうの全部、置いといて、もう否が応でも勝ちに行きたいなと思ってます」と意気込み。  また、修斗初参戦に向け、「自分が駆け出しの頃はやっぱりアマチュア修斗っていう、もう絶対的なアマチュアのブランドがあって。そこを勝ち残った、勝ち上がった人たち、ごく一部の選ばれた人たちだけが上がる舞台だと思ってましたし、そういう誇りを持って戦われている方が多いなという印象だったので、まあ今回、どさくさではあるんですけども、自分も修斗という舞台に入れさせていただいて非常に光栄です。ただね、自分も体中にDEEPが巡ってますんで……そんな覚えはないですけど(笑)。自分なりに楽しみたいと思ってます。(最後の意気込みを)いや、もう勝ちたいです。それだけです。勝ちにいきます」と必勝を誓った。  下記は計量後の両者との一問一答。 岡田遼「アップグレードした姿を」 ──無事、計量を終えました。これまでのバンタム級での作りとは異なる部分での難しさもありましたか。 「いつもと確かにフェザー級での作りとは違うんで、そこら辺はちょっとまあ楽しくもありました」 ──試合のない間もストレングス&コンディショニングコーチについて保っていたようですが、計量後は今回は平良選手に親子丼を作ってもらわないと。 「確かに! 今回はこの後作ってもらおうかな(笑)」 ──この試合に向けては、THE BLACKBELT JAPANの鶴屋代表、松根代表とともに、プロモーター業もこなす必要がありました。大変だったのでは? 「そうですね、やっぱり、自分の練習だけにフォーカスできてた。若かりしあの日々はすごい幸せだったんだなと、今気づきました。いろんなプロモーターさんたち、こんなに大変な思いしてるから、俺らの試合、こうやって見てもらえたんだなっていうような視点を持つこともできました」 ──計量で弥益選手と向かい合い、やはり大きさは感じました。 「はい。ちょっとやっぱり一回り大きいなっていう感じは思いました。でもそれは分かってたんで。データで見てもリーチも全然彼の方が上だし、じゃあどうやって行くかっていうところを練習してきたつもりであります」 ──試合に向けた練習のなかでフェザーでの手応えはいかがでしたか。 「そうですね……やっぱり、まあフェザー級の選手は大きいなっていうのは感じますけど。ただまあ、小回りが効いたりとか、そういう部分も感じています。力強さもめちゃくちゃ組み負けることはないのかなって」 ──本誌のインタビュー、会見でもここまでの想いは聞かせていただきましたので、もうこの段階でお伺いしたいことは、心身ともに戦う岡田遼を作れたか、どうかを。 「作ってきたつもりです。見てください。米国にも行きながら、MMAの動きを本にまとめて気づきもありましたし、本当に今までの“貯金”で戦うわけじゃなくて、アップグレードして、最後の最後、ここまでは辿り着いたっていうところは示せるんで、そこを見てほしいです。“こんな動きをするようになったんだ”っていう動きが、1個、2個、3個出せればと思っています」 [nextpage] 弥益「戦いの根本の部分で勝ちに行きたい」 ──いつぐらいから試合に向けたファイトキャンプという形で取り組みましたか。 「試合が決まるか決まらないかみたいな時間が長かったので、完全に決まってからは、たぶん2カ月ぐらいですかね、ガッツリ作り始めたのは。 ──それは通常の仕事をこなしながら、ですね。 「ああまあ、それはそうですね(笑)。あくまで仕事をしながらにはなりますが。練習環境は変えずに、強度を高めて。いつもだったら例えば、週1でオフの日というか。少なくとも格闘技の練習はしない日みたいなのはあったんですけど。今回はもう時間があれば、週7で格闘技の練習をしてっていうのをちょっと試しにやってみて」 ──週7? 休み無しで仕事終わりに練習を毎日? 「そうです。週7です。休み無しでやってみて、ちゃんと体を壊したりもしましたけど(苦笑)」 ──練習できる時間が貴重なのでしょうけど、無理がありますよ……でも、それが今日の身体なのですね。 「それで、いつも以上に練習も少なくとも量と質というのはこなせてきたかな、と思っています」 ──さきほど計量で向かい合ったら、弥益選手が大きいなと正直思いました。 「そうですね……まあ白いから膨張色で大きく見えたんじゃないですか(笑)。まさに体格差は出るなっていうのはもちろんわかっていましたけど体重は同じで、だからといってじゃあ組んだら違うのかっていうのは、もちろん岡田さんと組んだこともあるので、サイズだけの力の差っていうのはないっていうのは認識してるんで、過剰に大きく見ることもないですけど、小さく見ることもなく備えているつもりですね」 ──今回はDEEPから初めて修斗に乗り込む形で、相手の引退試合でもある。弥益選手にとってやりにくい状況なのではないかとも考えましたが、でもここで復帰を決めたのは? 「いや、もうこれじゃないと受けられないなと。あの……何ですかね、情けないですけど、仕事もありますし、家族もいるし、格闘技にリスクがある中で受けるっていうのは、どんどん自分の中でハードルが上がっていって、それは正直、見る人が増えてそのプレッシャーっていうのももちろんあります。個人的な環境の中でもやっぱり正直、脳みそのリスクですとか、怪我のリスクとかも練習の中でもある上で、試合に出ることのハードルの高さっていうのは、年々上がっていってる自覚もあります。  そういう中で、ただ、自分の格闘家としての立ち位置っていうのは──競技面で言うと高さを失っている。2連敗という状況です。いいオファーをいただける立場ではないことも分かっているんで、その自分の中のハードルの高さと立ち位置っていうのがそぐわない状況です。今回は、その無駄に上がってしまったハードルを飛び越えてくる試合でした。 (復帰戦に向け)ある程度の“飛び道具”じゃないと無いな、このままもしかしたら試合しないのかなって思ってた中でやっぱり、こんなにいい歳した、お父さんとして普段生きてる、会社員として生きてるような人間が大人気なく、大汗かきながら殴られながらね、大人気ない姿を晒せるのは──やっぱり大人気なく頑張ってる同学年の岡田遼がいたからこそなので、そういう意味ではほんとに、一緒にファイトキャンプを誘ってもらったくらいの気持ちで受けさせてもらいました」 ──改めて岡田遼選手の試合を見直したかと思います。どういうファイターですか? 「もちろん自分も直接肌を合わせたこともあるし、めちゃくちゃ強い選手だっていうのは分かっていて、ここ3試合で連敗をしているのは、日本でトップクラスの選手と対戦をしてきたから。それでもやっぱり後半の失速が感じられるのは、1R目はすごくいい展開が作れていると思いますが、だんだん後半に行くにしたがって失速が目立つなっていう印象はあって、そこにはバンタム級の減量が多少影響しているのかなというのはあって、じゃあフェザー級に上げて、過去最強の岡田遼が出てきてしまうかもしれないし、それを念頭に入れた中で仕上げてきたつもりです」 ──怖い弥益ドミネーター聡志が見られそうでしょうか。 「それを出せない勝てないと思います。格闘家として向き合ったら、向こうの方が格上だと思っています。あの“格闘家”じゃない部分で、格闘技だけじゃないファイトの根本の部分で勝ちに行きたいと思います」 梅田恒介 そういえば、ユニファイドルールは初なんですよね。 ──あっ、DEEP育ちで15試合、RIZIN5試合。「PANCRASE vs DEEP 大阪大会」で中村晃司選手に勝利した試合は……DEEPルールだったんですね。いつかの海外も試合も見据え、弥益ドミネーターのユニファイドルールも興味深いです。 「だから……蹴っちゃったら、本当ごめんなさい、です(笑)」 RTU帰りの山内渉が柔術黒帯デウジヴァン・ソウザと対戦 ▼第6試合 フライ級(56.7kg)5分3R山内 渉(FIGHT FARM)7勝2敗 56.65kgデウジヴァン・ソウザ・シウバ(GRANOLA JIUJITSU TEAM)5勝4敗 56.60kg  山内は、修斗で6連勝後の2023年11月の修斗世界フライ級王座決定戦で、新井丈と年間ベストバウト級の死闘を繰り広げるも3R TKO負け。怪我とダメージを抜いての11カ月後の2024年10月に髙谷裕之が旗揚げした『POUNDOUT』第1回大会で松場貴志に判定勝ち。26歳。 (C)Zuffa LLC/UFC  前戦は、2025年5月22日の『ROAD TO UFC シーズン4』フライ級に出場。現UFCのニャムジャルガル・ドゥメンデムベレルにしか敗れていない7勝1敗のモンゴルのナムスライ・バトバヤルと対戦し、カウンターの右でダウンを喫してTKO負け。3カ月を置いて再起戦に挑む。  計量後、山内は「体調はいつも通りバチです。(RTUからの再起戦でLemino修斗の国際戦に臨むことについて)ほんとうに国際戦を組んでいただき、ありがたいなって気持ちですね。すごいモチベーションで練習してこれましたし。頑張りたいなって思ってます」と意気込み。  またソウザ戦に向け、タケ大宮司トレーナーについてもらい、身体の使い方、スタンドのポジショニング等を練習してきたことを明かし、「いろいろ変えてきた部分があって、出したい部分もいっぱいあるので、それは明日試合見て、前戦からの成長を感じてもらえたらなって思ってます。そして、明日は試合を楽しむことを目標に頑張りたいなと思っているんで、皆さんよろしくお願いします」と語った。  山内は、『ROAD TO UFC』以来、2試合目の国際戦で対海外勢の圧力のなか、再起を飾ることができるか。  対するデウジヴァン・ソウザは、柔術黒帯でMMA5勝4敗の32歳。グラノーラ柔術所属で、地元ブラジル大会から現在は中国WLFを主戦場としており、5勝中4つの一本勝ちでは、RNC、三角絞め、腕十字の極め手を持つ。  中国WKGでは、オーソからパワフルな右オーバーハンドで組んでテイクダウン、ガードパス、腕十字を極める姿が確認できるソウザ。  23年4月にはBLACKCOMBATにも出場経験のあるフェン・ティエンハオにWLFで判定負け。そのフェンはWLFで風我と神酒龍一を下し、駒杵嵩大とフライ級王座決定戦を戦ったユン・ホヨンには判定負けしており、デウジヴァンにとっては、戦い慣れたアジアで、もう一つの主戦場を作ることが出来るか。  計量後、ソウザは「私はこの試合に向けて準備してきました。修斗のメダルを取るためにここに来ました。皆さん、明日、素晴らしい試合を見ることを準備していてください。日本、ありがとう」と語っている。 [nextpage] ストロー級3位の当真佳直と、階級変更後2連勝中・7位の内藤頌貴によるランキング戦 ▼第5試合 ストロー級(52.2kg)5分3R当真佳直(クロスライン)同級世界3位 51.95kg内藤頌貴(THE BLACKBELT JAPAN)同級世界7位 52.05kg  内藤頌貴は、パラエストラ千葉ネットワーク時代に岡田遼と同期入門。24年9月にフライ級からストロー級に転向し、大城正也に1R KO勝ちすると、25年1月に泰斗に判定勝ちで2連勝中。同級世界7位に。  修斗世界ストロー級3位の当真佳直は、6連勝後の2025年1月に山上幹臣にスプリット判定負け。今回が再起戦となる。  9月21日の修斗ニューピアホール昼大会では、世界ストロー級王者・田上こゆる(BLOWS)が初防衛戦で、約12年ぶりの同王座返り咲きを狙う山上幹臣(総合格闘技道場STF・1位)と対戦するタイトルマッチが組まれている。内藤vs.当真の勝者は、ストロー級王座挑戦をアピールできるか。  前日計量後、当真は、「減量はいつも通りなんですけど、ここに来るまでにいろんなアクシデントがあって、それに打ち勝ってここまでとりあえず計量でクリアできたので、そこがまず嬉しいです」と安堵の表情。  相手の内藤について「もともとフライ級の2位までいった選手なんで、もちろんめちゃくちゃ強いなと思っていて、ストロー級に下げて2連勝中ということで勢いにも乗っているんで、ここを自分が勝って、次のタイトルに繋げれるように絶対、ここは勝ちたいと思います」と必勝を誓う。  そして「まずは第1回、Lemino修斗に呼んでいただき、ありがとうございます。メインイベントに向けて盛り上げられるように。自分の試合もしっかり盛り上げて。前回の試合より5倍ぐらい強くなってるんで、第5試合目。注目していてください」と、進化を見せるとした。  対して、ストロー級3戦目となる内藤は、「順調に落としてこれましたし、バッチリで明日を迎えられると思います」と、絞り込まれた身体を披露。  ストロー級3位の当真との対戦に、「前からずっと見ていた選手ですし、階級を変更してからは、もう共通する階級の選手の一人だったので、すごく決まって嬉しいです。強い相手と戦うんだなっていう思いでいます。しっかりと『第5試合が一番良かったね』って言われるような試合をして、その結果『Lemino修斗、いい大会だったね』って言われるようになればいいなと。唯一のランキング戦なので、しっかりと潰し合いをしたいなと思います」と、ストロー級王座戦線にアピールする試合にしたいとした。 [nextpage] 岡田嵐士 vs 古賀優平、徳本望愛 vs 安田詠美、下間英史 vs 塚本竜馬、翔べ! ゆーすけ! vs 辻純也も ▼第4試合 フライ級(56.7kg)5分2R岡田嵐士(リバーサルジム新宿Me, We)56.60kg古賀優平(TRIBE TOKYO MMA)56.60kg ▼第3試合 -49kg契約 5分2R徳本望愛(THE BLACKBELT JAPAN)48.40kg安田“kong”詠美(BURST)48.50kg ▼第2試合 バンタム級(61.2kg)5分2R下間英史(THE BLACKBELT JAPAN)61.20kg塚本竜馬(ROOTS)61.50kg ▼第1試合 フェザー級(65.8kg)5分2R ※新人王翔べ! ゆーすけ!(マスタージャパン)65.70kg辻 純也(ISHITSUNA MMA)65.65kg 【当日計量】 ▼オープニングファイト 2 ジュニア修斗 -54kg 4分1R河上純登(THE BLACKBELT JAPAN)中坊一(心技舘) ▼オープニングファイト 1 ジュニア修斗 -54kg 4分1R長谷川凌生(THE BLACKBELT JAPAN)窪田登馬(Splicing Brazilian Jiu-jitsu)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント