MMA
インタビュー

【UFC】デミアン・マイアの愛弟子、UFC4連勝中の柔道家カイオ・ボハーリョ「同階級のストリックランドとの練習? 自分の上達に一番ベストな方法はベストなヤツと練習する事だ」

2023/11/04 20:11
 2023年11月4日(日本時間5日・朝7時~)、ブラジルのサンパウロ・イビラプエラ・ジムネイジアムにて、『UFC Fight Night: Almeida vs. Lewis』(U-NEXT配信)が開催される。 メインカード入りしたミドル級戦に、UFC4連勝中の柔道出身のカイオ・ボハーリョ(ブラジル)が登場。ダゲスタン出身のドイツ国籍のアブス・マゴメドフと対戦する。  UFCデビュー戦で驚異の前蹴りで19秒KO勝ち、2戦目でいきなりショーン・ストリックランドと戦い、初回は蹴りで強さを見せていたマゴメドフを相手に、“デミアン・マイア”の弟子のボハーリョはいかに戦うか。本誌がインタビューした。  なお、同大会では、イスマエル・ボンフィムが体重管理の問題により、ヴィンス・ピシェルとのライト級戦が中止に。さらに、ヴィクトル・ウーゴも体重管理に問題があったことから、ダニエル・マルコスとのバンタム戦戦が中止となっている。 ブラジルUFCのナルトオタク代表としても、日本の皆が誇れるような試合をしたい ──現在MMA14勝1敗、UFC4連勝中のカイオ・ボハーリョ選手ですが、ブラジルのマラニョン州出身でチームで『Fighting Nerds』ということですが、普段はどこで練習する事が多いのですか。 「普段は自分のホームタウンのブラジルのサンパウロでトレーニングをしているよ。『Fighting Nerds』はブラジルでは比較的大きなチームではあるんだけど、そのチームもどんどん大きくなっているね。そのチームの色んなヤツとトレーニングをしたりしているけど、ベガスでもストリックランド、クリス・カーティスとかとも練習をしていて、今回もキャンプの一部はそこでトレーニングしているんだ」 ──前回はハムザト・チマエフともトレーニングしていましたが、今回は? 「彼とは今回のキャンプではやっていないんだ。前回のアブダビ大会(『UFC 280: Oliveira vs. Makhachev』)に出場する前、2022年になるのだけど、その時には自分がスウェーデンに行って1カ月くらい一緒にトレーニングをしたんだよ。いい友達なんだけど、今回は行く事ができなかった」 ──それでエクストリーム・クートゥアーでもストリックランドと練習してきたのですね。ストリックランドとは同じUFCのミドル級ですが、そこはいまは気にしていませんか。 「もちろん、一緒に練習する事はまるで気にならないよ。この競技ではまず自分が上達する事が一番大事だろ? それで自分の上達に一番ベストな方法はベストなヤツと練習をする事だ。彼はチャンピオンだし、だから一緒に練習できるのは最高だよ。実は、彼とは彼がチャンピオンになる前からずっと一緒に練習をしてきているし。もしこれから先ケージで対面する事になったとしても、それがファイトビジネスだろ? その後も普通に一緒に酒も飲むし、お互いの勝利を祝ったりもするだろう。ビジネスはビジネスだよ(笑)」 ──なるほど。ところであなたの左胸のタトゥーにある通り「柔道」がバックボーンですよね。でも試合では柔道の投げ技はあまり使わないように見えます。その代わり、ダブルレッグテイクダウンがすごい。それは……。 「ハハハ、それは、実はあまり柔道の投げ技を使う機会が無かっただけなんだと思う。柔道の投げ技を使うには身体を近くに置いて胸を合わせなければならないし、皆、俺の柔術を警戒しているからあまり中に入り込んでこないんだよね。だから少し離れたところから行けるダブルレッグが多いのと、ダブルレッグとレスリングはずっと(デミアン)マイアと練習を積み重ねてきているから、自分のダブルレッグはUFCの中でも一番だと思っているし、常に使う特技になっているよね。ただ、相手がもし近寄ってきたらいつでも柔道の投げ技をできる準備はできているよ」 ──そういえば、デミアン・マイアもカイオと同じ柔道出身の柔術家ですね。 「あぁ、彼とのトレーニングでは柔道家が身につけるべき柔術のスキルを凄く上達できていると思う。そしてレスリングも一緒にたくさんの練習をしている。バックテイクも彼のスキルはMMAの中では一番だと思う。だから彼とは彼のキャンプやトレーニングの手伝いをしながら7年間過ごして、本当に色んな事を学んでいる。柔術も上達したし。確かな事は次、自分が誰かのバックをとったらもうフィニッシュができるようになっているということだよ」 ──柔道出身のMMA選手で参考にしている選手もいますか。 「自分は柔道ということでは、MMAファイターというより、柔道家に憧れるんだ。たとえばイリアス・イリアディス。彼の事がものすごく好きで、本当に強い選手だし、パワフルだ。ブラジルのティアゴ・カミロも。シドニー五輪からブランクを経て、北京でもメダルを獲っている。尊敬している選手たちだ」 ──しかし、今回の相手、アブス・マゴメドフはMMA25勝5敗のストライカー。UFCデビュー戦ではダスティン・シュトルツフスをわずか19秒、下から前蹴り&パウンドでKOに下しています。マゴメドフの蹴りへの対策は? 「もちろんしっかり準備はしてきているよ。彼はかなりパワーと感情を込めたキックを出してくるよね。それっていい蹴りなんだけど、一方で疲れてしまうっていう悪い面もあると思うんだ。だから、彼の蹴りにはすべて対応をして試合中盤以降は蹴りが出せないようにしたいと思っているよ」 ──なるほど。前回、ストリックランドが序盤のマゴメドフの蹴りの猛攻を凌いで、2Rに逆襲して倒した時と同じ展開にすると。 「その時とは少し違うのは、ストリックランドの時は、彼らは5Rあって、俺は3Rだから。だからストリックランドに比べて俺の場合はもう少し最初からプレッシャーをかけていかなければいけない。マゴメドフにもっと蹴りを出させるためにね。きっとストリックランドとの試合で彼も学んだと思うから。だからそんなに激しくスタートから飛ばしてこないと思うんだ。だからこそ、俺は最初からプレッシャーをかけて、彼の戦略通りにいかないように蹴りを多めに出させて疲れさせて、疲れたところを俺がフィニッシュさせるよ」 ──王者になる前ではありますが、ストリックランドとメインイベントを戦ったマゴメドフに勝てば、ミドル級の上位戦線に近づく事になるのでは? 「もちろんだよ。実際今もトップ15のランカーの選手との試合が自分には相応しいと思っている。UFCのマッチメイクの事は信じているから、仕方ないかなとは思っているけど。この試合の後は、もうトップ15なんて見ていない。トップ10と戦うのが相応しいと思っているし、自分のゴールでもあるベルトをとる事に近づくべきだと思っているよ」 ──4月の前戦ではベテランのオレクシェイチュクをリアネイキドチョークで極めて、最後にベベットのようにゆりかごポーズを見せましたね。もしかして、お子さんが? 「そうそう、9月6日に息子が生まれたんだよ。もう2カ月になるんだけど、彼がもう自分の人生最愛の存在だ。全ては彼の為にやっている。名前は『リオン』って言うんだよ」 ──おめでとうございます。いよいよ地元サンパウロ大会に向けて、日本のファンへのメッセージを。 「日本のファンのみんな。いつも応援をありがとう。アイラブユー。いつか日本に言って皆に会いたいっていう夢があるんだ。日本は美しい国だし、自分は柔道出身の選手なので特別な国でもある。この試合では柔道選手として、あと“アニメオタク”として、“ナルトオタク”代表としても、日本のみんなにも誇ってもらえるように戦いたいと思う。いつも応援、ありがとう。早く会える日を楽しみにしています。試合、楽しんでください!」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント