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【Bellator】王者パトリシオ“ピットブル”がケネディにダウンを奪われるも逆襲のTKO勝ち防衛、エドワーズがジェフリー下す。イーゴがギャラガーにテイクダウン&パウンドで判定勝ち=『Bellator Champions Series: Belfast』速報中

2024/03/23 05:03
 2024年3月22日(日本時間23日)、英国・北アイルランドのベルファースト・SSEアリーナにて『Bellator Champions Series: Belfast』(U-NEXT配信)が開催された。 ▼Bellator世界フェザー級選手権試合 5分5R〇パトリシオ・ピットブル・フレイレ(ブラジル)王者 36勝7敗[3R 4分07秒 TKO] ※右ストレート→ラッシュ×ジェレミー・ケネディー(カナダ)挑戦者 19勝4敗※パトリシオが2度目の王座防衛  Bellatorパウンド・フォー・パウンドにしてフェザー級絶対王者のパトリシオ・ピットブル・フレイレ。40戦以上のキャリアのなかでBellator史上最多試合数、最多勝利数、最多フィニッシュ数の記録を築き、それを自ら更新しながら現在も王座に君臨し続けるリビング・レジェンドであり、過去にはライト級との2階級王者に。  3階級制覇を目指したセルジオ・ペティスが持つバンタム級王座への挑戦は失敗。2023年7月の前戦『超RIZIN.2』では緊急参戦の70kg契約で鈴木千裕に敗れている。  挑戦者のジェレミー・ケネディはBellator、PFL、UFCの全プロモーションで勝利を挙げてきた素晴らしい実績を誇る。エクストリーム・クートゥアで最強の現バンタム級王者パッチー・ミックスらとしのぎを削る。  直近の5試合ではアダム・ボリッチ以外に負けなし&現在3連勝中。注ベルファストでキャリア最大のチャンスを掴みたいケネディと、2月のチャンプvs.チャンプではピネド欠場により機会を逃したPFLとの対抗戦や、ショートノーチスでKO負けを喫したRIZIN同階級王者鈴木千裕へのリベンジなど王者として果たすべき使命を数多く抱えるピットブル。軍配はどちらの手に?  1R、ともにオーソドックス構え。向き合うと身長差14cmが際立つパトリシオとケネディ。  圧力をかけるパトリシオは先に右ローを3度! ケネディの左に右をかぶせにいくパトリシオは右カーフ。じりじりと詰めて、右カーフ。ケネディは左ミドルハイでけん制もガード上。  右ミドルをかすめるケネディに左右ローのパトリシオ。左ハイで前に。体を入れ替えるケネディは頭から胸に突っ込み、バッティング気味に。再開。右カーフを打つパトリシオ。さらに右ロー! ケネディは左ジャブ。左ミドルを返す。  2R、オーソから左ミドルハイはケネディ。しかしパトリシオは右カーフ。さらに左フックでステップイン。右を当てるケネディは前に。右回りのパトリシオはケネディの右の打ち終わりに右を狙う。  右カーフを返すケネディ。パトリシオも右カーフから右ストレート。左のダブルから組みに行くケネディだが、組ませないパトリシオは右カーフ!  ケネディはダブルレッグもそこにギロチンチョーク狙いのパトリシオ。ケネディは尻を着かせて立ち際に脇を潜ろうとするが、金網使い立つパトリシオ。ケネディは左ヒザを突くがローブローになる。中断。再開。ケネディの左右ハイをパトリシオがかわしてゴング。  3R、ジャブから入るパトリシオ。ケネディも左ジャブから前に。しかし右をかぶせにいくパトリシオ。右カーフにケネディは回転する。  パトリシオの右カーフに合わせたケネディの左にダウンしたパトリシオ! すぐに立つが、左アッパーで詰めるケネディ。パトリシオは左額から出血か。  クリンチから離れたパトリシオを詰めるケネディは右跳びヒザも。しかし、ワンツーの右を当てたパトリシオは一気に金網まで詰めて、左右ラッシュ! ケネディの足への組みをすぐに剥がして左右ボディ打ち!  ガードを固めて動けないケネディにヒザ蹴り、さらに右ヒジ連打! 左右ラッシュでケネディがダウン! ケネディの左にフラッシュダウンを奪われたパトリシオだったが逆転のTKO勝ち。  試合後、パトリシオは「相手はタフだった。スーパーファイトをやりたい。RIZIN王者のクレベル・コイケを倒した。PFLチャンピオンと戦いたい。そしてフェザー級のUFC王座を狙う。さあ、やろう。一番強い145ポンドを決めようじゃないか。アーロン・ピコ、次はお前だ!」と語った。 [nextpage] ▼Bellator世界ライトヘビー級選手権試合 5分5R〇コーリー・アンダーソン(米国)18勝6敗[判定3-0] ※49-46, 49-46, 50-45×カール・ムーア(アイルランド)12勝3敗  パウンド・フォー・パウンドのワディム・ネムコフのヘビー級転向により返上されたベルトをかけた一戦が今大会のトリを飾る。  Bellatorライトヘビー級王座に実に3度目の挑戦となるコーリー・アンダーソンは元ディビジョン3・オールアメリカン・レスラーで、ブラジリアン柔術黒帯。そんなMMAのトータル・パッケージと呼ぶべきファイターである以上は、チャンピオンとして歴史に名を刻みたい。  地元の北アイルランド・ベルファスト出身のカール・ムーアは4連勝中で、過去8試合中7試合で勝利を収めている。キャリアで最も重要な一夜を迎えるにあたり、ムーアは観客の後押しを受けるだろう。カール・ムーアは下馬評を覆し、ベラトール史上初のアイルランド人チャンピオンになることを決意している。  1R、オーソドックス構えのアンダーソン。サウスポー構えで左ストレートを当てて左ハイで前に出るムーア! 組みにチェンジしたアンダーソンは右を振ってダブルレッグテイクダウン! 下から左で差してハーフのムーアに、右で差し返して寝かせるアンダーソン。  2R、互いにミドルの打ち合いから先に組むアンダーソンはシングルレッグテイクダウン。下からシングルでレッスルアップするムーアにがぶるアンダーソン。ムーアは頭を抜くと、アンダーソンは左を差して押し込み肩パンチ。  さらにシングルレッグへ。差し上げるムーアだが金網背に。ブレーク。左ストレートのムーアに、アンダーソンはワンツーを返すとシングルレッグ。差し上げるムーア。  3R、ムーアのハイキックをかわして最初の1分でテイクダウンを奪うアンダーソン。金網に詰めてこつこつパウンドも、クローズドガードのムーアは下から腕十字! アンダーソンはいったん腕を伸ばされかけるが、またいで抜けて上に。亀になってから背中を譲らず立ち上がったムーア。ブレーク。ワンツーの左で詰めるムーア。アンダーソンはダブルレッグで金網まで押し込んでゴング。  4R、ムーアの左ストレートに合わせてシングルレッグを金網までドライブしてテイクダウンはアンダーソン。ハーフガードのムーアだが背中を着ける。シッティングからフックガードでスイープを仕掛けて立ち上がるムーア! アンダーソンの組みを切って左右を突くが、それを掻い潜ったアンダーソンは、ダブルレッグをクラッチしてテイクダウン! 亀になって立ち上がるムーア。アンダーソンはシングルレッグから上組み。アゴ下に頭をつけて押し込む。  5R、左を当てたいムーア。詰めるアンダーソンに打撃の距離を取るムーアは下がる形に。金網が見えてきたところでダブルレッグテイクダウン。背中を着いたムーアも金網使い立ち上がり。  左ハイをガード上に当て、ヒザを突くムーア。その打ち終わりにテイクダウンはアンダーソン。しかし、上のアンダーソンのバッティングにより再開。立つムーアに左で差して押し込むアンダーソン。跳びヒザも放ち、押し込み。  判定は3-0(49-46, 49-46, 50-45)でアンダーソンが勝利。ヘビー級に転向したワジム・ネムコフが返上したBellator世界ライトヘビー級王座についた。 [nextpage] ▼ミドル級 次期タイトル挑戦者決定戦(No.1コンテンダーバウト)5分3R〇ファビアン・エドワーズ(英国)13勝3敗 185.6lbs[判定3-0] ※29-28×3×アーロン・ジェフリー(カナダ)14勝5敗 185.2lbs  Bellator世界ミドル級王者ジョニー・エブレンへのタイトル挑戦権をかけた一戦。UFCウェルター級王者レオン・エドワーズの弟・ファビアン・エドワーズは22歳とMMAは遅咲きだが、元同階級王者のゲガール・ムサシを5R圧倒し、リョート・マチダを1RKOするなど最も危険なファイターの一人。前戦のタイトルマッチでKO負けを喫したエブレンにリベンジを果たしてベルトを奪取するべくここで完全復活を遂げたい。  そんなファビアンの前に立ちはだかるのは、ブラジリアン柔術茶帯の技術に、破壊的なKOを生み出す強打を併せ持つカナダ出身のアーロン・ジェフリー。CFFC王者も経験しており、キルクリフFCでウェルター級王者ジェイソン・ジャクソンらと練習を重ねている。当時無敗のダルトン・ロスタやオースティン・ヴァンダーフォードらに勝利も、ジョン・ソルターが引退を決めた一戦で徹底的なテイクダウンに根負けした。ケージでのニックネームはないが、ドンと呼ばれている。  1R、サウスポー構えのエドワーズにオーソのジェフリーは右を伸ばして組んで右で差して押し込む。体を入れ替えたエドワーズが小外がけテイクダウン。すぐに立つジェフリーが右で差すが、ここも体を入れ替えるエドワーズが右ヒザ。  体を入れ替えたジェフリーが両差しも四つに持ち込むエドワーズ。押し込み細かくヒザを突き、シングルレッグも狙うジェフリーだが、離れるエドワーズを詰めて右で差して崩そうとするジェフリーはクリンチしてのヒザ・ヒジ。拍子木に離れたジェフリー。エドワーズが左ストレートを突く。  2R、組んで左差しのエドワーズに、右小手に巻き投げ狙うジェフリーが左差しで押し込み。さらに右差しで押し込むと、エドワーズは右に離れるが、すぐに追うジェフリーは右前蹴り。エドワーズからダブルレッグも、差し上げるジェフリーが押し込み。  左で差して体を入れ替えるエドワーズが離れて左を突くが、すぐに詰めるジェフリーがシングルレッグ。さらに詰めて上組みでヒザ蹴り。金網に“漬ける”ジェフリーに左で差して崩して背中の飛び乗るエドワーズだが、着地。詰めるジェフリーに左ヒジを入れるエドワーズ。  3R、右ミドルハイをガード上に当てるジェフリー。サウスポー構えのエドワーズは詰めるジェフリーを右回りでさばいてジャブ。しかし、シングルレッグで詰めるジェフリー。ここを突き放すエドワーズは体を入れ替え崩し。ここで下にならず小手巻き体を戻したジェフリー!  右で差して押し込むジェフリーが左ヒザ。突き放すエドワーズを詰めるジェフリーだが、離れるエドワーズが左アッパー。組みに来るジェフリーに首相撲ヒザ!  なおも組むジェフリーはシングルレッグも崩れないエドワーズ。押し込むジェフリーに細かいヒザを突き、離れて左。そこを追って押し込み右ヒジを突き、シングルレッグ狙いはジェフリー。  判定は3-0で中盤からジェフリーの組みを入れ替え、打撃を突いたエドワーズが勝利。ジョニー・エブレンが持つ王座挑戦権を手に入れた。エドワーズはエブレン戦について「前回はちょっと失敗したけど、次はやり返すぞ」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇レアンドロ・イーゴ(ブラジル)23勝6敗 145.1lbs[判定3-0]※29-28×3×ジェームズ・ギャラガー(アイルランド)12勝3敗 145.4lbs  長年のライバルが拳を交える。サブミッション・アーティストとして知られる地元・北アイルランド出身のジェームス・ギャラガーは、タイで世界屈指のストライカーたちとともにトレーニングを積み、直近6試合ではパッチー・ミックス戦以外全勝。  一方の元LFA&RFAバンタム級王者レアンドロ・イーゴも危険なサブミッション・スキルの持ち主。直近4試合中3試合タップアウトで勝利を収めている。通算29戦目となるこの試合で良い勝ち方をして兄貴分パトリシオにつなげたい。  1R、ともにオーソドックス構え。スイッチも見せるギャラガーはオーソに戻し、左前手でけん制。右前蹴り。それをはたくイーゴも右ミドルを見せる。  右ストレートを当てるギャラガーが右カーフも。イーゴも右ロー。互いに慎重ななか、イーゴがサウスポー構えになりインロー。オーソに戻すと、イーゴが右バックフィスト!  一瞬動きが止まったギャラガーにイーゴはダブルレッグテイクダウン! 上からパウンド。蹴り上げをさばこうとするイーゴに、下からギャラガーは外がけストレートフットロック。そこにパウンドを落とすイーゴ。  2R、中央を取るギャラガーに、右カーフを狙うイーゴ。ギャラガーはスイッチして左インロー。イーゴも右インロー。  オーソに戻すイーゴは左インロー。ギャラガーの右に、イーゴは左を返す。圧力をかけるギャラガーは左から右、イーゴの左インローがローブローとなる。  再開、圧力をかけるギャラガーに対し、左右にサークリングして右前蹴りからバックフィストのイーゴ。遠間から後ろ廻し蹴りを見せるギャラガー。イーゴは右ミドルも遠いがバックフィストを見せる。  3R、先に組みに行ったギャラガーを四つで突き放すイーゴ。離れたギャラガーが右! 左目を少し腫らしたイーゴ。ギャラガーのワンツーの右を掻い潜ったイーゴはダブルレッグテイクダウン。すぐに立つギャラガーの脇を潜り、右足をかける。  ボディロックから小外で引き出すイーゴに金網際に戻すギャラガー。持ち上げテイクダウンするイーゴに下からアームロック狙いのギャラガー。キムラクラッチを組みに。上四方に回り腕を外したイーゴが上に。下のギャラガーの足をさばいて右のパウンドで飛び込み。足関節狙いも潰してパウンド、マウント。バックから4の字ロックで鉄槌を打ってゴング。 ▼ライト級 5分3R〇マノエル・ソウザ(ブラジル)11勝0敗・155.6lbs[1R 4分48秒 TKO] ※左フック×ティム・ワイルド(英国)17勝5敗1分・155.0lbs [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇キアラン・クラーク (アイルランド)[3R 0分41秒 肩固め]×ダリウス・マフィ(英国) ▼ライト級 5分3R〇アルフィー・デイヴィス(英国)[判定3-0] ※30-27×3×オスカー・オウンズワース(英国) ▼ライトヘビー級 5分3R〇ルーク・トレーナー(英国)[判定3-0] ※30-27×3×グラント・ニール(米国) ▼147ポンド契約 5分3R〇ネイサン・ケリー (アイルランド)[1R 0分40秒 KO] ※ヒジ×ヴィカス・シング・ルヒル(インド) ▼ヘビー級 5分3R〇エイブラハム・バブリー(英国)[判定3-0] ※30-27×3×アイザイヤ・ピンソン(米国)▼アマチュア 130ポンド契約 〇ネイト・ケリー (アイルランド)[1R 1分48秒 腕十字]×ジョーダン・エリオット(北アイルランド)
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