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【PANCRASE】フライ級・秋葉太樹が大塚智貴に判定勝ち、バンタム級に戻した松井斗輝が矢澤諒を19秒TKO、山口怜臣がバンタム級ネオブラ優勝

2024/11/10 13:11
 2024年11月10日(日)東京・ニューピアホールにて昼大会『PANCRASE 348』(U-NEXT配信)が開催された(※夜大会『PANCRASE 349』詳報はこちら)。  フェザー級で遠藤来生(65.8kg)と対戦予定だったシュウジ ヤマウチが減量中に脱水症状を起こし救急搬送されたため、計量を欠席。遠藤との試合は中止となっている。 PANCRASE 348 11月10日(日)東京・ニューピアホール開場12:00/ 開始12:15 ▼フライ級 5分3R大塚智貴(CAVE)#3位/2021年NBTストロー級優勝 7勝4敗 56.95kg秋葉太樹(パンクラス大阪稲垣組)#4位 12勝14敗1分 57.0kg  伊藤盛一郎の持つベルト挑戦へ向けて、上位ランカーの負けられない戦いが続く。  大塚は、松井斗輝、濱田巧の柏勢に判定負けも、眞藤源太に判定勝ちで再起すると、2024年6月の前戦で山﨑聖哉に2R KO勝ちで2連勝中、  対する秋葉は、王者クラスの相手ばかりに5連敗を喫するも、2024年7月の前戦でボンサイ柔術の氏原魁星に2R TKO勝ちで3年8カ月ぶりの白星を掴んでいる。  硬い打撃と2つのサブミッション勝利を持つ組みの大塚と、殺傷能力高い打撃を持つ秋葉。フライ級の上位生き残りのランキング戦だ。  1R、ともにオーソドックス構え。右ローの秋葉にその打ち終わりに大塚は先にシングルレッグテイクダウン。秋葉はフルガード、ラバーガード狙う秋葉に大塚は腰を抱き、右でこつこつ横腹・背中にパウンド。  秋葉はギロチンも狙いつつ、左ヒジを頭にこする。下から得意の腕十字を狙う秋葉。上体を上げたところを固めて鉄槌連打。大塚も離れてパウンドで飛び込む。2者が大塚を支持も、1者秋葉支持。  2R、詰める秋葉は四つに組んで小外がけテイクダウン。立ち際にバックを狙う秋葉は着地したところで大塚は正対。  秋葉が右で差して投げに、すぐに立つ大塚に横三角で足を組む秋葉。外す大塚になおも横三角狙いも、大塚はシングルレッグで押し込み。そこに払い腰テイクダウンは秋葉。  大塚の立ちにバックテイクし、正対際にニーオンで鉄槌を落とす。大塚はシングルレッグで尻を着かせるが座る秋葉は残り10秒の拍子木で立ち上がりに。ジャッジ3者が秋葉支持。  3R、左右から右バックフィストで秋葉を崩した大塚。トップを奪うと、秋葉はフルガード。左脇に頭を突っ込む大塚だが、下の秋葉はネルソンから上体を立てところにオモプラッタから三角絞めへ! ここは上体を立てた大塚に蹴り上げでトップを奪い返す秋葉。細かい鉄槌から声を上げて鉄槌に。  残り1分。頭をケージからマット側に移した大塚は蹴り上げも、再びガードの中に入りパウンドでホーン。  判定3-0(29-28×2, 30-27)で秋葉が勝利。フライ級3位の秋葉が4位の大塚を下し、2連勝。フライ級王座戦線に一歩進んだ。  試合後、秋葉は「スカっとしない内容でしたが、また1歩ベルトに近づいたんでまた応援よろしくお願いします」と語った。 ◆大塚「1ミリでも秋葉選手を上回って勝てればいい」 「100%の自分が仕上がったんで。明日は暴れてやるんで期待しといてください。 今回は繰り上がり(※松本光史vs.鈴木悠斗が松本の怪我で中止)という形ではあるんですけど、メインイベントということで、ベテランの秋葉(太樹)選手と戦えることをすごく嬉しく思います。秋葉選手だったら絶対面白くない試合にはならないので、メインイベントを期待してください。お願いします。(秋葉の印象)すごいベテランの経験豊富な選手なんですけど、若手みたいなアグレッシブな試合をする印象ですね。(秋葉戦に向けた練習は)秋葉選手相手に楽な試合とか、きれいな試合ができると思ってないので、1ミリでも秋葉選手を上回って勝つことができたらいいなと。ドロドロの試合になっても勝てるように準備しています。(メインの実感は?)嬉しいことは嬉しいですけど、繰り上がりなんで今のところ、あんまり実感ないっていうか。僕、第1試合を2回やってるんですけど、そっちの方がすごい緊張しましたね(笑)。(インイベンターとしての自覚は)自覚って言われると難しいんですけど、第1試合であろうがメインだろうが、もう本当必死にやるだけです。あんまり試合順は関係ないですけど、さっきも言った通り、秋葉選手とだったら絶対面白い試合になるんで、大いに期待してください。(どんな試合で勝ちたい?)前回みたいなKOになるかもしれないし、本当ドロドロの泥試合で判定になるかもしれないんですけど、さっきと同じ言葉になっちゃうんですけど、秋葉太樹を1ミリでも上回れたらいいなって思ってます。(前回の山﨑聖哉戦は殻を破ったような試合だったが得たものは)そうですね。本当は僕、打撃強いんですよ。でも、それがなかなか試合で出せなくて、自分自身すごく悩んでたんですけど、前回ああいう、いい勝ち方ができたんで、すごく自信にもなったし、これからもすごいKOを見せられると思ってます、自分では。 やっぱり、ノックアウトっていう結果がついたこと、これから上がっていく選手を倒したっていうことでは、だいぶ何か気持ち的には変わりました。すごい自信になりました」 秋葉(※計量後コメント)「お互い譲れないものを奪い合う激しい試合を」 「明日メインに昇格できたので。メインに相応しい、お互い譲れないものを奪い合う激しい試合をしたいと思うので、応援よろしくお願いします」 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×矢澤 諒(パンクラスイズム横浜)#バンタム級8位・5勝6敗 61.25kg[1R 0分19秒 TKO] ※右ヒザ→パウンド〇松井斗輝(THE BLACKBELT JAPAN)#フライ級#8位・3勝1敗 61.5kg  松井斗輝がバンタム級で復帰する。松井は、2024年2月のフライ級の秋葉太樹戦で、減量中に救急搬送され水分等を補給して計量に臨んだものの大幅体重超過。  2024年5月『ROAD TO UFC シーズン3』でも、フライ級で2.7kgの体重超過で、連続で試合が中止となっていた。今回はバンタム級に階級を上げて、2023年12月のムハンマド・サロヒディノフ戦での判定負け以来の再起戦に臨む。  対するは、バンタム級きってのパンチャー矢澤諒。2023年11月の井村塁戦での一本負け以来、1年ぶりに復帰する。  矢澤は、松井と同じくアマチュアボクシングがベースで、5KO・TKO勝ちを誇る。バンタム級の厳しさを教えるか。  1R、ともにオーソドックス構え。先にワンツーの右で前に出る矢澤。松井を下がらせるが、ケージ背に左を合わせにいく松井は、矢澤の打撃をかわしてワンツーから首相撲右ヒザ!  首を掴まれながら右を振っていた矢澤は右ヒザを受けて後方にダウン。そこに松井はパウンドで、すぐにレフェリーが間に入った。  19秒TKO勝ち。試合後、松井は「たくさんの人に支えてもらって、また試合出来ました。またベルトを目指して頑張ります。応援よろしくお願いします」と語った。 (※試合前コメント) ◆矢澤「最初からフルスロットルで」 「試合は絶対会場が盛り上がるような試合になると思うので、皆さん楽しみにしていてください。(松井斗輝の印象)組みも打撃もすごいレベル高く上手い選手だなと思います。(約1年ぶりの試合となった理由)去年の11月の試合で両手ちょっと壊しちゃって、復帰まで1年ぐらいかかっちゃったって感じです。怪我してる期間も試合に向けて準備してたんで、やってやろうかなっていう感じでした。(両拳の状態は)それは僕の拳に聞いてみないと分からないんで、僕からお答え出来ません。(火の出るような打撃が魅力だが、拳を怪我しての変化は?)それで思いっきり打てなくなっちゃうんだったら、それは矢澤じゃないと思うんで、試合を楽しみにしてください。(どんな勝ち方をしたい?)最初からフルスロットルで、しっかりKOします。(周囲から打撃戦を期待されるなかそれに乗るか、それともMMAというのを見せたいか)あんまり考えてないですね。思いっきりパンチを振り回して行きます」 ◆松井「たくさんの方に感謝の気持ちがある。気持ちを見せて全力でやる」 「また試合を組んでくださってありがとうございます。階級を上げて、また一からのつもりで全力で戦います。いろいろ皆さんにご迷惑をおかけして1年ぶりに試合をします。この1年いいことが無かったので、年内に試合をやらせてくほしいっていう自分のわがままを伝えて、11月に決めてもらいました。(階級を上げたのは)フライ級で体重を作れなくて無理だなと思って階級を上げました。フライ級ではキツイっていうことで、 階級を上げてやるしかないっていうので変えました。(矢澤諒の印象)パンチの一発があってパワーある選手だと思います。(バンタム級でどう上がって行きたい?)最初の方(プロデビューから3戦目まで)はバンタム級だったんですけど、次からしっかりまたバンタム級でやるんで、やってみないと分からないですけど、しっかり戦おうと思っています。(どんな試合を?)たくさんの方に感謝の気持ちがあるので、気持ちを見せて全力でやるだけです。(何か変えた部分は?)変えた部分は特に無いんですけど、体重管理だったり体調管理だったり、そういうのを以前よりもしっかりやるようにしました。(この試合の先は?)今回の試合のことしか考えてなくて、とりあえず年内にもう1回試合をやりたいってことで組んでもらったので、勝てばまたランキング入ると思うんですけど、勝ってからちょっと考えます」 [nextpage] 【第30回ネオブラッドトーナメント】 ▼バンタム級 決勝戦 5分3R〇山口怜臣(TIGER MUAY THAI/ALIVE)2勝1敗 61.65kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×荒田大輝(パラエストラ八王子)3勝 61.5kg  2月からスタートした16名参加のNeo Blood Tournament Finals 2024年、黄金のバンタム級頂点はトータルファイターの山口か、組みが強みの荒田か?  山口は宮下将、宮城成歩滝に判定勝ちで決勝進出。荒田は嶺大基を腕十字、目怒頑丈をリアネイキドチョークで極め、準決勝で白井誠司に判定勝ちで決勝に駒を進めている。  1R、ともにサウスポー構え。先にダブルレッグを仕掛ける荒田に、組んでも崩されない山口は突き放し左フック、左カーフ。そこにカウンターのダブルレッグもスプロールして首相撲ヒザの山口。  離れて跳びヒザの荒田はボディロックから大腰でテイクダウン! しかし下の山口はシングルレッグでレッスルアップ。そこに首を巻いて後方に投げる荒田にトップを譲らない山口。スタンドで圧力をかける。ジャッジは1者荒田、2者が山口を支持。  2R、圧力かける荒田に左カーフの山口。しかし下がるも右を当ててダウンを奪った荒田は、ダースチョーク狙い。首を外して立つ山口に押し込む荒田。  突き放す山口はワンツー。ダブルレッグの荒田は金網までドライブ。左小手の山口にバッククリンチからシングルバックで引き込み、ボディトライアングル。マウントに移行し、パウンドもホーン。3者荒田支持。  3R、組む荒田に左ストレートで飛び込む山口。左で差して押し込むが離れる荒田が遠間から飛び込み、切る山口は左カーフ、左フック。荒田のシングルを切りヒザ蹴り。組んで小手投げの打ち合いは両者離れる。  頭を振って左から右に繋ぐ山口。右ボデイを突き、右ヒザで前に。そこにヒザ着きダブルレッグを繰り返す荒田。左の打ち合いからなおも組んでドライブ。しかし体を入れ替える山口がダブルレッグテイクダウン!  頭を抱えて下になった荒田を背中を着かせてパウンドの山口。荒田が身体を起すと右のパウンドで寝かせてパウンドでホーン。  判定は2-1に割れて、29-28×2, 28-29で山口が勝利。ネオブラMVPも獲得した。 ◆荒田「1Rでしっかりフィニッシュしたい」 「ネオブラ決勝としてしっかりフィニッシュして圧倒して勝ちます。(山口怜臣の印象)アマチュアエリートなので、寝技も打撃も両方できる選手だと思います。打撃ができてガーッと来て、寝技を組んでくるというイメージなので、しっかりそれも切って自分の試合をして圧倒的に勝ちたいと思います。(今まで3連勝だが、今回どのように勝ちたい?)1Rでしっかりフィニッシュしたいと思っています。(勝利後の展望は)ベルトを欲しいので、上位のランカーの人とやっていきたいと思います。(若手が台頭してきているパラエストラ八王子勢の同僚から受ける刺激は)すごい刺激あるんで、毎日いい練習が出来ているので、しっかりそれを試合で出せるように自分も頑張って、またジムで盛り上がっていけたらいいなと思っています。(塩田GOZO代表からのアドバイスは)いつも通りやれば勝てるって言われてるので、しっかりいつも通りやって、圧倒して勝ちたいと思います。(名を上げるチャンス?)しっかり強さを証明して、名前をみんなに覚えてもらえたら嬉しいと思ってます。(どこを見てほしい?)自分の寝技、打撃、そうですね、MMA全部見てほしいですね」 ◆山口(計量後コメント)「心技体すべて過去最高」 「今回、心技体すべて過去最高の状態でやってきました。明日は逆にそういうのは考えずにすべて(邪念は)捨ててやり切りたいと思います。お願いします」 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇小原統哉(THE BLACKBELT JAPAN)5勝2敗 61.4kg[判定3-0] ※30-27×3×久保達也(BRAVE GYM/初参戦)2勝1敗 61.0kg [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇山木麻弥(ALIVE)1勝 61.3kg[1R 4分15秒 TKO] ※ヒジによるカット×宮城成歩滝(ストライプル新百合ヶ丘)3勝1敗 61.5kg [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇千種純平(パンクラス大阪稲垣組)5勝 61.05kg [2R 3分18秒 ヒールフック]×宮島夢都希(KRAZY BEE)5勝3敗 61.2kg [nextpage] 【中止】▼フェザー級 5分3Rシュウジ ヤマウチ(TEAM YAMAUCHI)#7位 21勝11敗遠藤来生(Power of Dream Sappor)#8位 14勝11敗3分 65.8kg※ヤマウチが減量中に脱水症状を起こし救急搬送されたため、計量を欠席。試合中止に。
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