【RIZIN】中原由貴「奇抜なことをやって目立ちたいというより、僕は格闘技で見せたい」＝大晦日・鈴木千裕と対戦

　2022年12月31日(土)さいたまスーパーアリーナ『湘南美容クリニック presents RIZIN.40』に出場する全選手の個別インタビューが、29日（木）都内にて行われた。 　フェザー級（66.0kg）5分3Rで鈴木千裕（クロスポイント吉祥寺）と対戦する中原由貴（マッハ道場）は元GLADIATORフェザー級王者。 　ONE Championshipでも活躍した中原は、2022年7月にRIZIN初参戦。関鉄矢との打撃戦を制しRIZIN初白星を挙げると、同年10月のRIZIN.39では原口央にTKO勝利し、RIZIN2連勝をマークしている。試合後には、当初戦う予定だったヴガール・ケラモフとの対戦を熱望したが、大晦日の対戦相手は4連勝中の鈴木千裕となった。 　RIZINでの2戦はいずれも対戦相手の変更により、ファイトプランを変更せざるを得なかったが、今回は満を持しての試合で、「これまで開けていない引き出しがたくさんあるので、それを見せられる展開が作れたらいいかなと。“中原ってやっぱすげえな”と言わせたい」と意気込む。 　目指すはフェザー級の頂点。そのRIZIN王者は大晦日にBellatorとの対抗戦に臨むが、「お互いチャンピオンがベルトを持った状態で対抗戦というのは、ベルトの移動はないですけど、どっちかのベルトの価値が下がってしまう。Bellator、RIZINの威信をかけているなと思って見ているので、個人的には勝手にライバルと意識しているクレベル選手をかつぐべき一戦」と、ともに大晦日に勝利し、王座挑戦を実現させたいとした。 [nextpage] まだ開けていない引き出しがたくさんある ──試合を控えた現在の心境を。 「いつもと違って大晦日という舞台でちょっとそわそわしていますが、比較的落ち着き始めたかなって感じです」 ──「大晦日格闘技」の印象は？ 「子供の頃からテレビで見ていたというのもあり、格闘家を志す原動力じゃないですけどきっかけにもなったし、日本の大晦日は格闘技という感じでしたね」 ──そこに今回参戦する思いも？ 「そうですね……やっぱりひとつの目標っていう言い方というよりも、ステップを踏めたなっていう。全然ゴールではないんですけど、ひとつ形として嬉しいなって気持ちはあります」 ──今回の鈴木千裕戦に向けて強化してきたことは？ 「もう全体的に自分の目指している選手像、ゴールに向かって今回はしっかり全体的に取り組んできました」 ──あらためて鈴木千裕選手の印象は？ 「ほとんど最近負けているところ見ていないので、若さと勢いのある選手。アグレッシブさでガンガン攻める印象です」 ──対戦相手が2回も変わることがありましたが、今回は変わらず準備が出来たことについて安堵の気持ちも？ 「怪我と病気は極限まで体を追い込んでいるので、いつ自分がそうなってもおかしくないけど、自分は対戦相手ありきだから、今回もそうですけど、前2試合も受けてくれた2選手には感謝ですね。今回も変わらなかったけど、作ってきてくれたことに感謝しています」 ──想定練習ができたことでどんな試合を見せられそうでしょうか。 「開けていない引き出しがたくさんあるので、それを見せられる展開が作れたらいいかなと。ただあくまで大軸は崩さず、“中原ってやっぱすげえな”と言わせたいですね。まあ、いま“すげえな”と思っている人がどれだけいるか分からないですけど（笑）。ファンの皆様に素晴らしいパフォーマンスを届けたいと思っています」 ──今回の試合の展開はどのようにイメージしていますか。 「相手はアグレッシブなのでどんどん来るかなと思いますが、付き合うか・付き合わないかは当日の感覚になります。しんどい試合になってもそうでなくても、最終的にはフィニッシュを全局面で狙って行きたいと思いま」 ──「目指している選手像」とは？ 「全局面、出来つつも、相手の得意から逃げない、と言いますか、柔術出身の選手が打撃が得意な選手をKOしているのを世界で見てきたりしているので、そういう選手が最終的に総合格闘技では強いのかなって。相手が打撃が強いから避けるのではなく、寝技強いから避けるのではなく、相手の得意なところでも押し勝つ、そういうイメージです」 ──鈴木選手は打撃が軸の選手です。「フィニッシュに持っていきたい」なかで打撃決着もある？ 「全然あると思います。一方的にやられるほど打撃の差があるとは思っていないですし、全然KO狙えると思っているので」 ──中原選手の一番のストロングポイントは？ 「僕も打撃に自信持ってやってきたので、打撃はストロングポイントかなと思います。ちょっと普通の選手とは違うかもしれないですけど、打撃をメインに戦ってきました」 ──まだ見せていない引き出しも。 「前2試合やる予定だった選手のための練習もそうですし、海外で詰んだ経験も、極めるか殴るか、投げるかでいえばレスリングも大きく括ったら、組みの部分も強化してきたので、隙あらばという感じです」 ──RIZIN2戦。どんな場所になっていますか。 「日本で戦わせていただけるようになっていろんな方から、お言葉をたくさんいただくようになって、直接、声をかけてただけるのは原動力になるじゃないですけど、改めてモチベーションを高いまま維持させてくれるような原動力になっていますね、RIZINが。（今までと）注目度が違うかなという気がします」 ──昨年、1年後の大晦日に出場すると思っていましたか。 「この舞台で戦っている選手、やっぱりカッコいいなっていうのはありましたけど、去年はまだ僕前に出ていた団体（ONE）との契約で、RIZINで戦うことすら、という感じでしたが、ファイターである以上いつかは──という感じで見ていました」 ──この試合の意味合いはこれまでと変わりますか。 「ちょっと大晦日という舞台なので、少しソワソワしていた部分もありましたが、どんな一戦も落としていいものなんてないので。RIZINでの2試合に限らず、いままでやってきた22戦と同じように大事な1試合であることに変わりはないです」 ──キャリアの部分も含めると、RIZINでは3戦目ですが、ポジション、実力を鑑みてもっと認めてもらいたいという気持ちもありますか。 「そうですね……認めてもらいたいと思っても、やっぱりそれに相応しい試合をしないと認めてもらえないし、なんか奇抜なことをやって目立ちたいというより、僕は格闘技で見せたいっていう思いが強いので、鈴木選手もそうですが、今後しっかりとした実力者とやって認めさせたい、と思っています」 ──鈴木選手とは、いつか当たると思っていましたか？ 「いや、こんなに早くは、とは思っていました。僕自身、熱望してた選手（ヴガール・ケラモフ）もいますし、代表のインタビューのお言葉で“次はもっとやりたいと言っていた選手とやれるかな”とも勝手に思っていたので……ただ、彼（鈴木）の若さと伸び代も含めて考えると、いつかやることになるだろうな、とは思っていました。 ──世界で戦ってきた中原選手から見て、今回のRIZIN対Bellatorの対抗戦をどう予想しますか。 「お互いチャンピオンがベルトを持った状態で対抗戦というのは、ベルトの移動はないですけど、どっちかのベルトの価値が下がってしまう──そんなに大きく下がるわけではないですけど、Bellator、RIZINの威信をかけているなと思って見ているので、個人的には勝手にライバルと意識しているクレベル選手をかつぐべき一戦なのかなというか、応援するじゃないですけど。 　試合展開としてはピットブル選手がプレッシャーをかけ、クレベル選手がタイミングを見て組みついてから“深さ”が出るんじゃないかなという気がしますね。クレベル選手はスタンドもできるんですけど、ちょっと個人的には……組んでからの展開のほうが気になっているので、そういう見方をしています」