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インタビュー

【KNOCK OUT】再挑戦の津崎善郎「今まで彼とは10Rやってますけど、『これはやべえな』と思ったのなんてひとつもない」

2025/05/15 15:05
【KNOCK OUT】再挑戦の津崎善郎「今まで彼とは10Rやってますけど、『これはやべえな』と思ったのなんてひとつもない」

クンタップと3度目の対戦に挑む津崎(C)KNOCK OUT

 2025年5月18日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2025 vol.3』(U-NEXT配信)にて、KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王者クンタップ・チャロンチャイ(タイ/TEAM KUNTAP)に再び挑戦する津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 昨年12月、2度目の対戦では先制ダウンも奪いながらの判定負けを喫し、半年足らずでの再戦に改めて燃えている。その胸中とは?

今までで一番イラついてるんです


──前回のクンタップ戦についてのお話は、2月の蛇鬼戦の前にもお聞きしましたし、会見などでも話されていますが……。

「はい、あの試合の時、中継の実況・解説の方たちが言っていた通りですよ。『津崎が優勢だ』と。僕もそうだったとずっと思っています」

──そこから蛇鬼戦でいい勝ち方ができて、今回の再戦、タイトルマッチにまた辿り着いたわけですが、先日、SNSでクンタップ選手の煽りVでの発言について、少し荒れていましたね。

「はい。クンタップ選手が『調子に乗るな』って言ってたヤツですね。試合前にこんなにイラついてるのは初めてです。言ってるのはタイ語だから、正確にそう言ってたのかは分からないですけど、その内容にはちょっとイラッとしました。KNOCK OUTの映像班の人たちはうまく作るなあと思いましたね(笑)。それに乗せられてるのは分かってるんですけど(笑)」

──もともと前回の試合も含め、「そうはいかないぞ」という思いは強かったと思いますが、それが余計に熱くなった感じですか。

「そうですね。前回はダウンも一つ取りましたし、優勢だと思いながら試合を進めていて、勝ったと思ったんですが判定はあんなことになって、『これじゃダメなのか』と。本当に倒さないとダメなんだなと認識できました。ぶっちゃけ、どの試合も倒しには行ってるんですけど、本当に殺しに行くじゃないですけど、そのぐらいの気持ちでいかないといけないんだなと思いました」

──しっかりトドメを刺さないとダメだと。

「はい。会長とか上の年代の人たちからも『倒さないと勝てねえよ』と言われました。やっぱりタイ人は何だかんだ、見せ方もうまいしゲームを作るのがうまいから、倒さないとダメだと」

──ただ、前回も最初から攻めていって早い段階でダウンも獲ったし、基本的に試合の中でやることは同じ、という感じですか?

「まあ、基本的に同じは同じですね。ただ、もっとアグレッシブに行こうと思っています。今回は前回よりもラウンド数も短いですし」

──前回の試合の後、REDのタイトルマッチは5Rから3Rになりましたし、判定基準もインパクトを重視するという方向に変更になりました。その基準改定の、一つのきっかけになったのが12月のクンタップ戦というのはあると思います。

「そうなんですよ。ジムでも『ルールを変えた男』と言われています(笑)。まあでも、それだけでもあの試合の価値はあったのかなと思います。ただ改定前の基準でも、僕の勝ちだったとは思っているので、それを改めて徹底したということなのかなとは思うんですよね。もともとムエタイとは基準が違うと思うので」

──結果、ラウンド数の変更も基準の改定も、津崎選手にいい方向に働いている?

「ラウンド数はぶっちゃけ3でも5でもどっちでもいいんですけど、判定基準については僕に有利かなとは思います。油断は一切ないですけど、客観的に冷静に考えても、クンタップ選手の打撃で倒されるとは思ってないですし。今まで彼とは10Rやってますけど、『これはやべえな』と思ったのなんてひとつもないですから。煽りVでは『KOする』と言ってましたけど、何でKOするつもりなのかな? と思いますよ。くっついてくる首相撲と、ペチペチ当ててくるヒザは、今回は通用しないですから。もし向こうがパンチで来るんだったら、僕は全然打ち合いますし」

──そこは自信があるわけですからね。

「向こうも必死に来ると思いますけど、打ち合いになったら不利だというのは分かってると思うので、どうするのかなとは思いますけど。まあナメてはいないし、頭の中ではいろんな状況をシミュレーションしています」

──あと今回は、12月と違ってオープンフィンガーグローブ(OFG)での試合になります。2月の蛇鬼戦は初のOFGでKO勝ちでしたが、実際にそれでやってみてどうでしたか?

「やっぱりディフェンスのやり方がちょっと違うなと思いましたね。グローブが小さいからガードの間をすり抜けて入ってくるし、ブロッキングで防ぐのは難しいのかなと思いました。自分の攻撃についてはあんまり変わらないかなという感じですね。グローブが小さくて軽いので、ハンドスピードは上がるかなと思いますけど、そこまで大きな違いはないです。この前、4分ちょいしかやってないですしね」

──今回勝てば、本当に正規王者ということになります。そこについては?

「僕の最初のタイトルマッチはREBELSのスーパーウェルター級で吉田英司君と(2019年10月)で、次が匡志YAMATO選手とのWBCムエタイ王座決定戦(2021年7月)、そしてクンタップとの試合が2回あったんですけど、クンタップとの1戦目の時は本当にノドから手が出るほどベルトが欲しかったんです。でも今は、そこまで欲しいという気持ちは正直ないです。ただ、このままクンタップ選手がKNOCK OUTのチャンピオンでい続けたら、盛り上がらないなというのはあります。僕がチャンピオンになった方が盛り上がるし、面白くなるんじゃないかなと」

──では、KNOCK OUTのために自分が勝たないといけない?

「そう思います。だってクンタップ選手は試合してないじゃないですか。僕が8試合してる間に、彼は2試合しかしてなかったですから。もう高齢だし…それは人のことは言えないか(笑)」

──「今はノドから手が出るほどベルトが欲しいわけではない」というのは、ベルトが手に入るという自信が以前より増しているからじゃないですか?

「それはありますね。自信はあるし、以前にも言っていたように、今が自分史上最強だと思ってますから」

──あとはリングで実行に移すだけと。

「ただ、一つだけ不安なことがあって。最初にも言った通り、今までで一番イラついてるんですよ。こういうのは初めてなので、これがいいのか悪いのか分からないですね。対戦もののゲームとかだって、イラついてたら負けるんですよ。だから本番は平常心で臨みたいなと思っています。まあ、飼い犬と散歩して気持ちを落ち着けるので、大丈夫だと思いますけどね」

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

「今回、3回目の対戦で、3試合ともタイトルマッチなんですけど、本当にお互い『もうやりたくない』と思っているので(笑)、しっかり白黒つけたいと思います。そこに注目してほしいです」

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