2025年8月29日(金)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT.56 New beginning』(U-NEXT配信)にて、KNOCK OUT-RED -59.0kg契約3分3R延長1Rでゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)と対戦する軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)のインタビューが主催者を通じて届いた。
元K-1 WORLD GPフェザー級王者の軍司は、6月のKNOCK OUTに初参戦。ヒジ打ちあり、つかみ制限無しのREDルールに初挑戦し、元ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級王者ペットルンルアンを得意の左ボディでKOした。今回は第2戦で元ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者と対戦する。
一番警戒するのはやっぱり首相撲とヒジ
──6月の代々木第二大会でKNOCK OUTに初参戦して、ペットルンルアン・ソーチャールワン選手に1RKO勝ちでした。あの試合を今、自分で振り返ると?
「もうちょっと長いラウンドをやりたかったというのもあるんですけど、短い時間の中で首相撲の展開だったりヒジの展開だったり、いろいろと勉強になったなと思います」
──フィニッシュのボディブローは見事でした。あれは最初から狙っていた?
「もともとボディはずっと狙っていて、あれはタイミングよく入ったという感じでしたね。もともとはボクシング・グローブでキックボクシングをずっとやっていて、ボディがうまく入っても、あそこまで倒れるということはなかったので、正直、『このまま立てないのか、それともまだやれるのか、どっちかな?』という感じで見ていました」
──「オープンフィンガーグローブ(OFG)だとボディが突き刺さるように入るから、ボクシング・グローブよりも効く」という話を、他の選手から聞いたことがあります。実感としてはどうでしたか?
「そうですね。僕も練習ではOFGでボディ打ちとかもやっていたので、違いはかなりあるなと思っていました。ボクシング・グローブの場合だと一発、二発耐えられれば倒れないんですけど、OFGだと一発で内臓まで行くみたいな効き方をするなというのは分かっていました。ボクシング・グローブだと表面的な痛さで、OFGだと中まで効くみたいなイメージでしたね」
──それって、逆に怖い部分でもありますよね。
「もちろん自分が打たれたら効くでしょうからね。そこは警戒しながらやっています」
──6月の試合も経て、今は「OFGムエタイ」練習への手応えはどうですか?
「OFGムエタイの練習をやっている期間が長くなるだけ経験も増えるし、成長もできると思うので、そこは成長できているかなと思います。あとは、今までやったことのない首相撲だったりの展開もあると思うので、今回はそこをしっかりやっているかなという感じですね」
──首相撲やヒジという部分に関しては、今回の相手ゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー選手の方が厳しいという認識ですか?
「はい。戦い方は前のペットルンルアンと似てるんですけど、今回の方が首相撲とかの展開が多くなると思うので、そこを含めてしっかり練習しています。一番警戒するのはやっぱり、首相撲とヒジなので」
──首相撲の対処としては「捕まらないように」なのか、「その展開になってもしっかり対処できるように」なのかで言うと、どちらが優先でしょう?
「僕はまだやっている期間も浅いですし、そこまでうまいわけでもないし、しかも相手がタイ人だから、首相撲で捕らえられて勝てるわけがないので、それで言うと首相撲の展開になる前に対処するという感じですね。もちろん組む練習、組まれてからの練習もやっているので、要所要所でコツを掴んでいっているところですけど」
──今回も倒したいという気持ちが強い?
「もちろんです。前回の試合でボディで倒せることは分かったので、次は違う攻撃で倒したいなと思っています」
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強い選手が来たのでよかった
──しかし初参戦から今回と、次から次に強い相手がやってきますよね。
「僕からは『打ち合いが強い選手とやりたい』という希望を出していて、候補も何人かいたんですけど、結局いろんな都合とかもあって。でも、その中でも強い選手が来たので、よかったかなと思います。OFGムエタイをやっていく中では、経験値が上がるかなと思うので」
──そして今回は8角形リングでの試合になります。そこについては?
「金網では、昨年1回だけやったことがありますけどね。通常のリングよりは広いですし、8角形ということで自分も逃げることができるし、相手も逃げられるし…という感じで、リングよりは戦いづらいのかなというのはありますね。でも、練習ではそこは特に意識してはいないです」
──改めて、6月に初めてKNOCK OUTに参戦して、いかがでしたか?
「僕はほとんどK-1 GROUPの大会にしか出たことがなかったので、すごく新鮮でしたし、やっていて楽しかったなと思います。演出とかも違ったし、あと、細かいところではワセリンの扱いとかも違っていて。K-1 GROUPでは、ワセリンを自分で塗ってもよかったんですけど、KNOCK OUTではワセリンを塗る人が決まっていて。そういう点ではONEとか海外に合わせているのかなと思いました。そういう意味でも、これからに向けてもいい経験になりました」
──この試合の発表会見あたりの発言では「KNOCK OUTでも活躍していきたい」という風に、以前とは少し方向が変わってきたように思います。そういう意識が強くなったということですか?
「ONEにも行きたいですけど、まずはしっかりKNOCK OUTでもやっていきたいと思っています。もちろんKNOCK OUTを踏み台にするとかではなくて、ここで試合を積んでいきたいと言う感じですね」
──そうなると、KNOCK OUTの日本人選手との対戦も期待されるところですが。
「今後はKNOCK OUTでは60kgでやっていきたいと思っていて、やるからにはベルトも狙っていきたいので、その中で日本人選手だったり、外国人だったりというのは分からないですけど、ベルトに絡んでいく試合がしたいと思っています」
──KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級となると…。
「久井大夢選手がベルトを持ってましたけど、返上してライト級に上げてしまったので、他はそんなに目立つ選手とかはいない感じかなと。REDだと、55kgのスーパーバンタム級は粒が揃ってるなと思いますけど」
──今大会はカード発表の時点から、山口元気代表が「軍司選手の試合をメインにする」と明言していました。久しぶりの後楽園で、メインでの出場になりますが。
「僕は最後に後楽園でやった時(2020年9月)、メインで負けてしまっているんですよ。いい思い出がなく終わってしまっているところ、久しぶりの後楽園でメインなので、今度はいい形で終われるようにしたいです。KNOCK OUT2戦目でメインということで、期待されているのは分かっているので、しっかりその期待に応えられるような試合をできればと思います」
──気持ちの中では、「KNOCK OUTの選手」ですか?
「そうですね(笑)。もうK-1をやめてKNOCK OUTに出ているので、『KNOCK OUTファイター』として、次もKNOCK OUTらしい試合をできればと思っています」
──多くの選手が「KNOCK OUTの顔になる」とか「自分が引っ張っていく」という発言をしたりしていますが、そういう点については?
「僕はKNOCK OUTを背負うというよりは、『軍司泰斗』という一人の選手として活躍していきたいという思いが強いです。それはKNOCK OUTに限らず、どこのリングに上がったとしてもそう思っているので」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「前回できなかったヒジをしっかり当てて倒そうと思っているので、そこに注目してほしいです。前回以上に調子がよくて、いけるんじゃないかなと思っているので」