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レポート

【Krush】大岩龍矢が2度のダウンを奪い涙の初戴冠、盟友・武尊も嬉し泣き。大沢文也がダウン奪っての判定勝ち「俺が連続KOを止める」、新美貴士が圧巻のKO、黒川瑛斗が林佑哉を初回KOで決勝進出、19歳の新鋭・安尾瑠輝が元王者の悠斗をKO、期待の新鋭・村田健悟の秒殺KOで開幕!天野颯大、心直もKOで続く

2024/07/27 18:07
Krush.1632024年7月27日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第9試合)【アロマ空間 Halu presents】Krushライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R×伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ/王者)判定0-3 ※26-30×3〇大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)※大岩が第10代王座に就く。伊藤は初防衛に失敗。  2014年11月の新生K-1旗揚げ戦のプレリミナリーファイト第1試合を務めた伊藤は3連敗を喫した後、2022年6月に階級をライト級に上げて初戦で南雲大輝に2RKO勝ち。9月は弘輝に判定で敗れるも12月は鈴木翔也に判定勝ち。2023年2月には堀井翼から得意の右フックでダウンを奪って判定勝ちした。7月にはK-1でティントーンからも判定勝ち。2023年9月のK-1横浜大会で里見柚己をKOし、2024年2月に里見が保持するKrushライト級王座を懸けての再戦でもKO勝ちして王座に就いた。今回が初防衛戦。戦績は15勝(5KO)12敗4分。  大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。2021年11月には第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。2023年は6月に横山朋哉に判定負けしたが、12月にライト級に階級を上げると篠原悠人を初回でKOした。2024年2月には弘輝に判定勝ちし、2連勝で王座に挑む。戦績は25勝(9KO)10敗。  1R、伊藤は右カーフ、大岩も右カーフを蹴る。両者とも相手のカーフでバランスを崩す中、伊藤はショートの右フック。大岩も右フックをガードの隙間からねじ込む。大岩が前へ出て打ってくるところに伊藤は左フック。大岩は右ボディを叩き、右カーフから右フック、また右カーフ。伊藤はガードを固めて右カーフ。そのガードの上からでも大岩が強打を叩き込み、優勢に初回を終えた。  2R、一気に距離を詰めた大岩が左右フックと左ミドルハイ。伊藤は左右フックと右カーフで迎え撃つ。伊藤は右カーフを連打、大岩は前へ出て右を叩き込む。伊藤はジャブ、右フックも出すが徹底して右カーフを蹴る。大岩は前へ出て圧をかけながらの右フック。そして、伊藤が右カーフを蹴った直後に大岩が右フックを打ち抜き、ダウンを奪った。  仕留めに行く大岩に伊藤はガードを固めながらもジャブ、右ストレートを打ち返す。大岩は圧をかけて左右フックの乱れ打ちと右カーフ。伊藤はコーナーを背負い、ガードを固めてこのラウンドを凌いだ。  3R、前に出て右カーフと左ミドルを蹴る大岩に伊藤はジャブ、右カーフ。伊藤の打ち終わりに右フックを強振する大岩。これが何度もヒットし、ついに2度目のダウンを奪う。伊藤は得意の右フック、右ストレートで逆転を狙うが、大岩の左のガードは堅く、打ち終わりの右フックをヒットさせる。さらに右ハイキックも。  ポイントリードしている大岩だが逃げ切ることはせず、前へ出て伊藤との打ち合いに応じる。両者思い切り右を振り回しての打ち合い。場内が大いに盛り上がる中、試合終了のゴングが鳴ると大岩は歓喜してリングに寝転ぶ。そこへ満面の笑みを浮かべた盟友・武尊が駆け寄り、大岩を祝福。  30-26の判定が読み上げられるたびに、セコンドの武尊も泣き顔になっていき、大岩も顔をくしゃくしゃにする。渡辺正和トレーナーも泣き顔となり、大岩の戴冠を喜んだ。  大岩は「これ夢じゃないですよね? 4カ月くらい前から勝ったり負けたりの夢を見て、毎日つらくて悔しくて眠れなかったんですけれど、大応援団、この最高のチーム、いつもサポートしてくれている人たちのおかげで最高の幸せをかみしめています」と大喜び。  そして「チャンピオンというのは団体を背負って示していかないと思っていて、今まで言いたいことややりたいことが言えなかったので、これからはSNSを活用してやりたいことをめちゃくちゃ言うので期待してください。僕が王者になったからにはK-1、Krushを盛り上げていきます。僕は名古屋出身なのでまずはKrush、K-1を持っていくので名古屋大会をお願いします。名古屋の観光大使を狙っています」とアピールした。 試合後、大岩は「まだ夢みたい。試合が決まってから今日まで何百回も夢見て。だから夢みたいな感じで。戦略はタイに行っていたので返しのミドルとかロー、ハイキック、ジャブ当てて前へ圧力かけていくって感じでしたね。でも試合内容は覚えてないですね。カーフは効いたけど一発目で耐えられると思って、効いたふりしてワンツーを打たせようと思った。足をバタバタさせていたのは歩幅を合わせるためにやっていました。歩幅を合わせて軸をしっかりさせるためでした」と試合を振り返った。 [nextpage] ▼第8試合 Krushライト級 3分3R延長1R〇大沢文也(ザウルスプロモーション/第7代Krushライト級王者)判定3-0 ※30-28、29-28×2×ペットサムイ・シムラ(タイ/志村道場/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者)  大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2022年4月に瓦田脩二を破り、第7代Krushライト級王座に就くも2023年6月の初防衛戦で1月に無効試合となった里見柚己との再戦に敗れ、王座を失った。前戦は2024年3月に友尊に判定勝ち。戦績は31勝(3KO)21敗3分1無効試合。  ペットサムイはエークピカートから改名。2013年3月に初来日し、石井宏樹が保持していたラジャダムナンスタジアムのスーパー・ライト級王座に挑戦。強烈なヒジ打ちで石井をマットに沈めて、同王座を手に入れた。頑丈な肉体とパンチ・ヒジ打ちで前に出る好戦的なスタイルで189勝(45KO)43敗6分の戦績を誇る。2022年12月のK-1初出場では与座優貴に判定負け、2023年2月にはKrushで横山朋哉に判定負けしている。5月のHEATではチョン・ウチョルを初回KOした。  1R、左右ローを蹴っていく大沢にペットサムイは蹴り足をキャッチしての攻撃を連発してしまい、注意を受ける。大沢は前へ出てくるペットサムイをプッシュで押し戻しての左ボディブロー。ジャブを突いての左ボディブローを当てていく。  2R、大沢はプッシュしての右アッパー、前蹴りとジャブでペットサムイを下がらせようとするがペットサムイはガードを固めて前へ出ていき、密着しての右ボディ。超接近戦を仕掛けてくるペットサムイに、大沢がプッシュしての左ハイキックでダウンを奪う。立ち上がったペットサムイは左右ロー、左右の強打、さらに強烈な左ミドルを蹴って逆襲。  3Rも前に出てくるペットサムイ。大沢をコーナーへ詰めて右の強打を叩きつけてくる。大沢は体勢を入れ替えて左右ボディ。前進して左右のローを蹴るペットサムイを大沢は押し戻しての左ボディ。ペットサムイは前進を繰り返して右アッパーを突き上げ、左右ローからまた右アッパー。大沢の右ボディにも右アッパーを返してくる。大沢はプッシュからもう一度左ハイ、顔面雨蹴り。前へ出るペットサムイをプッシュし、最後は蹴りで突き放して試合終了。  ダウンを奪った大沢が判定勝利をもぎ取った。大沢は右足を引きずりながら「めちゃ今回気合い入っていて。どうしても打ち合ってやろうと思っていたけれど、途中でダウンとってからは自分の弱さが出てしまいました。アップしていた時に武尊と松倉が邪魔してきて、ピリピリした気持ちがなくなりました(笑)」と武尊と松倉信太郎に責任をなすりつけて笑いを取る。  続けて「明日試合がある新居すぐるにいいプレッシャーをかけられたと思います」と明日のRIZINで試合がある新居にメッセージを送り、「KOの流れを俺が止める、俺が判定で勝つ。僕みたいなつまらない試合をする選手がいるから他の試合が盛り上がる」と、今大会の連続KOをストップしたことを“俺らしい”と語った。 [nextpage] ▼第7試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R〇新美貴士(名古屋JKファクトリー/第5代Krushフェザー級王者)KO 2R 1分46秒 ※3ノックダウン×竹内将生(エイワスポーツジム/BOMフェザー級王者)  1R、さっそく距離を詰める新美に竹内は右ミドルからの右ストレート、左フックで迎え撃つ。新美も左ミドルを蹴っていき、左ローで奥足を狙う。竹内は左へ回り込みながら前へ出る新美へテンカオ。新美は右へ動いて竹内を右へ回らせて左右フックと左右ボディ。  2Rも距離を詰めていく新美に竹内はテンカオ、新美は左ミドルを蹴り、左インローを蹴って右フックからの左ストレートでダウンを奪う。左フックを打ちながら左へ回り込もうとする竹内に新美は左インローを蹴りながら追いつめて左フックで2度目のダウンを奪う。  立ち上がった竹内は前へ出る新美と打ち合うが、新美が左フックで3度目のダウンを奪ってKO勝ち。  新美はマイクを持つと「昨日は娘の誕生日だったので(笑)。竹内選手強くてヤバいと思いました」と、愛娘にKO勝ちのプレゼントを贈れたことを喜んだ。 [nextpage] ▼第6試合 第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント準決勝(1) 3分3R延長1R〇黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 1R 2分29秒 ※3ノックダウン×林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン)※黒川が決勝戦へ進出。  黒川は2022年5月にプロデビューすると5戦目まで負け無しだったが、2023年10月の6戦目で大久保琉唯に初黒星。2024年3月、鵜澤悠也を左ストレートでKOして再起を飾っている。伸びる左ストレートと大きく振り抜く右フック、思い切りのいいパンチが武器で戦績は5勝(1KO)1敗1分。  林はRKSバンタム級王者、ジャパンカップキックボクシング同級王者のタイトル歴があり、ホーストカップやイノベーションに出場。2024年1月からKrushに参戦。坂本寿希に判定勝ちして初陣を飾ると、6月には白幡太陽をKOしている。戦績は16勝(12KO)5敗4分。  1R、右ミドルと右ローを蹴る林に、サウスポーの黒川はまっすぐ伸びる左ストレート。黒川は左ストレートからの右フック、右アッパーも放つ。黒川が右フックのフェイントからの左フックでダウンを奪う。  黒川はここで焦ることなく右フックからの左ストレート、三日月蹴り。右アッパーからの右フックで2度目のダウンを奪うと、最後は左フックでダウンを奪い鮮やかなKO勝ち。決勝戦へコマを進めた。 「どうですか、これがバンタム級です。本当は白幡選手と峯選手の試合と見て比べてもらってどっちが勝つか予想して下さいと言いたかったけれど、白幡選手のエキシビションの試合と僕のこの試合を見てどっちが強いのか考えながらでも10月楽しみにしていてください。僕がベルトを巻くので楽しみにしてください」と黒川はアピール。  白幡は「エキシとこの試合を比べないでください。10月の決勝戦、メインだと思うけれど生まれて初めて母親が会場に来た時に、いつか兄と同じ興行に出て勝つ姿を見たいと言われたので、前座になるかもしれないけれどお兄ちゃんも出してもらって、10月は2人で白幡兄弟の日にするので、いいお酒が飲めるような試合をするので見に来てください」とアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 エキシビションマッチ 3分1R―璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス/Krushスーパー・バンタム級王者)勝敗なし―白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス/初代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)  当初、白幡は峯大樹(若獅子会館)と第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント準決勝を争う予定だったが、峯が減量中の体調不良でドクターストップがかかり欠場。不戦勝となり、同門の先輩・璃明武とエキシビションマッチを行うこととなった。  蹴り合いとパンチのコンビネーションでそれぞれ見せ場を作った両者。観客から煽られながらのエキシビションを終え、璃明武は9月のK-1トーナメントで優勝宣言、白幡は「勝つのはわかっていたんですが不戦勝というのは皆さんに申し訳ないと思っています。10月は必ず優勝します」と優勝宣言した。 [nextpage] ▼第4試合 Krushフライ級 3分3R延長1R×悠斗(HUNGRY GYM/第3代Krushフライ級王者)KO 3R 1分39秒 ※左ボディ〇安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード/第3代DEEP☆KICK -51kg王者)  1R、軽快なフットワークから左右フックを叩き津得kる悠斗に、安尾は左ハイ、左ロー、飛び二段蹴りと蹴りを多用する。悠斗の強烈な左ボディが決まると安尾は動きが止まり、悠斗はボディを狙い撃ち。悠斗の左右フック強打を警戒する安尾はブロックを固めるが、ボディを打たれる。安尾は左インローで対抗。  2R、安尾はワンツーとハイキック&ローキックを織り交ぜながらどんどん前へ出ていく。悠斗は隙を見て左フックを打ち込む。左ミドルと前蹴りでボディを攻める安尾に悠斗は左ボディ。安尾は右ローを連発して、ステップで回り込もうとする悠斗にすぐ距離を詰める。右ローをキャッチしてしまう安尾。  3R、左右ボディを打つ悠斗に距離を詰める安尾は後ろ蹴り、後ろ回し蹴り、さらにローキックと蹴りで攻め、逆に左ボディも打つ。明らかにパンチ力がなくなった悠斗は近距離でパンチを繰り出すが、身体を開いたところで逆に安尾の左ボディをもらって悶絶ダウン。安尾が元王者をKOしてみせた。  安尾はマイクを持つと「今回は悠斗選手にXで試合をしたいと申し込みました。受けてくださってありがとうございました。悠斗選手は元Krush王者なので、次は大夢選手と試合をさせてほしいと思っています」と、現フライ級王者の大夢への挑戦を宣言した。 [nextpage] ▼第3試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R〇心直(REON Fighting Sports GYM/第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)KO 1R 2分34秒×矢島直弥(TSKjapan/元WPMF&蹴拳日本フライ級王者)  1R、サウスポー同士。じりじりと前に出ていく心直は左ミドルと前蹴り。矢島はスイッチしながらカーフを蹴っていく。  心直は矢島のパンチに左ハイキックを合わせ、棒立ちとなった矢島に左右フックの連打を浴びせてダウンを奪い、矢島は何とか立ち上がるも足元がフラフラ。レフェリーがストップをかけ、心直のKO勝ちとなった。  心直はマイクを持つと「去年ベルト取ってからずっと勝てなかったんですけど1年ずっとやってきて悩みながら試合して、病気になっちゃって試合が出来なくて。1年半ぶりくらいに報われた気がします。公約通り2時間くらい話させてもらおうと思います。嬉しすぎて泣いちゃったんですけれど、こんなところで満足してないので。この後のバンタム級トーナメントの皆さん、頑張ってください」と、本当に2時間喋る勢いだったが、宮田充Krushプロデューサーより「せっかくいいKOしたんだからこの辺でまとめた方がいいと思います」と言われ、マイクを締めくくった。 [nextpage] ▼第2試合 -63.4kg契約 3分3R延長1R×友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)KO 2R 1分44秒〇天野颯大(キング・ムエ)  1R、ローの蹴り合いから始まり、友尊が左右フックを放つと天野も応戦。終盤には天野が左右のパワフルなフックと蹴りのコンビネーションで友尊をコーナーへ詰める。  2Rになると天野が左右フックで友尊をロープへ釘付けに。止まらないラッシュで追いつめる天野に友尊も打ち返すが天野の攻撃は続く。スタンディングダウンを重ね、最後は天野が連打で友尊を仕留めた。  天野はマイクを持つと「僕も急遽だったんですけれど体重を合わせてくれた友尊選手ありがとうございました。しっかり覚えて帰ってください。僕はまだまだこんなもんじゃないので」とアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇村田健悟(ALONZA ABLAZE)KO 1R 0分35秒 ※左ボディブロー×ゆいら(NJKF健心塾)  1R、村田が右カーフと左ミドルの蹴りで先制。後ろ蹴り2連発で会場を沸かせるが、空振りしてコーナーに詰まる。そこへゆいらが連打を見舞うが、しっかりブロックした村田が左ボディをめり込ませ、一撃でゆいらを悶絶させた。  村田はマイクを持つと「最近他の階級で盛り上がっているけれど、スーパー・バンタム級には村田健悟がいてるんで覚えておいてください。K-1大阪大会、おもろい試合するので強い相手用意してください」とアピールした。
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