MMA
レポート

【修斗】8戦無敗の20歳・永井奏多がダイキライトイヤーを初回TKOで世界バンタム級暫定王者に。宇藤彰貴はパク・ジョンジュンのパウンドにTKO負け、連勝3でストップ

2025/05/26 14:05
 2025年5月11日の福岡、5月18日の東京に続き、プロ修斗3週連続開催の大トリを飾る、5月25日(日)『プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2025 Vol.5 in OSAKA』GORILLA HALL OSAKAのメインイベントにて、世界バンタム級王者・斎藤奨司(FIGHT FARM)の防衛戦延期に伴う「暫定王座決定戦」が浪速の地で争われた。 ▼修斗世界バンタム級暫定王座決定戦 5分5R〇永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)同級2位 8勝0敗1分[1R 4分52秒 KO]×ダイキ・ライトイヤー(修斗GYM神戸)同級1位・環太平洋王者 11勝13敗3分  トップコンテンダー、そして現環太平洋王者のダイキ・ライトイヤー(修斗GYM神戸)が暫定王座戦出場。無敗の20歳、永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)とベルトを争う。  ダイキは、2013年にプロデビューして以来、決して順風満帆なキャリアではなかったが、過去最大のチャンスが訪れたのが、2024年に行われた「環太平洋フェザー級王座決定トーナメント」へのエントリー。1回戦は川北晏生の欠場で不戦勝となり、12月にいきなり野瀬翔平との王座決定戦に駒を進める。  結果はフルラウンドに渡る激闘の末、野瀬のギロチンチョークを凌いだダイキが下からの蹴り上げを効かせて打撃で反撃。上位ランカーの野瀬にランク外のダイキライトイヤーがスプリット判定で勝利を収めた。  格闘技の醍醐味とも言えるまさに映画の様な結末で第13代環太平洋王者となり、伝統のベルトを腰に巻いた。  対する永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)は2025年3月の後楽園ホール大会で最も戦いたくない男“ゾンビ”の異名を持つ前環太平洋王者・藤井伸樹(ALLIANCE)を相手に判定3-0で完勝。デビュー以来無敗の7連勝と記録を伸ばし、3月発表の世界ランキングでは2位に浮上する大躍進を見せた。  日本のトップファイターが集う“練馬長南組”で切磋琢磨し、過酷な環境で揉まれ鍛えられた弱冠二十歳の若者は既に大器の片鱗を漂わせている。“春の大阪決戦”のメインは勢いに乗る両者による世界戦。『黄金の階級』に新風を吹き込むのは無敗の永井か? それともダイキライトイヤーが地元関西で2度目の奇跡を起こすか? 世界王座を懸けて浪速の地で激突となる。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央を取る永井が左ジャブを見せる。左で前に出る永井に首相撲ヒザのダイキが左に回る。左フックを突いた永井をかわしたダイキが放す。  右ローのダイキに右を合わせに行く永井。再び距離を詰めてきた永井に、ダイキは跳びヒザ。受け止めてケージに押し込む永井。ケージ背にしたダイキはヴァレリーキックを突く。  右に抜けて間合いを取り直した左ジャブのダイキに右ロー、左ジャブを当てた永井。ワンツーを伸ばすダイキは、永井の詰めに右テンカオ。永井の右に右を返す。右ローの永井。左ジャブを押し込むようにして間合いを作るダイキ。  右に回るダイキを追って右を突く永井は左ジャブ、そこに左ヒザを突くダイキ。左ジャブの相打ち。圧力をかける永井は右ストレートをヒット。左ボディ、左フックには、ダイキが左ジャブを返す。さらにケージ背にしながらカウンターを狙うダイキは縦ヒジ。左ボディストレートを突き、左跳びヒザも。  そこに左フックをかぶせにいく永井は下がらず。右に回るダイキを追うと、ダイキは首相撲右ヒザ、永井は右で差して離し際に右を突く。  初回から消耗戦の動きのある展開。中央で左ジャブを突くダイキ。永井はなおも詰めて右ロー。右ボディ、左フックのコンビネーション。永井の右をかわして組んだダイキが押し込むと、永井がそのままテイクダウンを許してしまう。  下の永井は立ち上がり。正対して体入れ替え、左右フック。プッシングして突き放すダイキに、なおも詰めて左ボディ、左フックのダブルの永井。  腹を効かされたか、ダイキはダブルレッグに入るが、切られて下に。立たずにシッティングで来いと招くが、インサイドガードに入っていく永井はパウンド! 三角絞めを狙うダイキの蹴り上げもさばき、パウンドからハーフになり左を打ち込む!  残り30秒、両足をさばいた永井がサイドに。ダイキは鉄槌連打を受けながらハーフにするも足は効いていない。永井は左を連打。亀になって立とうとするダイキを永井はサイドバックで腰を右手で抱えて、左を連打! 初回残り8秒でレフェリーが間に入った。ケージのなかで永井を大きく抱き上げた長南亮TRIBE代表。  8勝無敗1分で修斗世界バンタム級暫定王座のベルトを巻いた永井は「戦ってくださったダイキライトイヤー選手、ほんとうにいい選手で、この会場もダイキ選手のおかげですごく盛り上がって、対戦してくださり、ありがとうございました。遠くから応援に来てくれた人たち、家族のお父さん、お母さんは今日誕生日なんですけど、『母の日』に自分、試合前に何もできなくて、こうして誕生日にベルトをプレゼントできて、ほんとうに良かったです。いつもありがとうございます。  でもここまでのベルトじゃ『まだ物足りない、喜べない』って言われちゃうんで、もっとデカい、世界のUFCのベルトを目指して、僕はもっと頑張るんで。もっと強くなって力をつけて、この格闘技界の頂点に立つんで、これからも応援よろしくお願いします」と語った。  現修斗世界バンタム級正規王者は齋藤奨司。永井は統一戦へと向かうか。 [nextpage] 宇藤彰貴がパク・ジョンジュンの強いパウンドにTKO負け ▼フェザー級 5分3R〇パク・ジョンジュン(韓国/Team Geek MMA)[1R 2分41秒 KO]×宇藤彰貴(日本・同級世界6位/ゴンズジム)  宇藤彰貴(ゴンズジム)は、フェザー級の“ネクストモンスター”の異名を誇る。これまでに8戦して7勝しており、その勝ち星の全てをKOで飾り、フェザー級で俄然注目される存在となった。  特筆すべきは100%のKO率を誇る打撃スキル。勝負所を見極めてからの爆発力はフェザー級で右に出るものはおらず、前回行われた齋藤翼(総合格闘技津田沼道場・FIGHT FARM)との一戦では開始わずか14秒で圧巻のKO劇を披露。その殺傷能力と勢いが“ホンモノ”であることを証明した。  そんな宇藤は今大会で韓国のパク・ジョンジュン(Team Geek MMA)と初の国際戦を迎えることとなったのだが、Black Combat Champions Leagueで1勝1敗のジョンジュンとの試合を単なるチューンナップファイトと位置付けていると足元をすくわれることもあり油断は禁物。今後熾烈を極める上位陣と対戦、その先にあるタイトル戦を見据える上でも“ネクストモンスター”宇藤が真価を問われる一戦を迎える。  1R、宇藤はサウスポー構え、オーソのパク・ジョンジュンは左回り。中央を取る宇藤は強い左ハイ! しかしその蹴り足を掴んだパク・ジョンジュンがそのままシングルレッグでテイクダウン。背中を見せて立とうとする宇藤を崩すと、宇藤はガードを取ろうとしたか仰向けに下に。  ハーフ気味に潜りから左足で跳ね上げようとした宇藤だが戻したク・ジョンジュンが左足も越えてマウントに。ケージを両足で蹴ってのブリッジで返した宇藤は立ち上がり。そこにガードで引きむク・ジョンジュンを左ヒジを押しつけがらスラム!  クローズドガードのパク・ジョンジュンに、中腰からヒジ、右パウンド。ケージにパク・ジョンジュンの頭を押し付ける。パク・ジョンジュンは下から右腕を掴んで腕十字に。うつ伏せで伸ばそうとするが、ヒジを抜いた宇藤が鉄槌。  首に腕を回す宇藤だがバックには回れず。左を被弾しながらケージ背に立つパク・ジョンジュンは左で差すと、宇藤は右小手も、パク・ジョンジュンは右の小外刈で四つからテイクダウン!  イージーに倒れた宇藤。下から左手を押し込み右足を首もとにnかけて三角絞めへ。しかし左足を組めず。ケージに押し込み、右のパウンドのパク・ジョンジュン。右で腰を抱いて右手首も掴むと、宇藤はまたもケージを蹴ってスイープを狙うが、戻されて下に。  ケージに足をかけたことで亀になって立つ姿勢にない宇藤の身体が伸びたところで、サイドバック気味にパク・ジョンジュンは左の強いパウンドを脇下、上から打ち分け。アッパー気味にもらった宇藤の意識が飛び、レフェリーが間に入った。 [nextpage] 杉本静弥が左フックからパウンドで1R KO勝ち ▼第7試合 フライ級 5分3R
◯杉本静弥(同級世界7位/THE BLACKBELT JAPAN)56.5kg
[1R 0分25秒 KO]
※左フック→パウンド×山本壮馬(パラエストラ和泉)56.6kg[レフェリー]鍋久保雄太 ※左ストレートを効かせた杉本が山本の組みを切って、山本の立ち際に左フックを当ててダウンを奪い、パウンド。 ▼第6試合 フェザー級 5分3R
◯轟轟(総合格闘技道場コブラ会)65.6kg
[1R 4分03秒 リアネイキドチョーク] 
×グ・ジユン(修斗GYM神戸)65.4kg[レフェリー]片岡 誠人※右ストレートでダウン奪い、パームトゥパームでRNC ▼第5試合 新空手/Stand up提供試合 キックルール ヘビー級3分3R
×小池 翔(誠空会)92.5kg
[判定 0-3]
◯伊藤 叶人(吉塚道場)101.2kg[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]鍋久保 雄太 27-30(1R 10-10/2R 7-10/3R 10-10)豊島 孝尚  27-29(1R 9-10/2R 7-10/3R 10- 9)朝武 孝雄  27-29(1R 10-10/2R 7-10/3R 10- 9) ▼第4試合 新空手/Stand up提供試合 キックルール 58.5kg契約3分3R
◯THE ROCK MFC(MFC MUAY THAI FIGHTER CLUB)57.7kg
[2R 2分24秒 TKO]
×白鳥光希(正道会館KCIEL)58.4kg[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]鍋久保 雄太 1R 10- 9豊島 孝尚  1R 10-10朝武 孝雄  1R 10-10 ▼第3試合 新空手/Stand up提供試合 OFGキックルール 67.5kg契約3分3R
◯有馬伶弍(龍生塾)67.2kg
[判定 3-0]
×井原浩之(HADES WORKOUT GYM)67.3kg[レフェリー]片岡 誠人[ジャッジ]豊島 孝尚 30-28(1R 10-8/2R 10-10/3R 10-10)安芸 佳孝 30-27(1R 10-8/2R 10- 9/3R 10-10)朝武 孝雄 30-27(1R 10-8/2R 10-10/3R 10- 9) ▼第2試合 フライ級 5分2R
◯龍城(修斗GYMS直心会)56.6kg
[1R 1分03秒 アームロック] ×南 裕人(Volcano柔術&MMA)56.6kg[レフェリー]鍋久保 雄太※龍城の右ハイをかわして向き直り際に南が右を当ててダウンを奪う。下の龍城は、腰を切って腕十字狙いから、南の頭のみを横三角に固めてアメリカーナ
 ▼第1試合 バンタム級 5分2R
◯中島 陸(ゴンズジム)60.8kg
[1R 1分42秒 リアネイキドチョーク]
×松岡琉之介(MASTER JAPAN YAMAGUCHI UBE)60.9kg ※松岡のシングルレッグを切って背中に乗ってスタンドのままRNC。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント