身体的な素質とメンタルは武尊の方が有利とした青木だが、「だから那須川天心が勝つと思う」（C）ABEMA
2022年6月19日（日）東京ドームにて開催される『THE MATCH 2022』の全試合独占生中継を行うABEMAの格闘CH公式YouTubeチャンネルにて、青木真也がRISE世界フェザー級王者・那須川天心（TARGET/Cygames）vs.K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者・武尊（K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST）の“世紀の決戦”を語った。
青木は「どっちが有利説で、武尊を減量させたから天心有利説ってのもあるじゃないですか」と、前日計量で58kg、試合当日の最終計量（試合の3時間前）で62kgという契約体重について「そもそも階級、全く違います。那須川天心は55.0kg、ボクシングをやったらもう1階級下げるのかもしれない。武尊選手ひと回りふた回り大きいです。なので体重差自体でいうと明確に武尊有利です。当日プラス4kgのリカバリーです。でもそれは2回計量があるだけでそこからカムバックするので実質意味をなしません。武尊選手のちょっとストレスが増すくらいの程度だと僕は思っています」との見解を示す。
そのうえで「一発のパンチ力みたいな話で言うと、当然、武尊選手の方がひと回りふた回り重いと思います」とし、「那須川天心はもらってしまったら倒れるリスクあると思います。もらってないんで分かりづらいけれど、打たれ強いか打たれ弱いかでいうと、そんな打たれ強くないと思っています。サイズ的にも含めて。身体的な素質で言うと絶対的に武尊有利です。これはもう明確に言っときます。那須川さんも理解していると思います」と、身体的には武尊が有利だとする。
さらに「技術的には僕は那須川天心の技術を絶対的に信じていて、メンタル（は）武尊の方が気持ちも強いです。闘争心。で、那須川天心はもしかしたら弱いのかもしれない。凄く危ういところがあると思います。僕に近いと思う。気持ちも弱いと思う。よく悩むし、時に泣くし。彼は凄く気持ちが弱いと思う」と、技術面では那須川の方が上だが、気持ちの強さも武尊の方があるとした。
その条件を踏まえて、青木は2000年10月11日に行われたプロボクシングWBA世界ライト級タイトルマッチの畑山隆則vs.坂本博之の試合を思い出したという。
「あの時に畑山は『坂本選手は僕よりもパンチがある』『僕よりもアゴが強い』『だから僕が勝つんですよ』って言葉があるんだけれど、まさに僕は身体的素質も、この状況も全て含めて武尊選手の方が今強いのかもしれない。だから那須川天心が勝つと思う。そのくらい彼を僕は信用してます。信頼している」と、那須川の勝利を予想。
畑山の言葉の意味は、相手と自分のスタイルの違いや、秀でている部分や劣っている部分を理解して戦うということ。僕よりもパンチがある＝だから手数で勝負する、僕よりもアゴが強い＝自分が打たれ弱いと知っているからディフェンスに気を付けるという意味で、那須川は自分と武尊を分析したうえで勝ち筋を見出すだろう、と青木は予想した。
一方、青木自身は、3月の秋山成勲戦で2R TKO負け後、5月にグラップリングルールでケイド・ルオトロと対戦。グラップリング界の新星に極めさせず、あらためて組みの強さを見せている。
6月4日には元UFCのセージ・ノースカットから「シンヤ、グラップリングの試合で怪我をしていなければ、One Championshipの7月か8月のカードで対戦相手になると言われたけど、7月か8月のAmazonカードで私と戦わないのはなぜ？ 何が問題？」と問われ、青木は「すぐにサインして差し上げるから試合同意書をくださいな。ギブアップでやってやるから心配すんな」と返答している。
すぐにサインして差し上げるから試合同意書をくださいな。ギブアップでやってやるから心配すんな。 https://t.co/uwHTCuHJSK
— 青木真也 Shinya Aoki (@a_ok_i) June 7, 2022
もともと、2021年4月の『ONE on TNT IV』で実現するはずだったこのカードは、ノースカットが「新型コロナウイルスの影響が長引いた」ために試合を辞退したもの。当時、青木は緊急参戦したエドゥアルド・フォラヤンと戦い、1R 一本勝ちしている。
果たして青木の次戦は、今夏、北米配信もあるノースカット戦になるか。
