MMA
インタビュー

【UFC】ホドルフォ・ヴィエイラ、柔術を始めた息子から「まずシングルレッグでテイクダウンをして、パンチしてリアネイキドチョークだ!」って言われて──

2023/11/05 08:11
 2023年11月4日(日本時間5日・朝7時~)、ブラジルのサンパウロ・イビラプエラ・ジムネイジアムにて、『UFC Fight Night: Almeida vs. Lewis』(U-NEXT配信)が開催されている。  メインカードでは注目のミドル級戦に、カイオ・ボハーリョ(ブラジル)vs.アブス・マゴメドフ(ドイツ)のほか、ホドルフォ・ヴィエイラ(ブラジル)vs.アルメン・ペトロシアン(アルメニア)の2試合が組まれている(※試合直前にペトロシアンが体調不良で試合中止に)。  そのうち、UFC4連勝中のボハーリョに続き、本誌では、ムンジアル二階級制覇・4連覇王者で、ADCC、ワールドプロでも世界王者となった後に、現在UFC4勝2敗のヴィエイラに、インタビューした。ストライカーのペトロシアンと対戦するヴィエイラは「単なるストライカーじゃない」と語った。 ブシェシャのMMAの試合はすべて見ているよ ──ホドルフォ・ヴィエイラ選手、今回の試合にむけて、いつもの所属ジムで調整をされてきたのでしょうか。 「これまで通り、『Fusion X-Cel』というフロリダ州オーランドのジムでファイトキャンプを行って来た。5年間自分が過ごしてきたジムだ。でも、先週はブラジルのリオに行ってきた。俺のコーチ2人がビザが取れなくて米国に来れなかったから、自分からリオに行ってキャンプの締めくくりをしてきたんだ。ダビッドとジュリアン・ウィリアムズ、2人ともいい友達でもありコーチなんだ」 ──その間、ジョン・ダナハー、ゴードン・ライアンらともトレーニングしてきたようですね。 「ああ、本当にいい経験だったと思っている。実はずっと自分の中でジョンやゴードン、ニコラス・メレガリらとトレーニングする事が夢でもあったんだ。だから一緒に練習する機会がもらえた事を本当に嬉しく思っているし、色々な事を学べたと思う。一週間トレーニングをしたんだけど、その一週間で様々な事を得て本当にいい時間を過ごせた」 ──前回の4月のブランデージ戦でも、ホドルフォ選手は右を浴びてダウンしましたが、ディープハーフガードから立ち上がり、アウトサイドトリップでテイクダウンを奪いました。あのとき、ガードで凌ぐこと、そして立ち上がることにMMAとしての進化を感じました。 「実はあのノックダウンの時、自分でもパンチを食らったのに気付いてなくて、パッと身体が動いた柔術が自分を救ってくれた。ガードポジションは自分の得意なポジションだし、ディープハーフで顔を隠しながらスウィープをして上を取り返してフィニッシュできるからね。そしてあのときは──下のままでいずに脇を差して立ち上がることができた」 ──最後のフィニッシュは肩固めでしたが、金網に詰まりスペースが無いなか極めました。あの形は……。 「サイドに出きらずともニアマウントの形だったね。肩固めは自分の一番の得意技でフィニッシュできるポジションだからね。あのとき、ブランデージの左肩、右サイドはケージだったよね。だから一瞬、あえてスペースをあげて相手を横向きにさせてから右に片足が出られるようにした。それに僕の肩固めはハーフガードからでも、サイドからでもマウントからでも極められる。自分の中ではかなり強い技だと思っているよ」 ──今回の対戦相手のアルメン・ペトロシアンは、空手・ムエタイベースのストライカーですが、6月の前戦では、ダンカンのテイクダウンを防いで、3Rには自らボディロックテイクダウンを成功させています。 「その通りで、彼はテイクダウンディフェンス力が上がっている。単なるストライカーじゃない。でも自分のストロングポイントは変わらない。とにかくテイクダウンを獲って柔術で戦う。ストライカー相手にスタンドで付き合うのは少し危険だからね。もちろん打撃をしっかり準備してきたけど、その中で立ち会い、いいタイミングを見つけ次第、テイクダウンして自分の柔術で戦う。そのためにもどうアプローチするかをやってきている。それがこの試合で勝つベストだと思っているよ」 ──グラップリング時代にあなたのライバルだった柔術世界王者のブシェシャ(マーカス・アルメイダ)もMMAに転向し、ONEで4連勝を1Rフィニッシュで飾るも、8月の前戦でオマール・ケインに敗れてMMA初黒星を喫しています。彼の試合もチェックしていますか。 「もちろん、ブシェシャの試合は全て見ているよ。親友だからね。実は俺がいつも彼に『柔術からMMAに行くべきだ』って言ってたんだ。彼のMMAの試合は毎回本当に楽しみにしているし、1試合たりとも見逃す事はないよ。前回の試合の課題もきっと乗り越えてくれると思う」 ──スタミナと打撃が課題なのは、ブシェシャ選手のみならずホドルフォ選手にとっても? 「もちろん改善されている。僕もずっとその課題には取り組んでいる。ストライキングも上達はしているし、それだけでなく柔術もテイクダウンスキルもカーディオも強化してきた。いい試合を見せられると思っているよ」 ──ところで息子のベニツィオ君は柔術を始めたようですね。 「そう、彼は柔術を始めたんだけど、もう辞めたいそうなんだよ。『ダディー、柔術はやりたくないんだ。MMAがやりたいんだよ』って言われたんだ(苦笑)。でもまだ彼は3歳半だから、『MMAには早いよ』って伝えたら「分かった。じゃぁ、MMAができるようになるまで待つ』と」 ──そんな息子さんにどんな試合を見せたいですか。 「ちょうどこの前、彼に『どいういう勝ち方をすると思う? と聞いたら、彼が言ってきた戦略があって、その通りにできたらいいと思う。『まずシングルレッグでテイクダウンをして、パンチしてリアネイキドチョークだ!』って。その通りにしたいね」 ──完璧なフィニッシュですね。今回の試合も楽しみにしています。では最後に日本のファンにメッセージを。 「日本のファンの皆には、いつも応援をありがとうと伝えたい。次の試合ではもう一つ勝利を重ねて、いいフィニッシュを皆に届けられたらと思う。そして世界に柔術の強さを伝えられたらいいなと思っています!」
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