安保の等身大パネルをヒザ蹴りで破壊し、さらに蹴りを見舞うカリミアン
2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN DECADE』の第1部「雷神番外地」に出場が決まっていた安保瑠輝也(チーム朝倉未来)の対戦相手が、26日(木)都内にて行われた記者会見で発表された。
その対戦相手は、平本蓮が自身のSNSにて明かしていた元K-1 WORLD GPクルーザー級王者シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY)に決定。
安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。
2022年6月の『THE MATCH 2022』でRISEスーパーライト級王者の山田洸誓に勝利するとしばらく試合から離れていたが、今年2月の『BreakingDown』で元K-1ヘビー級ファイターのシリル・アビディと対戦し、KO勝ちすると、5月にRIZINでブアカーオとドロー。9月には宇佐美正パトリックに判定勝ち。戦績は26勝(14KO)5敗1分。
当初、安保はライアン・ガルシアとのボクシングマッチが決定していたが、ガルシアが負傷欠場。安保は22日に行われた記者会見に電話で参加し、「俺は今回ライアン・ガルシアと戦うためにボクシングで2カ間ずっとやっていたからルールはボクシングにさせて欲しいけれど、誰とでもやるから。連れてきてください」と朝倉未来軍への加入を表明していた。
カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。同王座は2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れて手放したが、2021年3月のダイレクトリマッチでK-JeeをKOし、王座を奪還。その後は、反則勝ちも含めて5連勝。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でKO勝利も準決勝でクラウディオ・イストラテに敗れる。2024年3月、初防衛戦でリュウ・ツァーにKO負けを喫し、王座を手放した。10月にイストラテと再戦したが無効試合、12月14日の木村太地戦も無効試合に。200cm、105.8kg。戦績は16勝(8KO)4敗2無効試合。
試合はRIZINスタンディングバウト特別ルール(パンチのみ)2分6R、100kg契約、判定決着ありで行われる。当日の体重差が気になるところだが、“全身ヒール”と呼ばれるカリミアンが3連続無効試合とならないかが心配される。
会見にリモートで出席した安保は「みんなが見たい試合かどうかは自信持って言えないが、エキサイティングな試合をして必ず反則王をリングに沈める」とKO宣言、カリミアンは「今回はチャンスをくれてありがとう。BLACK ROSEとして頑張りたい。K-1の試合は無効試合で終わってしまったが最後に花火を上げたい。頑張ります」とコメントし、安保に向かって中指を突き立てた。
◆シナ・カリミアン(SINA ARMY)
1988年1月23日、イラン エスファハーン出身
身長:200cm、体重:100.0kg
13歳からブルース・リーに憧れてカンフーを始め、その後キックボクシング、ムエタイを習う。アマチュアで400戦以上を経験、多数優勝しイランでは“英雄”とも呼ばれる。18年よりK-1参戦。9月、初代K-1 WORLD GPクルーザー王座戴冠。V2後の20年11月、K-JeeにKO負けで王座陥落したが21年3月にダイレクトリマッチで逆転KO勝利によりベルトを奪還。23年9月、K-1 30周年記念無差別級トーナメント初戦でケリム・ジェマイをKOも、準決勝でクラウディオ・イストラテに判定負けを喫し3位に終わる。24年3月、リュウ・ツァーにKO負け。10月、K-1 WORLD GP 2024 無差別級アジア予選でイストラテと再戦した際、後頭部を殴られたとアピールして倒れ込みノーコンテストに。その後、イストラテの決勝トーナメント進出決定に対して10月にKrush会場で抗議し、物議を醸す。12月、緊急代打参戦の第4代Bigbangヘビー級王者木村太地を相手に1Rにダウンを奪うも偶発的なローブローにより木村が続行不可能、2試合連続ノーコンテストとアクシデントが続いている。K-1最強のヒールとして大晦日のRIZINに乗り込む今回、階級下の安保をその豪腕に沈め、全てを奪い去るか。
◆安保瑠輝也(MFL team CLUB es)
1995年10月29日、兵庫県出身
身長:180cm、リーチ:185cm(73inc)
体重: 69.0kg
幼少期より弟の璃紅とともに空手で実績を残す。小学5年時にK-1を目指しグローブ空手に転向。12年8月のKrushでプロデビュー。19年6月、K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者ゲーオ・ウィラサクレックに延長判定勝利で第4代王者に輝くも、自らダイレクトリマッチを志願。12月に再び接戦を制し初防衛に成功した。20年9月、3度目の防衛戦で山崎秀晃に1R KO負けで王座陥落。21年9月、第2代K-1ウェルター級王座決定トーナメント決勝戦で野杁正明に3R KO負け。連勝後の22年6月、THE MATCH 2022でRISEの山田洸誓に判定勝利。23年5月、初参戦のRIZINで元K-1王者ブアカーオ・バンチャメークと引き分け。木村ミノル戦が相手のドーピング陽性で頓挫すると、大晦日にMMAに初挑戦するも久保優太に1R一本負けを喫した。今年7月、負傷欠場の鈴木千裕に代わりマニー・パッキャオ戦のチャンスを掴むと、世界6階級覇者をぐらつかせる場面も創出し、ドロー決着ながらも「判定なら安保勝利」という声も上がるほどの善戦を見せ、パッキャオからもその実力に太鼓判を押された。出場停止中の問題児ライアン・ガルシアとの対戦が延期となるなか、重量級のカリミアンをKOし大晦日の会場を誰よりも沸かせるか。