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2023年12月31日(日)『RIZIN.45』(さいたまスーパーアリーナ)の対戦カード発表記者会見が11月11日、都内にて行われた。
▼RIZINキックルール 70.0kg 3分3R
安保瑠輝也(MFL team CLUB es)
木村"フィリップ"ミノル(ブラジル/Battle Box)
RIZINキックルール3分3Rで、安保瑠輝也(MFL team CLUB es)vs.木村"フィリップ"ミノル(ブラジル/Battle Box)が決定。木村は6月24日から半年間の出場停止処分(※9月にドーピング検査陽性会見)を経ての復帰戦となる。
榊原CEOは、「木村ミノル選手、ドーピングをして半年間のサスペンデッド期間中にあります。大晦日半年というサスペンデッドの期間がギリギリ明けるという中で、安保選手は“別にドーピングでもええやんか、出てこいや”という感じだったと思うんですけど、さすがにRIZIN主催者、競技運営をする我々からすると、ドーピングであるということの結果が出ている中で木村選手との試合は組めない。木村選手はすでに必死にというか、全力で身体の中の薬物のほうを抜く努力をしているという中で、現在ドーピングの検査の実施中になります。
2週間前に木村選手に告知してドーピング検査しました。検体を採って、今アメリカのほうに送っています。木村選手の再度の検査結果は、あと1週間から10日ほどで出ます。万が一陽性の場合、この試合は流れる。その場合は、安保選手にはほかのカードを用意します」とした。
検査結果を待たずに試合発表としたことについては、「検査結果はあるけど、大晦日にやるという互いの意思の確認はできています。年を越さずに実現したかった」と説明した。
木村は、2020年3月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」を3試合連続KOで制し、K-1王者に。2021年12月の初防衛戦で和島大海に敗れて王座を失い、ボクシング転向を表明していたが、2022年12月の『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』で電撃復帰。矢地祐介を1RでKOして強烈なインパクトを残した。2023年3月『KNOCK OUT』でのクンタップ戦は1Rわずか32秒でKO勝ち、6月24日のRIZINではロクク・ダリも1RでKO。
しかし、試合後のドーピング検査で陽性反応が出たことが9月の記者会見で発表され、矢地戦、クンタップ戦、ダリ戦はいずれも無効試合に。RIZINでは罰金の上「半年間出場停止」処分となり、RIZIN復帰の場合はドーピングの陰性証明が必要となるとされた。
半年間の出場停止は6月24日から半年間とされ、大晦日には期限が過ぎている。ただし、木村はその前に「陰性」であることを証明する必要がある。
会見で、復帰戦が決定した木村は、「ここまでBattle-Box一丸となってサポートをしてくれて、僕的にはいよいよこの時が来たなという気持ちで、楽しみです。安保選手、ずっと対戦要求をしてくれてて、やっとこうやって実現できるということで、心の奥底から力がわき出てくるので、早くやりたいなと思っています」とコメント。「いまは自力のメンタル、自分から湧き出ているもので、筋量はアップしていて、体脂肪も落ちていてすごくいい状態です」と語り、「(安保に)心から感謝しています。戦う機会を与えてもらって。大晦日は特別で気持ちは高まっている。不安はない。安保選手だから大丈夫」と笑顔を見せた。
木村と同じく元K-1の安保は、5月にRIZIN初参戦。ブアカーオと3R戦ってドローとなった。9月には木村と同門の宇佐美正パトリックに判定勝ちしている。
会見で安保は、「俺としてもこのカード、いろいろ言われることもあると思うし、賛否両論あると思うんですけど、俺としては立ち技格闘技が面白いということをRIZINでも伝えたくて、それを俺の中で一番体現できるカードなのかなと思ってます。なので、試合としてはめちゃめちゃ面白い、バチバチの殴り合いもありますし、そういうのを見せれるんじゃないかと思ってるので、めちゃくちゃワクワクしてます」と語り、「『木村の居場所を作った』とか言われるけど、どっちでもいい。このルール違反者をブッとばして、負けた方がRIZINを出て行く」とサバイバル戦だとした。
続けて「木村はスタミナ全然無い。そこまで俺がしっかり痛みつける。効かせて、2Rか3Rに、木村の得意の左フックで倒してやる」と木村の得意のパンチでフィニッシュすると語った。
安保は2019年6月、ゲーオ・ウィラサクレックを延長戦の末に判定で破り、第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座に就いた。12月にはゲーオとの再戦で延長戦の末に判定勝ちして防衛に成功。2020年3月にはわずか3カ月のスパンで2度目の防衛戦に臨み、不可思を判定に下している。しかし、9月の3度目の防衛戦で山崎秀晃に初回KOで敗れて王座を失った。2021年7月大会からウェルター級に階級を上げ、9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」で決勝へ進出したが、野杁正明にKOで敗れた。
2022年6月の『THE MATCH 2022』でRISEスーパーライト級王者の山田洸誓に勝利するとしばらく試合から離れていたが、今年2月の『BreakingDown』で元K-1ヘビー級ファイターのシリル・アビディと対戦し、KO勝ちすると、5月にRIZINでブアカーオとドロー。9月には宇佐美正パトリックに判定勝ち。戦績は26勝(14KO)5敗1分。
会見では、お互いに舌戦も繰り広げた。
木村が「今日まで必死にトレーニングだけして、安保選手のことを思い浮かべながら毎日走ってきた」と語ると、安保は「真面目になんなよ、(ドーピングが)抜けてきた感じある?」と揶揄。
木村が「もっかい大きくしようかなと。どう特別ルールで」と返すと、安保も「そのほうがええと思うで。薬入っていてパトリックといい勝負するんやろ。抜いて俺とどういい勝負すんねん?」と斬り捨てた。
カチンと来たか、木村は「ブッ倒すぞ、マジでここで」と半笑いで挑発。安保も「かかってこいよ」と乗るなど、早くも火花を散らしていた。