MMA
レポート

【PANCRASE】栁川唯人が名田英平に初回TKO勝ち、鈴木悠斗が小川道的を初回TKO、敢流が岡田を右ハイ→パウンド「実力だけで上がって行く」、岸田が菅に初黒星つける、ギレルメがエグい腕十字! 時田が砂辺をTKO

2024/12/15 12:12
 2024年12月15日(日)東京・ニューピアホールにて昼大会『PANCRASE 350』(U-NEXT配信)が開催された。昼のメインイベントのラジャボフ以外は、『PANCRASE 350』、夜の『PANCRASE 351』ともに全選手が計量をパスしている。 『PANCRASE 350』速報 ▼フェザー級 5分3R×名田英平(総合格闘技道場コブラ会)9位・2019年NBT同級優勝 13勝9敗2分 66.15kg[1R 3分21秒 TKO] ※マウントヒジ〇栁川唯人(K-PLACE)11位・2023年NBT同級優勝 5勝1敗 65.95kg  手術から1カ月の時を経て、9月の立川大会で糸川義人に判定勝ちで見事に試合復帰を果たした栁川唯人。2022年のネオブラ優勝者にフルマークの判定勝利を収めたものの満足はしていない。  一方の赤コーナー、2019年のネオブラ優勝者・名田は、Ryo、キム・サンウォン、三宅輝砂、シュウジ ヤマウチと、強豪相手に厳しい連敗を重ねる泥沼の状況に直面している。この試合での勝利が、名田にとって2025年へとつながる重要な一歩となるか。 名田「今回しっかり作って来たことを絶対出して勝とうと思います」 栁川「骨の髄まで全部食い尽くしてやろうと思っているのでそれを見てもらえればと思います」  1R、ともにオーソドックス構え。右ローが交錯したところでスリップした名田。下から足を手繰ると、柳川も上から足関節に応じてうつ伏せになって足を抜いてすぐに立った名田。  両差し組んだ名田に柳川はケージに押し込みながら、名田の小外がけを外して右小手、右小外でテイクダウンした柳川。  名田の立ち際にバック狙いも、シングルレッグの名田。柳川は右で首を巻くと首を抜いて立つ名田のバックに。後方から左足をかけて崩すと、バックマウントに。  パウンド、ヒジ、リアネイキドチョークを狙いつつ、左のヒジ、パウンド連打! 打たれ続ける名田を見てレフェリーが間に入った。  柳川は「メイン2つ飛んじゃいましたが、任せていただきありがとうございました。来年、タイトルマッチやらせてください」と王座戦をアピール。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇鈴木悠斗(パラエストラ八王子)#12位/2024年NBT同級優勝 6勝0敗 70.65kg[1R 1分50秒 TKO] ※パウンド×小川道的(柔術兄弟/ALIVE伊勢支部)11勝9敗2分 70.25kg  当初、11月10日の『PANCRASE 348』(東京・ニューピアホール)で松本光史との一戦が組まれていた鈴木悠斗だが、松本の練習中の怪我により試合中止。12月15日『PANCRASE 350』で、鈴木が小川道的と対戦することになった。  次々と将来有望な10代の選手がデビューする中、現在そのトップに立っているのが18歳の鈴木だ。初戦こと水杉泰誠に判定勝ちも、上田智大、クリス、原田直人、平信一にいずれもTKO勝ち。わずか1年で5試合をこなし、無敗の戦績を維持している。  年内最後の対戦相手となるのが34歳の小川道的だ。4年前のスタジオコースト大会で葛西和希に判定負けを喫したが、柔術をベースにしながらもパワフルなパンチを繰り出す戦いぶりで、さすがALIVEの名にふさわしい存在感を示した。  葛西戦後は、田中壱季、太田裕稀に判定勝ちし、2021年9月のGRACHANで藤村健悟とドロー、2023年7月に1年10カ月ぶりに復帰し、林陽太にKO負けを喫している。PANCARSEに戻り、再起なるか。経験で上回る道的に対しても、鈴木の猛攻は通用するのか。 鈴木「年内最後の試合でしっかりフィニュシュして。来年海外に羽ばたけるようにフィニュシュします」 小川「この試合に向けていろいろ作って来たのでちょっと楽しみにしていてください」  1R、右を強振する鈴木に小川も打ち合いに応じながら右で差して押し込み。金網背に右ヒザの小川に、左小手の鈴木は払い腰テイクダウン! インサイドガードから強いヒジ、パウンド! そのスペースで立とうとする小川を剥がして座り込む小川に左右を当てて倒してパウンドアウト!  19歳の鈴木は「みんな自分とやりやくないって言って逃げたんで、実質自分がチャンピンじゃないっスかね。これから海外でもやっていきます」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R×岡田拓真(リバーサルジム横浜グランドスラム)3勝 13位 65.9kg[2R 0分54秒 TKO] ※パウンド〇敢流(いさな)(パンクラス大阪稲垣組)5勝 14位/2024年NBT同級優勝 65.9kg  2023年にプロデビューし、上田智大、望月貴史、糸川義人に3連勝を飾った岡田だが、怪我の影響もあり2024年はこれが初試合。まだその真の実力は未知数だ。  一方、敢流は2024年のネオブラフェザー級を制してランク入りを果たし、初のランカー対決へ。山中大門、沢木純也、望月貴史をいずれもTKOに下しており、この試合もフィニッシュで締めくくれば、2024年は全勝フィニッシュ達成の快挙となる。 岡田「いろいろあっていろいろ無くなったんで、覚悟を決めて楽しみたいと思います」 敢流「ひとつ言いたいことがあって、今年のネブラで自分が圧倒的な優勝でMVPに選ばれなかったのは納得いかない。明日は衝撃的なKOで全員見返してやろうと思っているんで応援よろしくお願いします」  1R、ともにオーソドックス構え。大きく構える敢流は左ハイ。岡田は遠間からロー。敢流は前手の左フックをかすめる。左ハイを顔に当てた岡田は左右で前に。組んだ敢流は右で差して押し込み。  金網背にスタンドで首を抱える岡田。クラッチして首を抜く敢流。岡田は体を入れ替え右ヒザ。四つの敢流に右の肩パンチを連打。足も踏んで右ヒザ。2者が岡田支持。1者が敢流を支持。  2R、先に中央取る敢流。左フックの飛び込み。さらに岡田の右に合わせて右ハイ! 前に崩れた岡田は足を手繰りに行くが、いったん立ち上がった岡田を敢流は背後から崩してパウンド連打! レフェリーが間に入った。  敢流はこれで4試合連続フィニュシュ勝利。「大阪から来ました、稲垣組の敢流です。いまの格闘技界はネットとかSNSで注目を浴びているやつばかりですが、そこらへんの中途半端な格闘家と違って僕は実力だけで上がっていくんで、僕に注目してくれたら嬉しいです」と語った。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×菅 歩夢(THE BLACKBELT JAPAN)バンタム級10位/2023年NBT同級優勝&MVP 4勝1敗 57.1kg[判定1-2] ※28-29×2, 29-28〇岸田宙大(パンクラス大阪稲垣組)2024年フライ級ネオブラ準優勝者 3勝1敗 56.9kg  2023年ネオブラ・バンタム級優勝&MVP“宇留野道場の最高傑作”と称される管が、THE BLACKBELT JAPAN移籍と階級変更を経て、2024年フライ級ネオブラ準優勝者・岸田と激突する。  プロデビュー戦の髙杉遼介戦こそ判定勝ちも、以降の寺本雄輝、小原とうや、坂本瑞氣戦はフィニュシュ勝利で4勝無敗の菅は、7月の大阪大会でパンクラス大阪稲垣組で岸田の先輩・秋葉太樹との対戦が予定されていたが、管の怪我で試合は実現せず。  全日本ブラジリアン柔術オープントーナメント茶色帯ライトフェザー級優勝など柔道14年・ブラジリアン柔術8年の柔術家・岸田は、ネオブラ1回戦で今井健斗を三角絞めに極めると、準決勝で金澤臣人に判定勝ち。9月の決勝で山崎蒼空に判定負けで準優勝となっている。今回は自らの手で管を止め、秋葉との対戦を阻む覚悟だ。 菅「しっかり盛り上げる試合をします、応援よろしくお願いします」 岸田「明日はしっかりアグレッシブに最後まで攻め続けて一本狙いますので、応援よろしくお願いします」  1R、岸田のシングルレッグ&小外にスクランブルする管。バック奪い、後ろ三角、腕十字狙いの岸田にまたいで腕を抜く管はスタンドに。ワンツーで詰める管は、岸田のシングルレッグを切って上に。ディープハーフ狙いの岸田を潜らせず管はインサイドガードで細かいパウンド。2者が岸田を支持。1者が管。  2R、岸田のシングルレッグをスプロールした管。フルガードの岸田の三角絞め狙いをかわした管に、下から足関節狙いで立ち上がり。右を振ってのシングルレッグでテイクダウンも、菅もヒザを立ててスクランブルで立ち上がり。  岸田のシングルレッグにキムラで回した管は首に足も巻くが、首を抜く岸田は腕十字狙いからバック、ネルソンで腕狙いも、前に落とした管が最後にパウンド。3者10-9で管。  3R、サウスポー構えの岸田はみたびシングルレッグ&小外がけでテイクダウン狙いも残した管が上に、そこに三角から腕十字も、座った管はヒジを抜きトップに。なおも腰を切り十字を狙う岸田を潰す管に、下から足関節のトランジションでバック狙い。  正対する管に三角絞めは岸田! 組みは逆も座る管にマウント三角でパウンド。菅は首を抜くと、なおもバックにつこうとする岸田。上の取り合いを制したのは岸田。金網背に座る管は立ち上がり。引き込む岸田に正対した管が残り15秒でパウンド。  ホーンに管はマットに大の字に。判定は2-1(29-28×2, 28-29)で極めにこだわり攻め続けた岸田が接戦を制した。 [nextpage] ▼63kg契約 5分3R〇ギレルメ・ナカガワ(ボンサイ柔術)1勝1敗 63.0kg[1R 2分20秒 腕十字]×渡邉泰斗(サツキジム横浜)2勝2敗 62.8kg※平岡将英(KRAZY BEE)は怪我で欠場 ギレルメは『格闘代理戦争』で活躍後、9月のデビュー戦で安藤武尊を相手に1Rから攻め続けたが、2R途中からガス欠となりスプリット判定負け。5分3R戦のスタミナは改善されているか。  平岡将英欠場で緊急参戦の渡邉は現在2連勝中。2023アマチュアMMA全日本選手権 フェザー級オープントーナメントA優勝。2月のネオブラで宮下将に腕十字を極められるも、6月にボンサイ柔術の佐藤ゆうじに判定勝ち。9月の前戦で友寄龍太を3R TKOに下している。 佐藤戦に続き“ボンサイキラー”として3連勝を飾るか。 ギレルメ「明日はとてもいい試合が出来たらと思います。対戦相手の渡邉選手には急遽のオファーを受けていただきありがとうございます」 渡辺「まずはオファーいただきありがとうございます。緊急参戦と言われますが、一日一日積み上げたものがあるので、大番狂わせじゃないけど魅せられたらと思います」  1R、ともにオーソドックス構え。強い右から左をガード上に突く渡邉。ギレルメも右ロー。渡邉はノーモーションの右を打ち降ろす。右ローを突くギレルメ。左ジャブの刺し合いは渡邉で当てる。  圧力をかけるギレルメは金網を背負わせシングルレッグからすぐに脇を潜りバックテイク、腕十字に渡邉はまたごうとしたが、ギレルメはうつ伏せにさせてえげつない角度で極めた。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE)初代・ストロー/フライ/Sフライ級K.O.P. 29勝13敗4分 57.0kg[2R 4分46秒 TKO]〇時田隆成(トライフォース東中野)2勝 57.05kg “Theレジェンド”砂辺光久が、4月の前田浩平戦の判定負けから連続参戦。31年目のパンクラスにその名を刻む時田はデビュー戦で齋藤楼貴に判定3-0の完封勝利を収めたもののフィニッシュが欲しかった。今回は狙い通り決められるか。 砂辺「PANCRASE王になるためにもう一度戻って来ました。以上」 時田「明日は愛と感謝を持ってブッ飛ばしたいと思います」  1R、いきなり中央に走り込んだ砂辺。「ハイブリッドレスリングをやる」という。サウスポー構えの時田はレスリングベース。平田直樹とも練習をしている。  時田のダブルレッグテイクダウンに砂辺は下からニンジャチョーク狙い。それをかわした時田は徐々に登ってパウンド。その際で立とうとする砂辺をパウンドしながらコントロールする時田。両足をフックしてパウンド、バックマウントでアゴ上からリアネイキドチョーク狙い。4の字に組み変えた時田の背後からのパンチに、被弾しながらも砂辺は亀から動いて顔を防御。脇下で腕を挟んで凌ぐ。  2R、中央を取る時田が早々にシングルレッグでドライブ。金網で上体を立てる砂辺の立ち際をバックにつき、4の字でバックコントロール。背後からパウンチを連打。リアネイキドチョークを狙いつつ、バックマウントからのパウンドの連打で砂辺の動きが鈍り、レフェリーが間に入った。時田は試合後「これから僕がフライ級を盛り上げる」と宣言した。 [nextpage] 【中止】 ▼バンタム級 5分3R田嶋 椋(OOTA DOJO)4位/2022年NBT同級優勝・MVP 8勝3敗 61.45kgオタベク・ラジャボフ(TAJMMAF GYM/タジキスタン)1勝 ※62.6kg 体重超過 田嶋「メインイベントとして、しっかりフィニュシュ、KO行きます」  メインイベントが、オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)の体重超過により「中止」となった。ラジャボフと対戦予定だった田嶋椋(OOTA DOJO)は61.45kgで初回計量でパス。ラジャボフは初回計量で62.6kgで体重超過し、2時間以内の再計量の時間はあったが、「もう落とさない」と再計量を拒否。  バンタム級リミットは135ポンド(61.2kg)で、王座戦以外の+1ポンド(0.45kg)規定の61.65kgからもラジャボフは0.95kg体重超過。田嶋陣営はキャッチウェイト戦を承認せず、試合は中止となった。  同大会は当初メインに予定されていたバンタム級王座戦の透暉鷹(日本)vs.カリベク・アルジクル ウルル(キルギス)の両選手が練習中の怪我により試合延期となっていたため、メインイベントが2試合連続で無くなったことになる。 【延期】 ▼バンタム級キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ 5分5R透暉鷹(ISHITSUNA MMA/日本)第5代王者 12勝4敗カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/キルギス)挑戦者 11勝1敗※両選手が練習中の怪我により試合延期に
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント