“黒人サムライ”の名でTikTokで大人気のケンソン
2023年12月9日(土)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.6』にて、第7試合のKNOCK OUT-UNLIMITEDクルーザー級3分3R延長1Rで三上ヘンリー大智(格闘ドリーマーズ)と対戦するパトリック・ケンソン(カメルーン)が7日(木)都内にて公開練習を行った。
この試合はオープンフィンガーグローブ着用で投げあり、パンチ、蹴り、ヒジ、ヒザ、グラウンドでサッカーキック、踏みつけ、パウンド、ヒジ、ヒザとスタンドでもグラウンドでも手足による全ての打撃攻撃が認められる“究極の打撃格闘技ルール”KNOCK OUT-UNLIMITEDルールで行われる。
公開練習ではボビー・オロゴンの指示を受けながら、組み付いてくる相手に対してディフェンスし、突き放してのパンチ、ヒジを見せたケンソン。さらにボビーがミットを持ってのミット打ちで、攻撃してくるボビーに対してパンチで対抗していった。
「3週間前に試合をすることを決めて、21日経ってもまだ生きているのでやるしかない。ボビーに殺されていないのでラクに戦えると思います。練習はバッチリです」と、ボビーと猛特訓を積んできた様子。
記者会見では、ルールがまだ分かっていないようだったがと問われると「大丈夫です」ときっぱり。
ボビーとMMAの練習をしてきたのかと聞かれると、「何がMMAの練習なのかは分からないけれど、MMAの試合を見ることはしています。イメージトレーニングですね。練習ではタックルやマウントされた場合のディフェンスを習っています」と組み技の対処を中心にやっているようだ。
ボビーとは「元々は昔、街でナンパされたんだよね(笑)。『お前、強そうだから戦えないか?』って。その時は道場で聞いたら師範からダメと言われて。それからずっとつながっています。今はフリーだから話をされてやってみようかと思いました」と、街で格闘家としてスカウトされたことがきっかけで知り合い、今回の試合もボビーから声をかけられたのだという。
三上の試合映像は見たというが「3~4年前の試合なのであまり参考にならないですね。サウスポーの左ストレートが強そうなので、それに合わせた練習をしています」とする。
自身の得意技を聞くと「極真空手時代にローキックの鬼と言われていたのでローキックです。今回も当てて足を壊せばいい。ローキックには自信があります」と、ローキックで三上の足を破壊すると豪語。
今回が初の採用となるKNOCK OUT-UNLIMITEDルールに沿った練習は「多少やっています」とし、「練習場所もあちこちにお願いしてやっていますが、基本的にはシミュレーションしています。いま怪我したら治らないから、ガチの練習よりイメージでやっています」と、イメトレが中心だとした。
どんな試合を見せたいかと聞かれると「自分はプロじゃないけれど、戦う気持ちが強い。相手がプロの戦いで来たら自分は相手を混乱させます。胴廻し回転蹴り、飛び後ろ廻し蹴りなどアクションムービーのように戦います」と、回転技を駆使して三上を混乱させたいという。「飛ぶのは問題ない。そこは空手で何年もやっているので。それが自分の武器です」とまるでアクション映画かゲームのような動きを見せるとうそぶいた。
早い段階でのKOを狙うかとの質問には「自分は1日戦える準備をしています。チャンスがあれば飛びたい。元気に延長戦まで戦えます。KOすることを焦らずに楽しみたいです」と、空手のトーナメントで1日戦うのと同じ準備をしていくと答えた。
空手家の強さとは何かと聞かれると「極真空手家は骨が折れても諦めない。KOされるかするか。途中で諦めることはない。空手家としての誇りを守りたい」と、どちらが倒れるまで諦めずに戦うことだと言い放つ。
次の目標を聞かれると「特にはないですね。もう43歳ですし、最後に空手の試合に出たのはもう10年前で、スパーリングもやっていませんでした。身体は丈夫だけれど家族もいるのでキャリアを続けるのかは勝手に決められない。でもMMA的なものを1回はやりたかった。今回の試合結果によっては気持ちいいってなって、またハマっちゃうかもしれないです」と今後のことは考えていないとした。
そして、今回のテーマを聞かれると「何のために出るのってメールがたくさん来ています。2023年はいろいろありすぎて、生きてていいのかくらいのことがあり、気持ちを復活させるものが欲しかった。そういう世の中の諦めそうになっている人たちに、生きていれば乗り越えられるよと。試合に勝って、2023年に人生を諦めそうになった自分が、諦めなくてよかったというのを、乗り越えられるぞっていうのを見せたい」とアツく語った。