2025年5月18日(日)大阪府立体育会館・第2競技場(エディオンアリーナ大阪)『Krush.175~in OSAKA~』(夜興行)のメインイベントにて、Krushスーパー・ウェルター級タイトルマッチ3分3R延長1Rで、アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場)の挑戦を受けての初防衛戦に臨む小田尋久(TEAM3K)のインタビューが主催者を通じて届いた。
小田はフルコンタクト空手出身で、2021年11月にプロデビュー。“マッスルタンク”のニックネーム通りのムキムキボディの持ち主で、空手の蹴り技にプラスしてパンチの強打を持つ。Krushには2023年2月から参戦し、2024年5月の第5代Krushスーパー・ウェルター級トーナメント準決勝で森田奈男樹をKO、8月の決勝で璃久を破って同級王座を獲得した。10月にはストーヤン・コプリヴレンスキーに挑み、ダウンを奪う大健闘の末に延長Rで判定2-1の惜敗。2025年2月、デング・シルバにダウンを奪われ追い上げるも判定2-0で惜敗した。戦績は8勝(4KO)3敗。
空手で言うド突き合いみたいな白熱した戦い
──昨年の8月にKrush王座を獲った後は、ストーヤン・コプリヴレンスキー戦、デング・シルバ戦と大きな戦いが続いていますが、その2試合を今、振り返ると?
「負けてしまったのはちょっと悔しいんですけど、いい経験にはなったと思うし、ここから自分が外国人選手に対してどう戦っていかないといけないか、自分の強みをどうやって生かしていかないといけないかっていうのを、もう一回しっかりと考えさせられた試合ではありましたね。やっぱり自分の目標としても、そういう海外選手に対して立ち向かってなぎ倒していくっていう戦いをしていきたいなと思ってるので。そうするにはどうすればいいかというのを、その負けからしっかりと考えさせられたという試合でした」
──そのために、もっと必要だと思った部分というのは、どういうところですか?
「フィジカルを生かしてガンガン前に出ていくというところが自分の強みやと思うんですけど、前回のデング・シルバ戦では、そうやって出ないといけないのに、相手のペース、相手の距離で戦ってしまったりしたので、相手の戦い方に持っていかせずに、どう自分の戦いに持っていけるかというところを考えて練習しています」
──チャンピオンになってから強豪外国人との対戦が続いて、チャンピオンらしい気分を味わうような期間がなかったんじゃないですか?
「そうですね(笑)。でもやっぱりチャンピオンになったから上からものを見るとかいう感じじゃなくて、僕は常に何かに立ち向かっていきたいタイプなので、強い相手とどんどんやっていきたいので、別に『俺がチャンピオンや』みたいな感じは全然なくて。逆にそういうのがない方が、僕にとってはいいかなと思うんですよね。ずっと挑戦する気持ちを持って戦っていける方が、自分も強くなれるし、成長していけるかなと思ってるので」
──そういう小田選手の気持ちを汲み取って、運営はアビラル・ヒマラヤンチーター選手を挑戦者に選んだのかもしれません。
「そうだったらありがたいです。でもここはKrushという舞台で、Krushは自分がチャンピオンとして今いるところなので、しかも今回は大阪大会でもあるし、さらにメインイベントでもあるし、『このKrushにおいてはお前がしっかり締めろよ』っていう気持ちでアビラル選手を当ててくださったのかなとも思います」
──ただ、チャンピオンになって防衛戦を重ねていく上で、アビラル選手がチャレンジャーとして来るというのは、全く予想外だったのでは?
「確かに、思ってもなかったですね。でも、タイトルがかかってなくても、いつかやるんちゃうかなとは思ってはいました。しかもアビラル選手とやったら、メッチャ熱い戦いができるんちゃうかなとも思ってたので。今回こうやって、大阪大会のメインイベントでできるというのは、メチャメチャ盛り上がる試合ができるんちゃうかなと思ってます」
──アビラル選手の印象や、気をつけるべきところというと?
「身長があって上から叩き落とすようなパンチとか、細かいカーフキックだったり、与座キックみたいな感じの蹴りとかもあって、飛び蹴りとかも使ってきますよね。攻撃力はメチャメチャあると思ってるので、そこは警戒しています」
──身長差については?
「まあでも、190cmのデング選手よりは小っちゃいんで。そこは同じぐらいなんかなっていう感じで、デング選手とアビラル選手だと戦い方も全然違うと思うので、そこはまたちょっと別個に考えるというか、身長差についてはそこまでないですね」
──自分としては、どう戦ってどう勝ちたいと思っていますか?
「どれだけ会場を盛り上げられるかというのもあるんですけど、これがKrushのチャンピオンやぞっていう戦い、壊し合いを見せたいですね。別に偉そうにしてるわけじゃないですけど」
──それをするにはいい相手ということですよね。
「はい。やっぱり空手で言うド突き合いみたいな白熱した戦い、会場も盛り上がる戦いが予想できます」
──何度も出ているように、大阪のメインですしね。
「そうっすね。しかも今回は昼夜興行の夜の部のメイン、完全にKrush大阪の大トリっていう形なので、『ここはお前に託したぞ。来年、再来年と、どんどんやっていくためにも、お前がここで魅せろよ』って言われてる気がしたので。こういう形で組まれたってことは、ホンマにブチ上げて締めくくりたいなと思ってます」
──しかも、近藤魁成選手をセミに追いやってのメインですよ。
「そうなんですよ!(笑) Krushでは1回、魁成君と同じ日に試合したんですけど、その時は僕が先で、魁成君が後だったんですよ。今回は連チャンで、しかも魁成君の次に僕っていう形なんで、最後の2試合でどれだけ盛り上げられるか、自分も楽しみやし、会場のお客さんも楽しみにしといてほしいなと思います」
──普段、ジムでもスパーリングとかしているそうですし、2人で盛り上げようという気持ちはかなり強そうですね。
「はい。今回のKrush大阪に関してはもう、僕ら2人がもうMVPとして最後を締めたいっていう気持ちがメチャクチャあるんで、魁成君も僕もメチャメチャ気合い入ってます」
──ここで防衛するということは、イコール連敗も脱出して、ここからまた波に乗りたいんだと思いますが、その先についてはどう考えていますか?
「去年あったWORLD MAXの70kgトーナメントがまた開催されるかもしれないので、絶対そこにエントリーして、頂点に立ちたいっていうのがまず一番直近の目標で、そこからさらに海外選手と戦ってなぎ倒していけるように成長して、最終的には70kgだけじゃなくてキックボクシングのトップに立っていける選手になるということが最終目標なので、そこに向けてまだまだどんどんやっていきたいなという気持ちです」
──また最近、K-1 GROUPは選手の出入りがいろいろあったり、レオナ・ペタス選手たちの「RibelLion」みたいな動きもあったりしますが、そのあたり、小田選手はどう見ていますか?
「あんまりよく分かってないっすね、僕は(笑)。『RibelLion』については、『何してんのやろう?』みたいな感じで。まあ、そういう盛り上げ方もあんのかなあって思いますけど、僕はやっぱり、会場に来てるお客さんに自分らの戦いを見てもらって、盛り上がって興奮してほしいっていうのがやっぱ一番にあるんで。戦いで胸を熱くさせたい、燃え上がらせたいというのが一番なんで、そういう意味では、何かそこまで気にしてないというか。あと、いろんな選手が契約終わって離れていったりしてますけど、それやったら70kgの強豪選手を世界中からどんどんK-1に呼んできてもらって、そういう選手たちと戦えていけたらいいかなとも思ってます」
──同時に、もっと自分の知名度とかバリューも上げたいですよね?
「そうっすね、上げたいんですけど、SNSは苦手なんで(笑)、今後どうしたらいいかなっていうのはホンマにずーっと思ってますね。マッスル・キャラでいくのは変わらないんですけど、他に何かないかな? みたいな」
──そこは相変わらず課題なんですね(笑)。
「たぶん、一生の課題やと思います」
──それこそ、RibelLion入りすれば変わるのでは?
「僕がですか? 僕はちょっと合ってないでしょ?」
──いや、分かんないですよ。新しい道が開けるかもしれないし。
「いやあ…犬が好きで飼ってるんで、そこはいいかなと思うんですけど、それ以外がちょっとよう分からんので…」
──犬を飼ってるんですか。
「はい。もうメチャメチャかわいいですよ」
──じゃあもうRibelLion入りの資格十分じゃないですか(笑)。まあそれはともかく、では最後に、改めて今回の試合への“決意”を教えていただけますか?
「今回、大阪Krushのメインイベント、締めくくりっていうことで、メチャメチャ気合入ってるんで、会場に来られる方は大声援をお願いします。そして配信で見ようと思ってくれてる方も、しっかり画面越しで僕の試合とその前の魁成君の試合を大注目でお願いします」
──あれ、何か忘れてませんか?
「あー、いっつも忘れるんですよね…(笑)。僕と魁成君の試合を応援お願いしマッスル!」