2025年9月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館と11月15日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催される『K-1 WORLD MAX』の記者会見が、7月1日(火)都内にて行われた。
会見の第2部では、9月大会に出場が決定した選手として元K-1クルーザー級王者シナ・カリミアン(イラン)が登壇。カリミアンはK-1ルールの無差別級で試合をする予定で、対戦相手は調整中。
宮田充K-1プロデューサーは「母国が大変な状況なので、本人からメッセ―ジを発したいとのことで参加してもらった」との説明がされた。
カリミアンは「またK-1に戻ってくることが出来て嬉しく思っています。ご存知のように、今イランは厳しい状況となっています。K-1での試合を糧に、困っている方々を勇気付けられると思っています」と挨拶した。以下は記者との質疑応答。
イランの人を勇気付けたい
――前回のRIZINでは初めてのMMAルールの試合を勝利しましたが、振り返ってみての感想を。
「キックボクシングのキャリアはK-1ファイターとしてスタートしました。K-1に対する思い入れと忠誠心があります。今回はRIZINでK-1ファイターとして戦い、MMAだろうが誰でも倒せる、私がベストであることを証明できたのが嬉しいです」
――MMAの練習は、どのくらいやってきたか?
「MMAの練習は、たったの2週間で終わりました。MMAには柔術、レスリング、打撃といろいろな技術があってどれも難しい。私の一番の強みはハート。ハートの強さがあれば戦うだけなので、MMAだろうがK-1だろうが同じです。だからこそ、そこに足を踏み入れました」
――またMMAで見たいという声もあるが。
「RIZINファンやK-1ファンから、そういった声が出ているのは嬉しく思います。私のMMAの師匠から『小さいグローブでMMAのルール、相手はMMAで11勝をあげている。そんな選手に勝てたのは誇らしいこと。偉大なことだ』と褒められました」
――9月は誰と戦いたいか。
「相手は誰でもいいと思っています。強ければ誰でもいいです」
――母国イランは、イスラエルとの紛争があるなど大変な状況だが、どんな思いがあるか?
「私のファイトを通じて、イランの人を勇気付けたい。強い選手を連れてきてください」
――イランは戦争がある国。どんな幼少期を育ったのか。
「私は、裕福でも貧しくもない家庭でした。2018年にK-1から呼ばれて人生が変わりました。チャンピオンになることができて、ファイトマネーで家族やイランの人たちを助けることができました。その意味でも、K-1には感謝しています。あまりこの場で言いたくないのですが、じつはファイトマネーは私のためではなく、イランの方たちへの寄付と家族のサポートのために使っていました」
――身近に戦争があることについては、どう思っているか。
「戦争はとても悲しいもの嫌いなものです。戦争で犠牲になる家族もいますし、高齢者、子ども、いろいろな人が巻き込まれてしまいます。平和へ向けての武力行使ではなく、会話を通して平和になることを願っています」
――個人的にアメリカやイスラエルに対して、どんな感情があるか。
「私は政治家ではなくファイターなので、その話題に触れるべきではないと思っています」
宮田P「シナ選手は、反則王というイメージがありますが、今年は世界平和をテーマに戦っていくと話していました。そこは色眼鏡で見ないで、イランのために戦っていくシナ選手を応援してください。シナ、反則しないよね?」
「大丈夫です! 私は、ナイスガイです」