【RIZIN】元UFC世界王者を驚かせた禁断のドロップキック──金原正徳「格闘技の正義は強さ。次戦は『クレベルに勝てるのは金原しかいない』と言わせる試合を」

　2023年2月26日（日）GENスポーツパレスで開催された『Fighting NEXUS vol.30』のある試合が、世界でちょっとした話題となっている。 　GRACHAN、DEEP、Fighting Nexusで活躍した咲間“不良先輩”ヒロト（ABLAZE八王子）の引退エキシビションマッチが行われ、咲間と縁のある3人が対戦。渡部修斗、桜井隆多に続き、最後に登場したのが、パラエストラ八王子時代からの練習仲間の金原正徳（リバーサルジム立川ALPHA）だった。 　ケージのなかで向かい合った金原は、不良先輩の前に走り込んだかと思いきや、試合を裁いていた梅田恒介レフェリーにいきなりドロップキック。一瞬、キョトンとした不良先輩の目前を通り過ぎての元UFCファイターの跳び蹴りの光景を、事情を知らない海外MMAメディアやファンは、爆笑や困惑のコメントで拡散。なかでも元UFC世界王者のシャーウス・オリヴェイラは「何が起きた!?」と顔文字で応えている。 　もちろん三者にとって縁があるエキシビションならではのオープニングだったが、試合が始まると、金原と向かい合った不良先輩にほとんど笑顔は無く、オープンフィンガーグローブをつけて、まるでこれまでのスパーリングのように無骨に金原と対峙し、金原もそれを望んでいたかのように、キレのある動きを披露した。 　2021年にフェザー級に戻し、RIZIN.31で芦田崇宏に2R TKO勝ち。2022年4月にもケージRIZINで摩嶋一整を3R パウンドアウト。強豪相手に2連勝の四十路の金原は、群雄割拠のフェザー級で、試合が望まれるファイターの一人だ。 　話題となったエキシビション後に、金原に聞いた。 [nextpage] 数字に泳がされないように、コツコツ頑張っていきます！ ──不良先輩の引退試合で、梅田恒介レフェリーにいきなりドロップキックを放つなど、つっかかりました。あれはエキシビションマッチの印としてのオープニングだったのでしょうか。それとも梅田さんと何か因縁が？ 「不良先輩に八王子のジムを紹介したのが梅田レフェリーですし、3人で食事にも行く仲でもあります。その引退試合で不良先輩が梅田レフェリーを指名してたのも知ってたし、不良先輩が自分の前に2試合やって疲れていたから、少し休ませる意味と、盛り上げる為に梅田レフェリーにドロップキックしました（笑）」 ──なるほど不良先輩は当日レフェリーを担当していた梅田さんとも引退試合をしたかったのですね。それで巻き込んだと（笑）。しかし、ゴングでいきなりレフェリーに蹴りかかる姿は、元UFC世界王者のシャーウス・オリヴェイラ選手が「何が起きた!?」と絵文字で反応するなど話題になっています。 「ハハハ、ドロップキックはもちろん事前にそれとなく伝えております！（笑）」 ──それでも引退試合自体は、まるでいつもされていたスパーリングを見るような厳しさがありました。金原選手のコンディションの良さもうかがえましたが、いかがでしたでしょうか。 「この話をいただいた時に、見せ物やプロレスはやるつもりはない。いつもやっていたスパーリングを見せると決めてました。一生懸命戦ってる姿の方が、絶対かっこいいと思うので。倒して終わらせないようには気をつけてましたが。この歳でコンディションを落とすと戻すのが大変なので、常にキープはしています」 ──さて、ベテランといわれるなかで、1年前の前戦でも摩嶋一整選手にTKO勝ち。技術も体力も精神力も見せつけた勝利でした。4月30日の『RIZIN LANDMARK 5』では、牛久絢太郎vs.朝倉未来、斎藤裕vs.平本蓮というフェザー級の2カードが決まるなか、金原選手と、上位陣とされる選手との試合も期待されており、その権利を得るためにもそろそろ金原選手の試合が観たいという声が高まっています。次戦への準備などはいかがでしょうか。 「先日、摩嶋選手とスパーリングしたんですが、びっくりするくらい強かった。よく勝ったなと…（笑）。僕もやりたい相手候補は何名かいます。それにこだわってしまったが故に一年間試合が出来なかった。次戦は、『クレベルに勝てるのは金原しかいない』と言わせる試合にしないと、とは思っています。格闘技の正義は強さ。数字に泳がされないようにコツコツ頑張っていきます！（笑）」 Bellatorの「アモソフ、ローガン見て 市川さんと2人で号泣！！」という金原。その両者の戦いの裏にあったストーリーとは？