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レポート

【GLADIATOR】全日本アマ修斗3位&K-1甲子園西日本優勝の溝口司がエダ塾長を1R TKO、柔術家・江木伸成がMMAデビュー戦判定勝ち、フェルナンドが一本勝ち

2023/06/14 12:06
 2023年6月11日(日)大阪・176boxにて『BODYMAKER presents GLADIATOR 022』が開催された(バンタム級GP・フェザー級T・フォークスタイルグラップリング ウェルター級T)。  20歳の注目の溝口司(矢田道場)は、KIDSキックから格闘技経験を積み、その戦績は113戦106勝7敗という場慣れしたファイター。  2021年のアマ修斗全日本選手権バンタム級3位。さらにK-1甲子園2021 西日本予選トーナメント -60kg優勝の実績も持つ20歳の新鋭だ。  その言動も物怖じせず「堀口恭司選手越え」「RIZINバンタム級戦線の選手を1人ずつ引きずりおろす」と宣言し、2022年9月のGLADIATOR初陣で浅井亮麿に14秒KO勝ち、1月大会ではキャリア14戦のガッツ天斗にスプリット判定勝ち。Theパラエストラ沖縄にも出稽古を積んでいる。  2連勝中の溝口は、「今大会で伝えたいことがあります。それは僕の試合や生き様を見て、自分の個性に誇りを持って日本人特有の『敷かれたレールを走る人生』ではなく、自分にしか出来ないことを極めて夢を実現させる人が少しでも増えて欲しいと思います。エダ塾長選手、試合を受けて下さり、ありがとうございます。ただ、タックルしか来ないのは分かっているので必ず格の違いを見せつけてぶっ倒します」と必勝宣言。  対する江田こうすけ塾長は、柔術ベースで京都のMMAパイオニアの一人。38歳、自身も認めるオールドスクールながら、一本気のある組みオンリーの戦いは、上昇志向が強い血気盛んな若い溝口にとって脅威となるか。  江田は「負けっぱなしの“昭和の遺物”を呼んでいただいてありがとうございます。これからの総合格闘技界を担うであろう若人達への経験の一翼となれれば幸いです」と語る。 ▼第9試合 GLADIATORバンタム級 5分2R〇溝口 司(矢田道場)[1R 4分50秒 TKO] ※右ストレート→鉄槌×エダ塾長こうすけ(MIBURO)  ゴング前にホルヘ・マスヴィダルのように後ろ手に組んで金網にもたれかかり試合を待つ溝口。江田の後頭部には「かませ」の文字。  1R、ともにオーソドックス構え。18歳差のある溝口に江田は低いダブルレッグ狙いも切る溝口にいったん離れる。  スイッチしながら左ハイを見せる溝口。かわす江田はじりじりと組みの圧力をかけると、溝口は右アッパーをかすめて左フックをガード上に当てる。さらにキレのいい左ハイをガードする江田は、頭を動かしながらシングルレッグへ。反応して足を引く溝口。両手を上下にさせながら左右ロー、金網背にした江田は右のダブルで押し返す。  両足をシャッフルする溝口は半身になって前手で来いと表示。そこにシングルレッグへで尻を着かせる江田はパウンドも、溝口は蹴り上げから立ち上がり。江田は押さえ込めず。  パウンドをもらったか目を気にする溝口だが、スタンドに戻して鋭い左ハイは溝口。頭をかすめた江田。溝口はさらに右ボディから左を突くが、そこに左アッパー、さらに右を当てた江田。  一瞬溝口の足が止まると、江田は左前蹴り。右ストレートを打ってきた溝口にカウンターの右! 右ヒザが落ちた溝口に、江田は左右でラッシュへ。  右のダブルももらった溝口は、江田の左前蹴りの打ち終わりに右ストレート! さらに歩きながら左、右と連打し、江田をダウンさせると、鉄槌4連打! レフェリーが間に入った。  1R 4分50秒 TKO勝ちした溝口はこれで3連勝。「この前の試合からはちょっと成長したかなと思うんですけど、ちょっとストレートもらってグラッときちゃったんですけど許してください。櫻井会長らに結構気に入ってもらっていて、こうやって大きな舞台に出させてもらっていてめっちゃありがたいです。こういう舞台もいいんですけど、もうちょっと大きな舞台で見たくないですか。そういうことなんで、あまり頭回ってないんで喋らんときます」 [nextpage] 足関節にこだわる江木伸成がMMAデビュー戦で判定勝ち ▼第8試合 GLADIATORフライ級 5分2R〇江木伸成(藤田柔術/LEOS JIUJITSU ACADEMY)[判定3-0] ※20-18×3×空(TOP KING)  GLADIATORのケージでコンバット柔術、フォークスタイルグラップリングで活躍してきた江木伸成が、待望のMMAデビュー戦に臨む。消防士をしながら茶帯時代にアジア選手権3位など、柔術家として成功を収めながら、やり残したこと=MMA出場を決意した江木は、2022年からMMAデビューをリクエストしていた。  テコンドーとフルコンタクト空手、柔道の経験も持つ柔術界の実力者の初陣の相手探しが難航するなか、手を挙げた関西出身の空にとっても、決意のフライ級戦となる。空はFighting NEXUSで1勝3敗。     1R、サウスポー構えの江木は左の蹴り。オーソの空の蹴り足を掴んでのヒールフック。空はそこにパウンド。足関節にこだわる江木は内ヒールからストレートフットロックも狙うが、空は足を抜く。  2R、互いに遠間から慎重な展開のなか、サイドキックを見せる江木は左の蹴りを軸に立ち会う。シングルレッグから足をからめて引き込み、外掛けで外ヒールを狙う江木。ヒザは曲げている空。江木は内ヒールに切り替えるが極めきれず。  鉄槌の打ち合いからトップを取りには行かず、サドルロックから内ストレートフットロックへ。さらに組み手を変えて内ヒールを絞るが、その組み手を掴んで極めさせない空。両足を突っ込んで防ぐとなおも内ヒールの江木の三角に組んだ右足にパンチを落とす。  ゴングに片足を引きずって立つ空はいったんケージにもたれかかってから判定コールの中央に歩いた。  判定は江木が3-0(20-18×3)勝利。空はセコンドに背負われながらケージを後にした。  プロMMAデビュー戦を白星スタートした江木は、試合後「山口から来ました。レオス柔術アカデミーの江木です。今回、プロデューサー戦ですごく硬かったんですけど、ほんとはもっといっぱい技があったんですけど、今日は出せずに、また次回出していこう思います。GLADIATORのフライ級チャンピオンを目指していきます」と語った。 [nextpage] スモーカージム&ピットブルブラザーズのフェルナンドが一本勝ち 【ポストリミナリー】 ▼第21試合 GLADIATOR64kg契約 5分2R〇フェルナンド(SMOKER GYM/PITBULL BROTHERS)[1R 4分48秒 腕十字]×今村 豊(POLARGYM OSAKA/宇留野道場)  1R、64kg契約戦。サウスポー構えのフェルナンドに、オーソドックス構えの今村。フェルナンドは左インローから。左前足にシングルレッグの動きからワンツー。今村も右で押し戻し、右インロー。  圧力をかけるフェルナンドは左フックもそこに左をかぶせに行く今村。左右の蹴りをこつこつと前足に就くフェルナンドに今村は右から左の逆ワンツー。さらに大きな左右を振ると、それをフェルナンドは若干被弾しながらもさばいて詰めてシングルレッグ!  その左足を肩口まで上げると力を入れずにテイクダウン。寝かせてもその左足を離さずサイドに回り、右ヒジを落として鉄槌。今村は亀になって背中を見せて立ち上がりを選択。  今村は右腕を掴んで脇を潜りながら一気に正対を狙いながら落とそうとするが、すぐに体勢を戻したフェルナンドがバックキープ。左足をかけて絞めを狙いながらこつこつと殴り、引き込んで4の字ロック&オタツロックへ。右手で殴りながら、左手は脇下からすくっているフェルナンドは腕十字狙い。  両腕をクラッチしている今村は正対しようとするが、手首をつかんでいるフェルナンドは、左足を先に肩口にかけて、右足も顔に。最後はうつ伏せになって極めてタップを奪った。  試合後、フェルナンドは黒帯を首に巻いて、ケージを後にした。 [nextpage] 田中壱季が秋田良隆に逆転一本勝ち ▼第20試合 GLADIATORバンタム級 5分2R〇田中壱季(ENCOUNTER)[2R 2分29秒 三角絞め]×秋田良隆(KINGGYM KOBE)  ともにオーソドックス構え。田中は左の蹴りから右を突いて組みに。右で差す秋田が体を入れ替え、1R同様にケージレスリングで挑む。左で小手に巻いて四つに持ち込んだ田中が体を入れ替えヒザ。しかし秋田は四つから小外で後方に崩してテイクダウン。  そのまま前傾で金網に押し込むが、田中は首が金網に詰まりながらも右足を首筋にかけて左足と組んで三角絞め! 上の秋田は田中の顔にヒザを押し付けるがズラした田中が頭も引き付けて座った秋田からタップを奪った。 [nextpage] バンタム級GP、フェザー級トーナメント、フォークスタイルグラップリング・ウェルター級トーナメントも ▼第15試合 GLADIATORバンタム級GP1回戦・バンタム級タイトルマッチ 5分3R〇テムーレン・アルギルマー(Shiqen Beelii/モンゴル)[判定2-1] ※29-27×2, 28-28※マスト神田×神田T-800周一(パラエストラ広島/第6代GLADIATORバンタム級王者)※アルギルマーが第7代GLADIATORバンタム級王者に。準決勝進出 ▼第12試合 GLADIATORバンタム級GP1回戦 5分3R〇竹本啓哉(ALIVE)[1R 3分40秒 腕十字]×ジェイソン・マルガリョ(DYincredible Fighting and Fitness Center/フィリピン)※竹本が準決勝進出 ▼第14試合 GLADIATORフェザー級王座決定トーナメント準決勝 5分3R〇パン・ジェヒョク(KOREAN TOP TEAM/韓国)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×河名マスト(ロータス世田谷)※ジェヒョクが決勝戦進出 ▼第13試合 GLADIATORフェザー級王座決定トーナメント準決勝 5分3R〇ダギースレン・チャグナードルジ(Shandas Devjeeモンゴル/MGL-1フェザー級王者)[判定2-1]※29-28×2, 28-29×チハヤフル・ズッキーニョス(MIBURO)※ダギースレンが決勝戦進出 ▼第11試合 PROGRESSフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王者決定トーナメント準決勝 5分2R〇森戸新士(LEOS JIU JITSU ACADEMY/藤田柔術)[判定4-3]×網藤雄太(SPARK)※森戸が決勝進出 ▼第10試合 PROGRESSフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王者決定トーナメント準決勝 5分2R〇世羅智茂(CARPE DIEM)[2R 1分50秒 肩固め]×加賀谷庸一朗(創道塾)※世羅が決勝進出 [nextpage] ▼第20試合 GLADIATORフライ級 5分2R〇古賀珠楠(総合格闘技スタジオSTYLE)[判定3-0] ※20-18×3×廣瀬裕斗(Hida Training Lab) [nextpage] ▼第19試合 GLADIATORフェザー級 5分2R〇桑本征希(SMOKER GYM)[2R 1分29秒 TKO]×天草ストロンガー四郎(ソフトコンタクト)  サウスポー構えから左ハイ、左ローを効かせた桑本が、天草の組みを切って右ハイで崩すとそのまままたいでヒジ。パウンド。 [nextpage] ▼第17試合 GLADIATORバンタム級 5分2R〇藤原克也(SMOKER GYM)[1R 3分05秒 TKO]×別所竜弥(NESTFIT MMA)  詰める別所の組みを剥がして切った藤原はカウンターの左右を効かせてダウンを奪いパウンドアウト。 [nextpage] ▼第16試合 GLADIATORフェザー級 5分2R〇ハンセン玲雄(総合格闘技道場reliable)[1R 0分30秒 TKO]×徳野一心一馬(U.B.F/第4代WARDOGフェザー級王者)   サウスポー構えの玲雄はオーソの徳野に左ミドルハイをガード上に当てる。さらに左インロー。徳野は右ストレートを伸ばすと、玲雄は左ミドル。  徳野は左ジャブのダブルで詰めるが、そこに玲雄は下がりながら前手の右ジャブでダウンを奪うと、そのままパウンド。いったんは立ち上がってガード固める徳野だが、玲雄の左右のラッシュに再びダウン。レフェリーが間に入った。玲雄はDEEP、PANCRASEでの3連敗から復活の白星。 [nextpage] 【プレリミナリー】 ▼第7試合 GLADIATORフェザー級 5分2R〇藤岡 陸(GSB多治見)[判定2-1] ※19-19マスト藤岡×2, 19-19マスト木村×木村総一郎(パラエストラ加古川) [nextpage] ▼第6試合 GLADIATORライト級 5分2R〇水野 翔(総合格闘技スタジオSTYLE)[判定2-1] ※20-18, 19-19マスト水野, 19-19マスト後藤×後藤丈季(京都 政拳会) [nextpage] ▼第5試合 GLADIATORライト級 5分2R〇八木敬志(猛者連本部)[判定3-0] ※20-18×3×直島弘昌(修斗GYM神戸)  1R、八木が左右で詰めて反り投げも下に。すぐにスクランブルで落として上を取る八木。ケージに詰めてパウンドで削るとバックから両足をかけて4の字ロック。直島はチョークを防ぐと終了間際に八木は腕十字で下に。  2R、跳びヒザで詰める直島にダブルレッグから脇潜りスタンドバックから崩してバック奪う八木。1R同様にバッククラブから、カウント、バックマウント。正対して上を取ろうとする直島に小手を巻き、際で上を取るのは八木。  残り1分で正対して上を取り返した直島に立って首投げパウンドの八木。亀になる直島はがぶりの八木の股の間を抜けて立つ。そこを詰めてヒザを突く八木を、最後に直島が落としてパウンドし、ゴング。  判定3-0(20-18×3)で八木が勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 GLADIATORバンタム級 5分2R〇吉田開威(空手道剛柔流 朋武館)[1R 3分45秒 TKO] ※左右ラッシュ×安枝 匠(格闘技 吉田道場)  吉田は、空手道剛柔流 朋武館所属。空手三団体全日本王者、全日本総合武道二冠、硬式空手アジアチャンピオンの肩書を持つ。アマチュアMMAでの苦戦を経て、プロデビューとなる。1R、吉田はサウスポー構えから左ストレート、左中段、上段の蹴りを自在に蹴り、安枝の再三のシングルレッグを切る。左ハイからそのまま回転しての左後ろ廻し蹴りなど空手の技を次々と繰り出して、金網に詰めてヒザも。最後は左右のラッシュでレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼第3試合 GLADIATORストロー級 5分2R〇武尊(UBF福岡)[1R2分54秒 ギロチンチョーク]×田中優樹(総合格闘技道場Reliable)  ともにオーソドックス構え。前手を伸ばしながら出入りの武尊に対し、田中はステップはせずに構える。右から左右のワンツーで詰めて首投げにしようとする武尊。  正対した田中にヒザを突くと、その蹴り足を掴む田中の首を抱えてアームインギロチンからノーアームギロチンチョークに切り替えてクローズドガードに引き込み極めた。 [nextpage] 【オープニング】 ▼第2試合 オープニングファイト フライ級 5分1R〇MASATERU(矢田道場)[1R 0分21秒 TKO] ※左ストレート→パウンド×塩谷尚也(N★TRUST) サウスポー構えのMASATERUが左ミドルで詰めて左ストレート。腰が落ちた塩谷は組みに行くもMASATERUのパウンドに早めレフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼第1試合 オープニングファイト フェザー級 5分1R〇野口蒼太(SMOKER GYM)[判定3-0] ※10-9×3×西村 剛(総合格闘技道場コブラ会)
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