他団体選手を相手に初防衛戦に臨む大谷(C)KNOCK OUT
2025年5月18日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2025 vol.3』(U-NEXT配信)にて、K-1グループの大沢文也(ザウルスプロモーション)を挑戦者に迎え、初防衛戦を行うKNOCK OUT-BLACKライト級王者・大谷翔司(スクランブル渋谷)のインタビューが主催者を通じて届いた。
昨年12月にタイトルを獲得した大谷にとってはこれが初防衛戦となるが、4月20日には大沢が車に跳ねられるという事態が勃発。しかもSNS上でそれを気遣うコメントをしたところ、大沢の怒りまで買ってしまった。そんな状況の中、王者・大谷が思っていることとは?
人としては一気に興味がなくなった

──SNS上で大沢文也選手と、ちょっと妙なことになっていましたが、試合に向けての気持ちには影響はないですか?
「ああ、ありましたね(笑)。いや、影響は全くないです。自分的には、大沢選手に対する怒りとかはリスペクトする気持ちには全く関係ないですし、結局自分との戦いだと思っているので、左右されることは全くないです」
──大沢選手は「事故で3メートル吹っ飛ばされた」と書いていましたが、当日は万全の状態で来てほしいという気持ちは強いですよね?
「そうですね。僕はあの事故の書き込みのことを、知り合いに言われて知ったんですけど、次の対戦相手としては何かしらのリアクションをしなくてはいけないなと思ったので、どちらかというと言葉を選んでリアクションしたつもりだったんですけど、それに対して『状況も知らないのに、その言葉は取り消してください』みたいなことをゴチャゴチャ言ってきて、朝起きたら、目がチカチカするぐらいの長文DMが来てたんですよ(笑)。ほとんど読んでないですけど、それを見た時にドン引きして、『やっぱり変わってるな』と思って(笑)。『すみませんでした。試合頑張りましょう』みたいな大人の対応で返したんですけど、人としては一気に興味がなくなったというか」
──人としては(笑)。
「確かに選手としてはいい選手だと思ってるし、だからこそリング上で対峙して勝負するんですけど、人としては僕が勝ったなという感じですね(笑)」
──ただ、2月大会の試合後の対戦要求といい、その後の記者会見といい、大谷選手が調子を狂わされている場面が多いような気がするんですが。
「でも今回の件で、それが途切れたんじゃないかと思っていて。最後のリアクションもないし、たぶん向こうとしては僕を怒らせて、DMで駆け引きをして、それを表に出したかったんだと思うんですけど、僕の対応に『あ、コイツ、思ったより大人だった』と感じたんじゃないかと思うんですよね。今回の僕の反撃にも、何一つ言ってこれてないですし」
──なるほど。
「たぶん、向こうは僕が大沢選手の知名度を利用していると思っていて、『それには乗らないぞ』という感じに見せたいんだと思うんですけど、実際はそうじゃなくて、単純に言い返す言葉がなかっただけだと思っているので、流れはここで変わったんじゃないかと思っています」
──では、その点でも強い気持ちで試合に臨めそうですね。
「そうですね。ブレることはないですし、先ほども言ったように結局は自分との勝負なので、そのへんの成長も見せていかないといけないかなという感じですね」

──大谷選手は王者としては、戴冠から5カ月で初防衛戦ということになります。思ったより早いなという感じですが、「防衛」ということについてはどう感じていますか?
「やっぱり、自分にはこのベルトを持って成し遂げたいことがあるんですよ。KNOCK OUT代表としてK-1 GROUPの選手としのぎを削って、KNOCK OUTの強さを証明していきたいと思っているので、そういう意味では本当にこのベルトは必要なので、誰にも渡せないですね」
──それだけ気合いが入っている?
「まあ、気合いはいつも通りという感じです。自分の力を出しきれるように、考えながらやるつもりです」
──よく「初防衛戦はタイトル奪取より難しい」と聞くことがあります。「追う立場の方がモチベーションを高く保ちやすい」だったり、「王座を獲って知らず知らずのうちに守りに入ってしまう」というような理由からだとは思いますが、それについては?
「そういう意味では、自分は大丈夫かなと思いますね。もちろんベルトを守りたいという気持ちはありますけど、それ以上に志高く、見ているところが高いんですよね。ライト級のトップになろうと思っているので。そういう意味では常にチャレンジャー精神を持って日々生活できているので、自分に関しては大丈夫なんじゃないかなと感じています」
──その一つとして、以前に言っていた6月の代々木第二大会への出場も諦めていない? そのためには無傷で勝つ必要もあると思いますが。
「6月の出場は自分の頭にはあるんですけど、やっぱり目の前の試合が大事なので、今はあまり考えないようにしています。目先の勝利にこだわった結果として今があるので、今回も3Rフルに削り合いをするつもりで戦って、結果的に代々木第二に出られたらベストかなと」
──改めて、タイトルマッチのチャンピオンとして、後楽園大会のメインに上がることになると思いますが、そこは?
「やっぱりメインだった2月大会同様、プレッシャーもありますけど、このプレッシャーに負けてたらこの先もないと思いますし、ここは必ず越えられる壁だと思っているし、皆さんの期待にも必ず応えようと思っているので、応援よろしくお願いします、という感じですね」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「『進化』ですね。1年半前に戦っている相手で、自分のスタイルを確立している選手なので、そういう意味では僕の成長が問われるというか、そこがハッキリ出る試合になると思うので、そこを見てもらいたいです。できれば、1年半前のKrushでの大沢戦の映像がYouTubeに上がっているので、大会前にそれをチェックしてもらえれば、もっと楽しめるんじゃないかと思います」



