MMA
インタビュー

【DEEP】富松恵美「桐生さんに“やめてください”と思わせるような試合を」×桐生祐子「強い気持ちを持って立ち会う」=夜大会・4th ROUND

2022/05/29 17:05
 2022年5月29日(日)東京・新宿FACEにてDEEP昼夜大会の夜の部『DEEP TOKYO IMPACT 2022 4th ROUND』が開催される(※17時30分)。前日計量では、メインイベントの女子50㎏契約(5分2R)戦に出場する、富松恵美(パラエストラ松戸)が49.75kg、桐生祐子(フリー)が49.85kgでいずれもパスした。  壇上で富松は、「素晴らしい選手がたくさんいるなか、女子の試合をメインにしていただき、とても光栄に思います。試合数もあり長いですけど、最後に帰るお客さんに『メインまで観て良かったね』と言っていただけるような試合が出来るよう頑張っていきたいと思います」と熱闘を予告。  2019年6月に古瀬美月に一本勝ち以降、強豪を相手に白星から遠ざかっていることもあり、「個人的には、ちょっと最近いつ勝ったか忘れちゃっているくらい、勝ちに恵まれていないですけど、仕事が介護なので、優しさが私生活にも出てしまっているので、明日は鬼になって、桐生選手には悪いですけど、桐生選手の心を折るような試合をしていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と、“鬼”になって相手の心を折るとした。  前戦のアトム級GP(47.6kg契約)から今回は50㎏契約での試合。  計量後に富松に話を聞くと、「言われた通りの契約体重で受けましたが、正直、計量はいつもより楽でした。もう40になってしまい徐々に減量もキツくなってきたので」と四十路の挑戦を自虐的に語りながらも、コンディションがいいことを語った。  さらに、桐生のDEEPでの前戦がベテランのサダエ☆マヌーフだったことから「高年齢が狙われているのかもしれない……」と警戒しながらも、「同世代の選手たちが活躍してくれることが刺激になります」と、所属を超えた女子練習では、「黒部三奈、藤野恵実、V.V Mei、最近ではSARAMI選手も」というベテランの実力者ぞろいのなかで試合に向けて調整してきたことを明かす。  そういった周囲から、近年の試合について「優し過ぎる」と指摘を受けてきたという。計量後のコメントの意味について、あらためて「介護という仕事がら、ご老人と接することが多いからか、周囲から『優しいよ』と言われてしまって……試合中に優しさが出てしまっているのかなと。長年やっている選手には多いと思うのですが、落ち着きすぎているのか、感情がバーンと出ることもないので、そういうのを試合で我武者羅に出せたら。今回の試合では桐生さんに“やめてください”と思わせるような、相手の心を折るような試合をしたい」と、あらためて優しさはいらない、とした。  2021年3月の大島沙緒里との試合では、序盤をテイクダウンを切り、懐の深い打撃も見せたが、詰められて足技で倒されると、立ち上がり際のシングルレッグにキムラを極められた。大島が5月に須田萌里戦でも極めたフィニッシュに「あれ、私もやられたなって。逃げられなかった」と、敗戦を分析済みで、今回の試合では、「そこまでの極めの強さは桐生さんにはないし、自分のなかでも打撃、テイクダウン、タックルも対処できるし、倒されても下から対処できる。怖がらずに、自分がすべてにおいて上なんだぞというと、自分に言い聞かせて戦えれば、自分のいい部分が出て戦えると思います」と、桐生戦に向けて、自信を見せた。  昼夜大会のオオトリに指名されたことについては、「ヤングでフレッシュな人が集まる大会で、こんな渋いところがメインというのも……何かしら意図があって抜擢いただいたと思うので、途中で飽きても、“最後まで観て良かった”とお客さんに思ってもらえるような試合をしたいです。プロなので勝ちにこだわりながらも、呼んでいただたからには、観ていて楽しい試合をしたい……と、いいつつ完全に“漬けて”終わってたらスミマセン(笑)。そのときはアイツも必死だったんだな、と思ってください。でもとにかく印象に残る試合をしたい」と、我武者羅ななかにもメインらしい、観客に届く試合をしたいと語った。 [nextpage] 強化した各パートを「繋げる」作業を一番にしてきました(桐生)  対する桐生は、体重計の前で「本日の大会では初めてのメインを務めさせていただくことになりました。富松選手のような強い選手とメインで戦わせていただく、こんなチャンスはほんとうにないと思うので、しっかり明日はチャンスをモノにして強い選手に勝って、この大会を盛り上げたいと思うので応援よろしくお願いします」と、DEEP復帰後3連勝に向けて、意気込みを語った。  計量後のインタビューでは、減量について「仕事もしているのでなかなかキツかったです」と吐露。「水抜き3kgで6kg減量したのでキツかった。ただ、これまで練習時間の確保が難しかったんですが、仕事をパートにして、ここ最近は練習時間を増やすことができたので」と以前よりも大きな身体で臨むことになりそうだ。  かつて富松とはともにパラエストラ松戸でグラップリングの練習をしていた時期もあり、「力が強い印象があります。背中の筋肉が凄いです」と警戒しながらも「でも意外とテイクダウンは取れていたので、今回も取れる自信はあります」と強みを活かすつもりだ。  もともとアマチュアキックボクシングからはじめ、BRAVE時代にレスリングを磨いてきた。現在の練習環境は、花形ボクシングジムで課題の打撃に取り組み、MMAはブライトネス門馬道場で。さらにレスリングもプライベートレッスンで強化してきたという。 「各パートを細かく練習をしてきましたが、総合格闘技なので、一つひとつが強くなっても、繋がらないと意味がない。自分はその繋ぎの作業が物足りなかったので、今回はそれを繋げる作業を一番にしてきました」と、MMAとして強化したパートをつなげる動きを見せたいと語る。 「学んできたレスリングを活かすためには、スタンドで立ち会えることが重要。もともとキックボクシングから始めたので、縮こまって受け身になる恐怖心を打ち消せば、技術は出て来る。組むためには気持ちを強く持って打撃もしっかりやらないといけない。打撃も見せて、そこから組んで倒せれば、富松さんの粘りにも勝てる。そして“繋ぎ”の動きが出せれば、相手は強いですけど、勝てるんじゃないかなと考えて作ってきました」と、組むためにも立ち会う自信ものぞかせた。  DEEPでのMMA復帰後、2連勝中。勝って3連勝をマークし、「国内では大きな舞台はRIZINになるのでそこを目指していきたい」という。  昼夜24試合の最後を勝利でしめるのは、富松か桐生か。
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