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【DWCS】岩﨑大河が最終回にTKO負け、元GLORY戦士ベルガウイのヒザからのラッシュに沈む、ステーリングが左フックTKO勝ちで5連勝

2024/09/11 09:09
 2024年9月10日(日本時間11日朝9時~)米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXにて『Dana White's Contender Series Season8:Week5』(DWCS)が開催された(UFC Fight Pass 配信)。  DWCSは、『ROAD TO UFC』(RTU)と並び、「UFCとの契約を勝ち取るチャンスを得るための特別なプラットフォーム」。RTUとは異なり、基本ワンマッチでUFCにその存在・強さをアピールする場で、試合に勝利するのみならず、その試合内容も問われる。  第5週の第3試合には、空道王者でMMA9勝1敗の岩﨑大河(空道大道塾/パラエストラ東京)が出場。元GLORY戦士ユースリ・ベルガウイ(オランダ)と対戦した。岩﨑は3つのアイポークを受け、ベルガウイが1点減点されるなどストレスフルな試合展開のなか、3Rにベルガウイがヒザ蹴りを効かせてのラッシュで岩﨑にTKO勝ちした。  試合後、デイナ・ホワイト代表は、ニコーレ・カリアーリ(ブラジル)、ジョシアス・ムササ(コンゴ)、ナバホ・ステーリング(ニュージーランド)の3人がUFCと契約したことを発表。岩﨑大河に3R TKO勝ちしたユースリ・ベルガウイは、前回に続きUFCとの契約は見送られている。 Dana White's Contender Series Season8:Week5 速報 ▼ライトヘビー級 5分3R〇ナバホ・ステーリング(ニュージーランド)5勝0敗[2R 2分21秒 TKO] ※左フック×フィリップ・ラトゥ(米国)6勝2敗  1R、ともにオーソドックス構え。右ハイ、右ローを突くステーリング。その蹴り足を掴むラトゥに足を抜くステーリング。  左右の蹴りをジャブのように使うステーリングは左ミドルも。ラトゥは右オーバーハンドで前に。ステーリングはワンツーで押し戻し、左ジャブ。さらに左ハイ。その打ち終わりに詰めてバランスを崩すラトゥ。  立て直したステーリングは右カーフをヒット。さらに右を突いて右で差して押し込みシングルレッグへ。引き出せないと見るや首相撲ヒザからダブルレッグへ。  その投げを外したラトゥが詰めるも互いに力使ったか。再び離れてスタンドに。ステーリングのシングルレッグを切るラトゥ。  2R、右ローから入るステーリングは右ハイ、左ジャブも。左フックは大きいラトゥ。右ローのステーリングに左ジャブを返すラトゥが押し戻すが、ステーリングは左ボディ。  ラトゥのシングルレッグも差し上げると右から返しの左フック! 同時に左を狙ったラトゥにカウンターでヒットし、ラトゥが後方に大の字で倒れ、すぐにレフェリーが間に入った。  ニュージーランドのシティキックボクシング所属のステーリングは、これでMMA5戦無敗に。全試合終了後、ダナ・ホワイト代表からUFCとの契約が伝えられた。 [nextpage] ▼ライト級 5分3Rコディ・スティール(米国)6勝0敗ケムエル・オットーニ(ブラジル)12勝3敗 ケムエル・オットーニが棄権。デイナ代表は「プレッシャーを我々がコントールはできない」とし、コディ・スティールにDWCSで試合を組むとした。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇ユースリ・ベルガウイ(オランダ)8勝3敗[3R 2分34秒 TKO]×岩﨑大河(日本)9勝2敗  ミドル級(83.9kg)の日本人参戦は、9月17日(日本時間18日)の第6週に出場するPANCRASE同級王者・内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)に続く2人目。岩﨑の対戦相手のベルガウイは、元GLORY戦士でMMA7勝3敗。GLORYで現UFC王者のアレックス・ペレイラに勝利したことがあり、ペレイラのトレーニングパートナーも務める強豪だ。  UFC登竜門大会であるDWCSでの戦いに向かう岩﨑は、本誌の取材に、「ワンチャンスでもしっかり掴むために、これまで岩﨑大河という選手のキャリアを作ってきた」と意気込みを語っている。  DWCSは、『ROAD TO UFC』と並び、「UFCとの契約を勝ち取るチャンスを得るための特別なプラットフォーム」。RTUとは異なり、基本ワンマッチでUFCにその存在・強さをアピールする場だ。  今シーズンでも、北米LFAや中国JCK、UAEW、BRAVE CF、Cage Warriors、PANCRASEなど世界各国の王者クラスが、このコンテンダーズシリーズの出場権を得て、さらに勝利とインパクトを残した選手が、UFCとの契約を獲得できる“狭き門”を争っている。  岩﨑は幼い頃から大道塾で空道を学び、『北斗旗全日本空道体力別選手権大会』では2017・2018・2022年260+クラス優勝、2022年11月に開催された『2022アジア空道選抜選手権大会』の270+クラスでも優勝し、同大会のMVPに輝いている。  MMAには、2020年6月から挑戦。PANCRASE、修斗、TTF CHALLENGE、INOKI BOM-BA-YEなどに出場して8連勝をマークも、2022年12月に元Bellator世界ミドル級王者のラファエル・ロバトJr(米国)と対戦し、1Rにキムラロックを極められ、初黒星を喫した。  2023年5月に『北斗旗空道第6回世界選手権大会』に出場すると、270+クラスで優勝。2005年(第2回)大会以来の日本人による最重量級制覇を達成した。2023年9月の前戦では、MMAの再起戦を修斗で行い、キム・ウンスに判定勝ちしている。  岩﨑は、2023年5月の大道塾主管の『空道第6回世界選手権大会』で270+クラスで優勝し、世界王者となると、今後の目標を「大道塾の忘れものを取り返しにいくこと」と語っている。  UFCに初めて出場した日本人選手は大道塾の市原海樹(※1994年『UFC 2』でホイス・グレイシーに敗戦)であり、その後、大道塾から日本人でUFCに参戦した選手はいないため、UFCでの勝利を目指す思いを示していた。東孝初代塾長の永眠から3年半、岩﨑はオクタゴン勝利でUFCとの契約を獲得し、“忘れ物”を取り返しに行けるか。  岩﨑と対戦するユースリ・ベルガウイは、GLORY時代に現UFC世界ライトヘビー級&元ミドル級王者のアレックス・ペレイラと3度対戦し、1勝2敗。2017年4月の初戦で“ポーアタン”ペレイラに判定5-0で勝利し、トーナメント優勝。2017年12月と2018年7月に2度、ペレイラが持つGLORY世界ミドル級王座に挑戦も、KO・TKO負けで戴冠ならず。また、イズラエル・アデサニヤには2度判定負けしている。  2021年1月からキックと並行してMMAでもプロデビュー。UAE Warriorsを経て、2023年8月のコンテンダーシリーズに初参戦。アレックス・ペレイラの元スパーリング・パートナーのマルコ・トゥーリオ(※現在はシュートボクセで練習)のMMAボクシングからのテイクダウンに下になり判定負け。このときは両者ともにUFCとの契約はならず、ともに今シーズンの『Contender Series 2024』に出場の機会を得ている(※トゥーリオは8月28日の第3週でHXMMAミドル級暫定王者のマチュー・リトーと対戦し、2R KO勝ち)。  身長196cm、リーチ201cmのベルガウイは、ペレイラとの第1戦では、オーソからの左の蹴り、パンチを当て、右の鋭いテンカオも見せていたが、コンテンダーズ後の『Levels Fight League』では、テイクダウンを切り、尻を着かされても立ち上がり。さらに相手の組みにヒザを突いてKO勝ちも収めるなど、MMAファイターとしての進化を見せている。  岩﨑とベルガウイはともにプロMMA10戦。ともに打撃競技出身でMMA開始も岩﨑が7カ月早いものの、ほぼ同時期にプロMMA初戦に臨んでいる。ポアタンよりも高身長のベルガウイを相手に、身長185cmの岩﨑は左右どちらでも構えることができるが、ベルガウイも左の攻撃は得意とするところ。  MMAキャリアは似通っているものの、空道の岩﨑の方が早くオープンフィンガーを着けて戦っている。小さなグローブでの突き、蹴り、何よりMMAの組みでいかに元GLORYトーナメント王者を崩すか。  UFCの試合前インタビューで岩﨑は、「大道塾から『UFC2』に出た市原海樹選手から影響を受けました。どうしても日本人は小さい階級が強いと思われているので、中量級でも活躍できることを示したい。1Rから攻めて、ダナにアメージングと言わせたい」と話し、動画では市原とホイス・グレイシ-の1994年の戦いも映し出された。  ビクター・ヘンリーがいるカリフォルニアのCMMAで練習を積んできた岩﨑。長身LFAファイターのルイス・フランシスコネリともスパーリングしてきた。  1R、ともにオーソドックス構え。細かくステップする岩崎は右前蹴りで牽制。まだ遠間。中央を取るベルガウイは右ボディストレート、ジャブを突く。ブロックする岩﨑。ベルガウイは右カーフをヒット。2発目も。さらに右ストレート。左ジャブのダブルを当てるベルガウイ。岩﨑の首を掴む組みを切る。  ベルガウイの近づきに左で差して組んだ岩崎。右ヒジもベルガウイが突き放す。左ジャブを伸ばすベルガウイ。岩﨑は右ローを当てるが、すぐにベルガウイ蹴り返す。  右ミドルが当たる距離に詰めた岩﨑。そこにベルガウイは左前手を伸ばすがアイポークに。再開。前足を伸ばした岩﨑。岩﨑の二段蹴りにベルガウイはスリップ。詰める岩﨑はヒザを突くが、2度目のアイポーク。再開。 「近い、近い」のセコンドの声。左右連打で前に出る岩﨑に、右ボディストレートを突くベルガウイ。岩﨑が前に出たところに右ストレートを当てるとヒザ蹴りをボディに入れる。ベルガウイのラウンドか。  2R、岩﨑の右ローに打ち下ろしの右を合わせるベルガウイ。打ち終わりに4連打で詰める岩﨑だが、さばくベルガウイは強い右カーフ! 押し込み左で差す岩﨑。  足を滑らせたベルガウイにバッククリンチのチャンスの岩﨑も正対したベルガウイ。岩﨑は右を突くと、ベルガウイは右ロー、前蹴り。左で差して押し込む岩﨑のボディ打ちにヒザを効かせたベルガウイ! 離れる岩﨑。左を振って押し込むが組み手を作れず。  なおもワンツーから前に。そこに首相撲ヒザは岩﨑。右前蹴りを腹に突き、前に。頭をアゴ下に置いて詰めて右ヒジも体を入れ替えたベルガウイ。離れた岩﨑は右をヒット! 体勢を崩したベルガウイに組むが、離れたベルガウイがまた左手を伸ばしてアイポークに。この時間で岩﨑はスタミナも戻したい。3回目のアイポークでベルガウイに1点「減点」。岩﨑のラウンドか。  3R、目をしばたかせる岩﨑。右の打ち下ろしを狙うベルガウイに、間合いを詰める岩﨑。左ジャブを突き、右を打ち下ろすベルガウイに岩﨑は前足を上げて近づくが、突き放すベルガウイ。その打ち終わりに組んだ岩崎だが、ケージ際で正対するベルガウイは突き放す。  左ジャブを当てるベルガウイに、左ミドルを返す岩﨑。岩﨑の左ジャブに右ヒザを合わせるベルガウイ。「いま行こう」の声に詰めてクリンチアッパーの岩﨑だが、そこに右ヒザ蹴りを突くベルガウイに、岩崎の身体が止まる。  そこを逃さなかったベルガウイはさらに右から左の二段のヒザをヒット! 下がる岩﨑に左ジャブを連打し、岩崎の組みを剥がして左右アッパーからのラッシュ、さらにケージに詰めたベルガウイは右跳びヒザ、岩﨑も右を打ち返しに行くが、ベルガウイの右ストレートを受けてダウン。3R 2分34秒、ベルガウイがTKO勝ちした。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ジョシアス・ムササ(コンゴ)8勝0敗[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×オタール・タンジロフ(ジョージア)9勝1敗  1R、グローブタッチ前にいきなり右ローのムササ。詰めるタンジロフはボディロック&小外でテイクダウンも立ち際に右ハイ。スリップもすぐに立ち上がり、シングルレッグからボディロック、左ヒザ。  離れたムササはサウスポー構え。右ミドルを当てるタンジロフに左で差して押し込むも離れる。右前蹴りのタンジロフは右ストレートから左。ムササは右ボディストレート。ワンツーで詰めるが、それを掻い潜ってシングルレッグのタンジロフはケージに押し込む。  体を入れ替えるムササ。ワンツースリーのタンジロフは右ミドルまで繋ぐ。圧力をかけるムササは左を強振も、それをかわして組むタンジロフはボディロックから小外がけで崩すが、倒れないムササ。体を入れ替え左を当ててホーン。  2R、サウスポーから前手の右ストレートを当てるムササに、首相撲ヒザを突くタンジロフ。  3R、先に左ローのタンジロフ。ワンツースリーで前に出るもスウェイでかわすムササ。タンジロフはシングルレッグテイクダウンも尻を着くも立つムササが突き放し前に。  ケージ背にするタンジロフ。ムササは左ボディストレート。タンジロフのダブルレッグを差し上げると、タンジロフは押し込みヒザ。ローブローとなり中断。  再開。強烈な右ミドルハイのタンジロフ。続く右ミドルを掴んだムササがテイクダウン。タンジロフの立ち際にリアネイキドチョーク狙いも角度が不十分。すぐに解除し、右で差して押し込み。そこに首相撲ヒザはタンジロフ。  一進一退の攻防。ムササの右ローを掴むタンジロフは押し込み。しかし差し上げるムササが体を入れ替え押し込みパンチ、ヒザ。突き放したタンジロフ。残り1分、右ハイをガード上に当てるタンジロフに左で差して組むムササ。  右小手のタンジロフが押し戻すが、ムササが押し戻してホーン。判定は29-28×2, 28-29スプリットでムササが接戦を制した。全試合終了後、コンゴのムササはUFCとの契約が発表された。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ニコーレ・カリアーリ(ブラジル)8勝2敗[1R 4分45秒 腕十字]×コリンヌ・ラフランボワーズ(カナダ)8勝5敗  1R、右を振ったカリアーリに組むラフランボワズだが、四つからテイクダウンはカリアーリ。立ち上がる両者。  左右を突いて前進のラフランボワズだが、またも払い腰テイクダウンはカリアーリ。ラフランボワズの腕十字狙いを抜いてパウンドに、ラフランボワズは三角絞めへ。  頭を抜いてシングルレッグのカリアーリに、右手首をコントロールしてヒジを落とすラフランボワズ。カリアーリは立ち上がり。  ラフランボワズがボディロックテイクダウン。下のカリアーリはガードから左手首を掴んで腕十字、最後はうつ伏せで極めた。カリアーリは4連勝。全試合終了後、デイナ・ホワイト代表からUFCとの契約が発表された。
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