2022年6月5日(日)東京・後楽園ホール『NJKF 2022 2nd』のダブルメインイベント第2試合、IBFムエタイ世界ジュニアフェザー級タイトルマッチ3分5Rで対戦する、王者・波賀宙也(立川KBA)と挑戦者ペットング・ゲッソンリット(タイ)のインタビューが主催者を通じて届いた。
波賀は2009年7月デビューのベテラン選手で、戦績は26勝(4KO)12敗4分。第2代・第4代NJKFスーパーバンタム級王座、第5代・第7代WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座に就き、2019年9月にトンサヤーム・ゲッソンリットを破り日本人4人目のIBFムエタイ世界王者となった。2021年9月には大田拓真に判定勝ち、11月にはクン・ナムイサン・ショウブカイとドローとなっている。戦績は26勝(4KO)11敗3分。
ペットングは17歳(波賀は32歳)、波賀と同じサウスポーで65勝(40KO)13敗との戦績が示す通りKO率の高いアグレッシブなファイター。かつて日本で大人気だったムエタイ戦士チャンプアと同じゲッソンリットジム所属で、チャンプアと同様サウスポーで左の蹴りが得意だという。
波賀「激しいタイプだけど若いので結構雑。相手の穴を突いて勝つ」
――試合が近づいていかがでしょう。
「コロナで1年半ぐらい試合が空いて、その後2試合して今回なんですけど、その中では一番しっかり練習できてる感じです。前回・前々回もちゃんとできてるかなと思っていたんですけど、今考えると、今回の方が全然仕上がっています。今回はしっかり勝つための練習ができてます。やっぱり相手ありきの試合なので“勝つための練習”をしないといけないし、その相手にどうやって勝つかっていう練習ですよね。今回は相手の穴を突いていこうと思ってます」――その対戦相手、ペットング・ゲッソンリット選手についてお願いします。
「向かい合ってみないと分からないですけど、1階級上の選手なので(※ジップヌン・スタジアム認定フェザー級王者)体は大きくてパワーはあるのかなと思うし、気持ちは強そうです。一番最近の試合も、もう顔がボッコボコになるぐらい打ち合ってました(笑)。でも、その試合はサウスポー同士だったので参考になりました。YouTubeで見た中でもKO勝ちがちょこちょこあったし、結構倒しに来る選手みたいです。あと外国人と試合をしてるのもあって、だからいろんな相手とやるのも慣れてるのかなと思います」
――そんな激闘型の相手ですが、どう戦いますか?
「激しいタイプですけどまだ若いので(※17歳)結構雑なんです。だからそこを突いていければいいかなと思ってます。ベテランの選手になってくるともう穴がないというか動きが洗練されてきちゃうんですけど、そこがまだ10代なので穴はいっぱいあるのかなと思います。だから逆にこっちの穴を突かれないよう、相手の穴を突きたいです」
――荒々しいペットング選手を波賀選手が洗練された技と動きで翻弄するような試合を期待したいです。
「自分がサウスポーで今回は左vs左になるので、自分が当てたい立ち位置にいると相手も当てられる立ち位置にいることになって、いわば立ち位置の関係性が同じになります。だからそこのタイミング、足の角度だったり、そういう細かいところが結構重要なのかなと思ってます」
――対サウスポーに苦手意識はないですか?
「これまで結構あったし、特にタイ人のサウスポーはやりやすいです。これは自分が右利きだっていうのもあると思います。サウスポーは右が前手になって距離を取りますが、そこで自分は右の蹴りもパンチも使えるので、やりやすいのかもしれないです」
――対サウスポーでは右利きサウスポーである波賀選手の利点が活かせるのですね。
「左vs左の時は、右の相手とやる時以上に立ち位置は気にしてます。今回はベルトを守らないといけないし、下手に飛び込んでもらったりするのが一番怖いので、だから上手く崩しながらっていう感じです。1Rから徐々に効かせて、“もらわずに当てる”っていうのをメインにやっていこうと思ってます」
――では、しっかりベルトを守って今後に繋げると。
「そうですね、とりあえずベルトを守らないと意味がないので。やっぱり世界戦は精神的重圧もすごいし、周りの協力もないとできないので、前回(19年9月のIBF世界王座決定戦)も本当に最後のつもりでやりました。応援してくれる人がいるし、防衛して結果で恩返ししたいと思います。しっかりポイントを獲るのも重要ですし、倒せるチャンスがあったらやっぱり倒したいです」
ペットング「自分が得意な左の蹴りとパンチをたくさん出して、タイにベルトを持ち帰る」
――日本でIBF世界王座への挑戦が決まりました。どんな心境ですか?
「日本は美しく、人々が規律正しい、食べ物が美味しい国だと思っているので、行くことができとても嬉しいです。以前から行きたいと思ってました。今回出場する大会が成功することを祈っています」
――最近の試合について教えてください。
「前回の試合は残念ながら負けてしまったのですが、『今年一番の激戦だった』とファンの人たちから評価してもらいました。闘志は落ちていません」
――今回初めてペットング選手を見る日本のファンに、ご自身の紹介をお願いします。
「私は12歳でムエタイを始め、パンチと左の蹴りが得意です。ムエタイはタイの国技であり、私も誇りを持っています」
――波賀選手の試合を見て印象を教えてください。
「ハガ選手は自分がこれまで戦ってきた中で最も強い対戦相手の一人だと思います。試合を見ましたが攻撃が速く、最後まで諦めずに戦うのが印象的です。蹴りが上手いのでそれに気をつけ、自分が得意とする左のパンチとキックをたくさん出して戦おうと思います。今回も前回の試合のような激戦を見せたいですし、タイに勝利を持ち帰ります」
――ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
「得られたチャンスを活かして、自分も楽しんで戦います。最後まで諦めず、激しいファイトをお見せします。みなさんも感動して楽しんで頂ければ幸いです。忘れられない試合をしますので目を離さずご覧ください。勝ってタイにベルトを持ち帰ります。応援よろしくお願いします」